2018/05/22

5/22 「ポケモンをつくった男 田尻智」の歴史改竄



ゲームをあまり知らない人は「ポケモンは任天堂が作ってるもの」と思いがちなんだけど
全然そんなことはなくって。ポケモンっていうゲームは初代からずっとゲームフリークっていう同人屋上がりの集団が作ってる。任天堂は販売してるだけなんですよね。
で、このゲームフリークっていう同人屋上がりは新卒でロクでもねぇカスばっかり取るわ、新作ポケモンはユーザーの志向を無視したズタボロの悪意満載の状態で発売して今まで愛してくれたファンにそっぽを向かれるわっていう、まあ有り体に言えばくだらんオタク共が集まって出来たヒドい会社。今ではそんな会社になってしまったけど、最初期のメンバーっていうのはやっぱりすごい人間が集まってる。

杉森建、増田順一。いずれも絵、サウンドで超一流の人間だ。
そしてそんな超一流のロクでなしオタク共を纏め上げたのが田尻智。アニメポケモンの「サトシ」はこの人の名前から取られてるってのはあまりにも有名。

この田尻智という人がいなければポケモンは存在しなかった。ポケモンというゲームは即ち田尻智という人間の半生を詰め込んだものなのだ。
ゲームオタクとしても、クリエイターとしてもズバリ唯一無二の存在だった。

でもそんな彼は「ポケモン赤緑」「ポケモン金銀」を作った後、スパッとゲームクリエイターとしては引退してゲームフリークの経営に専念してしまう。
イチローで例えるならメジャーの最多安打記録を大幅に塗り替えた年に現役を引退するようなもんだ。

そのせいで我々ポケモンフリークは絶対に田尻智のことを批判できない。
どれだけ新作ポケモンが酷い出来でも、田尻智が作ったわけではないのだ。そして図ったように田尻智は経営に専念してからメディアへほとんど露出を行わなくなった。一時は死亡説も流れていたほどだ。だから最近は、ポケモンは大好きだけど田尻智は知らない! なんて人も多いだろう。ほとんど表舞台に出てこないわけだからそれも仕方ないっちゃあ仕方ない。




「ゼビウス」がなければ「ポケモン」は生まれなかった!?———遠藤雅伸、田尻智、杉森建がその魅力を鼎談。ゲームの歴史を紐解く連載シリーズ「ゲームの企画書」第一回


とかみんなが思ってた時に出たこの連載は衝撃的だった。あの田尻智が表舞台に出てきたのだ。ポケモンは立場上語りにくいけど、ゼビウスを語るためなら喜んで出るという。そりゃあもう当時の僕たちはうっひゃあ~、とたまげたもんだよ。
田尻智が言葉を話してるだけで、田尻智から隔離されていた僕たちにとってはとんでもない衝撃だったわけだ。


あれから2年、田尻智もボチボチ表舞台に出ていってええかな~、という気分になったのかこんな本が発売された。

ポケモンをつくった男 田尻智



いわゆる学習まんがスペシャル。ナポレオンとか織田信長の人生がウソっぽい綺麗事の構成で学べるやつだ。
リズと青い鳥を見に京都に行った帰りに寄った本屋でこれを見つけた時は目ん玉飛び出そうになった。発売日のちょうど前日だったそうだ。勿論即購入。学習まんがスペシャルをオタクが買うというのは中々アレな光景です。

まあこの本の話の前に紹介しておかなければならない本がある。それがこれ


今じゃプレミア付いてるけど、昔は600円ぐらいで買えたよ。コレ

学習まんがスペシャルの方が「つくった」、こっちは「創った」ね。わざと被せてんのだろうか。
で、この「創った」方では田尻智の個人的なことしか書かれてない。
どんな映画に影響を受けたとか、子供時代はこうだったとか、杉森建とはどう出会ったか、男だらけの会社に女を入れてみたら複数の男と関係を持っちゃって社員の半数が辞めたとかねw もうこれぞ王道! って感じのオタサークラッシュだよね。

他にもポケモンを開発したチームがオウム真理教のお弁当屋さんから弁当をバイク便で届けてきてもらってたなんてほとんどの人は知らないと思う。

本当に徹底的に田尻智のパーソナルについてしか書かれてないから、そりゃあもう僕らみたいな田尻智フリークにとっては絶対に外せない一冊になっちょるわけです。
この本を読まずして田尻智オタクは名乗れん!!



本題に戻ろう。で、この「ポケモンをつくった男 田尻智」の内容は基本的に「田尻智 ポケモンを創った男」の劣化版です。
大体言ってること同じ。子供向けだから前述したオウムのお弁当屋のエピソードや女社員を入れたら複数の社員と関係持っちゃって会社が崩壊した話とかはない。
ほとんど綺麗事に脚色されてる。漫画もそんなに面白くないしね


例えばオタサーの姫を会社に入れたら社員の半数が辞めて会社が崩壊しかけたエピソードはこんな風に改竄されてる。



おーおー、脚色しちゃってまあー。
子供向けだから表現を軽くするのは分かるけど、ウソをつくのはどうなんだかねぇ。



皆さんやポケモンに憧れる子供にはこんな本は買わず「田尻智 ポケモンを創った男」の方や「パックランドでつかまえて」の方を読んでもらいたいけど、今はどっちもプレミア付いてて田尻智フリークには厳しい時代ですねぇ。
田尻智にはこんなウソだらけの本を出版するより、過去に出した既刊の増刷をしてくれた方がずっと将来のゲーム業界のためになると思うんだよ~



面白かった点



漫画の内容と全く関係ないのに唐突にコミケを語りだす田尻智。
艦これについて言及する田尻智が見れるのはこの本だけ!


また巻末の解説を宮本茂が書いてるのがすごく良い。
「サトシ」の元ネタは田尻智なんだけど、アニメポケモンの初代ライバル「シゲル」の名前は宮本茂が元なんだよね。
「サトシ」の半生を描く漫画の解説を「シゲル」が書く。エモい。エモすぎるぞ田尻智。

これだけでもう心の中の腐女子が騒いで倒れそうなるね。
この宮本茂が田尻智の半生について言及するという、その解説文を読めただけでこの本の価値はあるかなと思います。

でもウソは良くないと思うよ、やっぱり。