2015/05/29

エンジェルビーツについて

唐突だが私は岩沢というキャラクターが好きだ。
私がAngel Beats!の中で好きなキャラクターランキングを作れば
1位 岩沢
2位 音無
3位 ユイ
の順になるだろう。 オタクはすぐ好きに順位を付けたがる。
何故岩沢が好きなのか。ギャラクシーエンジェルのミントさんで恋に落ちた沢城みゆきがCVだからかもしれないし、新作のゲームでえっちなCGを披露してくれたからなのかもしれない。

あと最低な事を言えば僕自身岩沢と天海春香さんを重ねているフシがあって、天海春香さんでオナニーすることは出来ないし許されることでもないけれど、岩沢なら出来るとかいう訳分からん基準があったりする。本当に最低なことを言ってしまって申し訳ない。


ちなみにこの岩沢、1話で重要キャラっぽく登場したのにも関わらず3話で成仏して以降登場することはありません。話題に出ることも少ない。
突然消えて誰もそのことに触れない、全ての意味でAngel Beats!というアニメを体現するキャラクターと言えるでしょう。別にdisっているわけではない。
そもそもエンジェルビーツには「成仏したキャラには極力触れない」という不文律がある。誰もそれを口にはしないけれど、誰もが守っていることだ。5点差で盗塁をしてはいけないのだ。
この不文律を皆が律儀に守ってるが故に、岩沢は「出てきてすぐ居なくなった影の薄いキャラ」という捉えられ方をされてしまった。これは大変不名誉なことである。
というわけで今回はその汚名を返上していきたい。
岩沢は素晴らしい魅力を持った人間であると表明していく所存だ。
それから各所でへたれヒモクズジゴロ野郎との罵りを受けている音無結弦さんの弁明にも努めていきたい。

そもそも何故「成仏したキャラに触れない」という不文律が存在するのか。それは端的に言えば、希望を持てたからです。
そもそもあの世界は死者が集まる死後の世界。それも満足する青春を送れなかった、理不尽な人生を送らされた者たちの世界です。そんな世界でNPCと同じようにいっぱしの青春を謳歌してしまえば未練が浄化されて成仏してしまう。それがあの世界のシステムなのだ。
そんなシステムに反逆し、死後の世界でもなお生き続けようと試みるのがSSS(死んだ世界戦線)なのだ。
彼らは徹底的に抗い続ける、授業をボイコットして野球に興じたり釣りを楽しんだり地下ダンジョンを攻略したり校長室を占拠したりゲリラライブを開いたり仲良く学食で飯を食ったりする。
「それこそ立派な青春じゃねぇか!」というツッコミを入れたくなる盛大なギャグなのだが、実はこれがポイントになってくる。
彼らの「未練」は楽しい青春生活を送ることではないのだ。もし、未練が青春を謳歌することならば、SSSに所属した時点で成仏しているだろう。そもそも楽しい時間は永遠に続いて欲しいものなのだ。それが人情というものだ。
だから「楽しい青春を過ごせたから成仏する」という流れは根本的に破綻している。
そもそも悔いのない人生というのはありえないんですよ。人間は悔いを残して死ぬもので、本当に悔いのない人生を送れたのだとしたら、その時間が永遠に続かなかったことを悔いるでしょう。
明日トラックに轢かれて死ぬかもしれないから毎日悔いの残らないように生きようとかいうアホの戯言は虚言でしかない。話がズレた。別にそういう話をしたいんじゃない。

悔いのない人生はありえない。だから、死んだ世界の目的は生前果たせなかった悔いを満たしてやることではないんです。人生の再試合をやる世界じゃない。彼らもそれを望んではいない。
故に、彼らの「未練」はもっと別のポイントに存在する。それはおそらく、今の未練を満たすことではなく、来世に希望が持てるようになること。

岩沢は何故3話で歌いきることで成仏したのか。それはきっと満足したからではなく、来世に希望を持ったから、来世でも歌うことが出来るという決意が出来たからなのだろう。
I also sing next! という言葉がある。直訳すると、「私は次も歌う」という意味だ。
この言葉は岩沢が、別れ行く皆で共有する寄せ書きに書いた言葉だ。
岩沢は来世でも再来世でも、たとえミジンコになってもオケラになっても歌うでしょう。それが彼女が死んだ世界で得た物だったのだと思う。

成仏するということはあの世界から居なくなるということでもあると同時に、「来世に希望を持てた」ということでもある。だから来世に希望を持てないで反逆を続けている死んだ世界戦線の面々は、成仏した仲間に対して、寂しさや悲しさと同時に憧れという羨望めいた感情を持ち合わせているのではないでしょうか。だけどそんなことを口にすることは許されない。
人間社会で「マイケル・ジャクソンみたいに死にたい」なんて言ったらマイケル・ジャクソンのファンからボコボコにされますからね。お前は何の話をしてるんだ。
だから誰も、誰かが言ったわけではないでしょう、成仏した人間の話はなるべくしない。自然とそういう不文律が生まれた。5点差で盗塁をしてはいけない。
そもそも死者は弔うものですけど、これから新たな生を迎えるであろう人間にかける言葉なんてありませんからね。エヴァとかいう陰湿根暗味噌集団のアニメじゃないんだから、自分の先を越して未来に向かっていった仲間に「おめでとう」だなんて言えるはずはない。

ちなみにI also sing next!の寄せ書き云々は昨日僕が夢で見た全くの妄想です。本当にすみませんでした。


ガルデモの歌を歌っているのは声優ではなく別のアーティスト、というのは有名な話。
し かしLiSAは知っていてもmarinaは知らないという方は多いのではないでしょうか。marinaさんはエンジェルビーツのボーカル担当をきっかけにデ ビューし、現在はPCゲームを中心に活動している。その点、エロゲ大好きキモオタクである私はコテコテのアニソンしか歌わないLiSAよりも好感を持って いるのもランキングの順に相関しているのかもしれない。
ハッキリ言って私はLiSAのキンキンした声が苦手なのだが、「ユイの歌」ということを考えればこれ以上ない配役だったのだと思わされる。10話の一番の宝物はボーカルがLiSAじゃなかったら泣かなかった。LiSAさんの他の曲だとträumereiが好きです。


Girls Dead Monster(まず名前だけでエモい)の曲だとAlchemyの歌詞が格段にエグいですね。麻枝准渾身の1曲に仕上がってる。深く歌詞を把握してない方は是非見て欲しい。http://j-lyric.net/artist/a053d48/l020b14.html
ちなみにLiSAさんの本名は織部里沙(おりべりさ)と言うらしい。トリビアの泉に投稿すれば80へぇは固かったでしょう。


閑話休題


ここまでの話で引っかかった人も多いかと思われますが、Angel Beatsでは「来世」が存在するものとされています。
皆さんは来世、存在すると思いますか?
知らんとしか言い様がないわな。
しかし死後の世界では来世はあるものとされている。それは何故か!? こんなん一々考えるようなことじゃない。そうでも考えないとやってられないからです。理不尽な人生を送らされて何も叶わないまま死んで、死後の世界に送られて、来世がないと考える精神は普通の人間は持ち合わせません。
まあそれとは関係なしに最終回Cパートで奏と音無が再会してますし、あの世界ではあるんでしょうね、来世。


死後の世界の役割は来世に希望が持てるようになることという話をした。
日向がセカンドフライを取ろうとして、成仏しかけた回がありましたね。最終的にユイにゃんに蹴飛ばされて落球しましたが、僕の説が正しければ、あれは取っても成仏はせんでしょう。
そもそも日向はセカンドフライを落として大会を敗退してチームメイトから陰口を叩かれて落ち込んでいるところを先輩に付け込まれて覚せい剤にハマって死んだわけで、セカンドフライを取れれば解決するという問題じゃない。
日向が本当に必要だったのはフライを取ることじゃなく、フライを落とした後、軽口言って小馬鹿にして励ましてやれる仲間だったんですよね


こんな具合にAngel Beatsのキャラには未練なりやりたかった事なりがあるんですが、例外が居る。天使ちゃんこと立花奏さんとへたれヒモクズジゴロ野郎こと音無結弦さんですね。
 奏さんは音無の心臓移植によって助けられて、そのお礼を言うために死んだ世界に来たので、音無にお礼を言えた時点で未練はない。だから最終話でも音無が惜しむ中すんなり消えたんですけど、ここで一番の例外が音無になる。
最後の最後に消えたくないと叫んだへたれヒモクズジゴロ野郎の音無さんです。

先に言っときますけど僕は音無という主人公が大好きなのです。その割りにへたれヒモクズジゴロ野郎だなんだと言われているのが本当に悲しい。貴様らの血は何色だ。

音無は記憶を喪失していて唯一あの世界で未練がないキャラクターなんですよね。だから他人を成仏させようと活動も出来るし自分の未練と向き合うこともない。そんで途中で記憶が戻るんですが、途中で記憶を取り戻したことで音無は唯一死んだ世界で未練を作ったキャラになる。
大半のキャラクターは未練を持って死んだ世界に訪れるのに、音無はこの世界で未練を作ってしまった。
救えなかった妹と奏さんを重ねちゃったんでしょうね。だから音無は未練を来世への希望に変えることが出来ない。音無にとって未練というのは妹を救うことで、妹が救えなかった今それを奏さんに移してしまっている、だから奏さんが死んだ世界に居る限り音無は絶対に成仏できないんですよね。
最後の最後でそのことに気付いてしまって、奏さんを引き留めて二人で死んだ世界に留まろうと話すんですが、奏さんも分かってたんでしょうね、自分が居る限り音無が成仏できないということを。だから自分がまず消えて、音無にその後を追わせるようにした。とても感動的な話ではないですか。

音無がやれ自己中だ最後の最後で意見を変えるヘナチョコ野郎だなんだとマジでかわいそうなバカ共が喚いてますけど、音無の生前というのは他人に尽くす人生だったんですよ。妹を助けようとして出来なくて、それ以外の誰かを助けようと医者を目指すけど死んでしまって、最後の最期にドナーでやっと1人救えて、死んだ世界に来てからも受け身で誰かのための事ばかりやって。最後ぐらい自分勝手になってもいいじゃないですか。ようやく自分が救えた1人の命と死後の世界で暮らそうなんていう甘い考えを持ってもいいじゃないですか。

そもそもオタク共、あんな可愛い子と二人きりの世界になったのにそのまま消えていくことなんて出来るわけないだろうが。綺麗事を言うな、なんだその第三者目線は、もっと真剣に音無の目線に立って考えろ。口で言うだけなら誰にもできるぞ。

同様の問題は伊藤誠の時にも言ってましたね。発言はサルベージしといたんで暇な人はどうぞ。
http://gyazo.com/b2541edec3b43b2289da86f9b94195d2

伊藤誠の様にゴミオタク共からクズだなんだと蔑まれた音無の判断は実に切実で、我々の心に迫る決断だったと言えるでしょう。まあそんな甘い考えは奏さんに一蹴されましたが(めでたしめでたし)



この記事を書いたあと一番の宝物の歌詞 http://j-lyric.net/artist/a053d48/l021472.html を見直してたら俺の泉こなたさんの想いをド直球で歌っててボロ泣きした。

それはともかくマスターアップおめでとうございます。世界の終わりも大好きです!