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2025/06/07

理想の絵の描き方

 
 
 本格的に絵をやり始めて3年ぐらい経ったんですが(Pixiv調べ)
ついに理想の絵が描けました。その再現性を高める意味でも備忘録的に理想の絵が描けた理由を書いておきます。 
 
可愛いと家


可愛いですね。
これが私の理想の絵です。 


  • 良い絵を描けるようになるには良い絵を描く必要がある 

 格闘ゲームなどの対人ゲームにおいては、押せないコンボや出来ない動きがあったらそれが出来るようになるまでトレモに籠もり続けて出来るようになるのが最も最速で、唯一の上達方法です。実践の中で上達する要素が極めて少ないと言い換えてもいいでしょう。
 
これが絵の場合、「良い絵を描く」ことでしか上達が見込めません。
良い絵が描けるようになるために良い絵を描く必要があるという、古龍を狩るために古龍の武具が必要になるようなジレンマがあります。 
 
10年以上前にコンプティークで連載されていたケロQメソッド

 
 
言い換えれば練習で上達する要素が極めて少なく、実戦の繰り返しで上達していくのが絵です。
模写やデッサンを100枚描けば何かしらの技術向上は見込めるかもしれませんが、それで良い絵が描けるようになるわけではない。 
 
  • 出来ないことはしない 

良い絵を描くために私が最も大事だと思ったのが出来ないことはしないです。
手が描けないなら手を隠した方が、服が描けないなら全裸にした方が良い絵になる確率は上がります。極論ですが、まあそういうもんだと思って受け入れていただきたい
 

私の場合の「出来ないこと」は「構図やポーズを0から着想する」でした。
それって絵のすべてじゃん、と思われる方もおらっしゃるかもしれないが、それって絵のすべてなんですよ……!!
 
なので、これが出来ないお陰で私はこれまでずっと絵が描けませんでした。
そして、それは今も出来ません。
ただ、出来なくても済むような方法を模索しました。
 
 

 例えば上記の絵のポーズは最近発表されたミリシタの新曲、Luvliminal imageのMVから引用していますし
 
 
1年で絵柄変わりすぎやろ

 その前に描いた絵は過去の自分が過去に描いた絵のポーズ、構図を丸々流用しています。
 
 

 また、この絵はゆゆ式5話アイキャッチのパクリオマージュですね。
(伝わらなかったらどうしようとソワソワしていた) 
 
 
 この他にもあらゆる方法で出来ないことをやらなくて済むようにしています。
流石に半分ぐらいは自分で考えて描かざるを得ないのですが、その時でも今頑張って描けば未来でポーズを使い回せると思えば気が楽になりますし、頑張る気持ちも湧いてくるはずです。本当かどうかは知りません。
 
自分の場合はラーメン発見伝で言うところのアレンジャー気質の人間であり(というか大体の人間がそうなのでは)、0から1を作るのは苦手だが1を元に2や3にしていくのは結構得意というか好きなのでこういう方法が通用しています。
 
世の中にはラフを描くのは好きだけど仕上げるのは苦手という変わった人間も相当数いるようで、そういう人たちとは真逆の性質ということなのでしょう。
 
 
余談ですがたまにやってる人がいるAIイラストを下敷きに描くやつは難易度が高くて基本的に微妙な仕上がりにしかならないのでオススメしません。
AIイラストの人体が歪みやすいポイントを理解していたり、とっかかりとして利用できる力量のある人がやって初めて有用になると思います。
 
 

  • 自分に出来る方法でやる

 私はずっと大陸系の厚塗りに憧れており、厚塗りっぽい感じの塗りに何度も挑戦しては派手に失敗していました。
 
厚塗りっぽいことをやろうとして失敗した例

 
 それでも大陸系っぽい絵をやる気持ちを捨てられなかった頃に、ラーメン発見伝の藤本クンよろしく自分の萌えの原体験であるマビノギの立ち絵を見返しました。
 
 
これや!!!!!!!
 
すごい!!!!!!!!!!
 
 
20年近く前のゲームですが現代基準においても相当萌えている。
自分の原体験はここにあったんだ!!!!!
 
そして何より、この工数の少ない塗りなら自分にも出来そうという勇気を与えてくれます。
お笑い芸人やライトノベル、小説家になろうやWEB漫画など、近代の多くの文化は「自分にも出来そう」という自惚れによって隆盛したはずです。
 
というわけで、こういう系統の工数の少ない塗りでメチャ萌えイラストを描いてる韓国人絵師をTwitterのパワーで4~5人見つけ、それを参考に研究して自分でも出来るように塗りを構築しました。
 
出来ないことはやっても出来ないので、出来る方法に切り替えるのは大事だと思います。
所謂いつもTwitterで言ってる腕を下げろバットを短く持てというやつです。
 
 
  • 出来たこともしない


実はというほどのことでもないですが、左のラフの顔の部分は以前描いた絵(右)の顔をそのまま引っ張ってきてます。目や塗りに至っては一切描いてません。
手はこの前手をたくさん描いて練習したデータの山の中からコピー&ペーストして左右反転しています。 
なのでこのラフで描いたのは服装の装飾の部分だけなんですね。
なんてエコなんでしょう。
 
さっきから手抜きの話しかしてない気がしますね。
後述しますがここで手を抜いた分が後々生きてきます。 
 

  • 常に上手くなり続ける

 流石に以前描いた絵そのまんまコピーというのもアレなので修正を加えるんですが、自信のある作品を元に改めて修正を加えると、なんと常に自分の最高得点を更新し続けることができます
出発点が自分の自信作なので、最低でもここには辿り着くという最低保証があります。
そうやって描いた今回の手や顔もデータベースに保存して、次回使うときに持ち出せば理論上は常に上手くなり続けることができる。(本当か?)
 
少なくとも、似たような構図の絵を描く時は以前描いた絵を下敷きにすればいいので、手間をグッと減らすことができます。
これも後述しますが、絵を良くするためには手間や面倒を減らすことが本当に大事だと思います。 
 

  • 原作を無視する


さっきの比較ですが、元の設定や衣装にはヘッドバンドなんてありません。(百瀬莉緒というキャラクターだけ付けてる)
じゃあなんで私の絵では付けてるのかというと、付けてた方が可愛いと思ったからですね。
あとイヤリングもちゃんとこの衣装のデザインが設定されてるんですが、描くの面倒そうだしあんまりこの絵には合わなそうなので勝手にデザイン変えてます。
 
よーみたら髪の色も目の色も原作とはぜーんぜん違います。
 
 
昔は自分も原作通りの設定で描かなきゃと思ってたんですが、 そこはある程度無視した方が逆に原作に似ると思うようになりました。
1から10までアニメーターのように合わせるならともかく、原作の雰囲気なんていうのはどの作品も唯一無二なので、中途半端に合わせに行くよりは自分にやりやすい方に方にと変えていった方が魅力は出やすいと思います。
 
左から緑色、青色、紫色の目

 というかそもそも原作の時点で絵柄から目の色髪の色まで全然違うんだから、絵の雰囲気に合う選択をその都度やっていくのが良いはず。
 
 

  • 替え歌をツイートする


 
 こんなクソみたいなツイートばっかりしてるアカウントをリムーブしないでいてくれるフォロワーちゃんは菩薩か何か?
 
 

  • 手を抜いたことで一番大事な要素(コンセプト性)に注力できた

 増山修(超スゴイアニメの美術監督)曰く、絵において最も重要な要素はコンセプトと設定だという。
俺たちはどうしても絵が上手くいかない時は、あわよくば良くなってほしいという祈りを込めて小手先の修正に時間を費やしてしまうが、上手くいかない時はそれ以前の工程が間違っている場合がほとんどです。
 
つまり、失敗してんだからバッサリ直せという身も蓋もない話になるのだが、人間が1つの絵に込められるガッツ値は限られている。
それは人によっては20かもしれないし、1000かもしれないのだが、とにかく限られている。
 
ここまで何時間もかけて頑張って描いてきた絵をバッサリ切り捨てて修正できるようなガッツ溢れる人間など、そう多くはいないだろう。
 
1から絵をひっくり返して修正すれば良くなることは理解ってはいるがガッツが足りず描き直せない

 
そこで重要なのが、ガッツ値を温存することです。
上の絵で言うならば顔や手は丸々コピー&ペーストなのでほとんど描く労力を使っておらず、残りのコンセプト性や絵の全体のイメージをまとめることにガッツの大部分を投入することができました。
労力を大して使っていないのだから、直すことにも抵抗がありません。 
 
絵において最も重要なのはコンセプト性なのに、多くの人は(類に漏れず自分も)そうではない小手先の作業にガッツ値の大半を持っていかれてるという現状があります。
上述のような工夫をもって、手抜きに手抜きに手抜きを重ねることで、絵において最も重要な工程であるコンセプト性に多くのガッツ値を回すことができました。
 
 
ここまで露骨な手抜きをしなくても、コンセプトが最も重要でそこに労力の大部分を割く。という意識配分ができるだけで随分と変わってくると思います。
 

  • 蜘蛛の糸を1本1本取り除くように色を塗る

 塗りの工程は基本的には最終工程なので、ハッキリ言ってガッツ値が全く残っていません。
なのでこれまでは、最も絵のイメージを左右する重要な工程なのにヘロヘロの状態で塗りをやっていい加減になってしまっていました。
 
それが今回は無数の手抜きを以てガッツ値を温存したことで、塗りの局面にも大量のガッツを投入できるようになりました。
具体的な話は難しいんですが、蜘蛛の糸を1本1本除去していくようにこの色でいいのかこの塗りでいいのかを確かめながら慎重に塗り進めることで、今までのどこか投げやりにやってた塗りと比べて随分良くなりました。
 
 
丁寧にやろう!(普通)
 
 
余談
ほとんどの人は絵の描き始めは慎重に、作業が進むにつれて描き慣れてくるといい加減で大雑把になっていく傾向にあります。
しかし絵はここまで書いてきたように、序盤は大雑把に進行し労力を温存し、後半は慎重に進めた方が上手くいきやすいです。
この意識の転換が大事なんですがまあ言うは易しです。 
 
 
終盤の寄せの部分は大事だから丁寧にやろう!(普通) 
 
 
 

  • 余計な影は自信のなさの現れ 

 これは未熟な人の絵あるあるなんですがほんまに影がゴチャゴチャしてます。
影がゴチャゴチャすることで何を表現してるのかどんなシワなのかがよく分からなくなってるし、全体的に汚い印象も感じさせます。
 
勿論僕もそうだ!
 
これまでの自分は影をゴチャゴチャ置くことでなんとか誤魔化そうとしてたんですが、本当に良い絵というのは影なんて塗らなくても下塗りで色を置いただけの状態でもよく見えるもんだということに気付きました。
 
我々がプロクラスの超絶スゴイ塗り技法を持っているならともかく、下塗りの状態でよく見えない絵はしっかり影をつけてそれっぽくしてもたかが知れているのだから線画から見直すべきでしょう。
 
逆に、色を置いただけの下塗りの状態で、それでもよく見えるんだったら(ほとんどないことだが!)、その絵はどうやっても上手くいくから自信を持って塗れるはずだ。 
自信がある限り、ゴチャゴチャした余計な影をつけて絵を汚すこともなくシンプルに塗れるはずです。これは精神の話なのでそう思えばそうなります。
 
 
 
 
 

  • おわりだよ~ 

ここまで書いておいてなんですが絵は個々人によって方法も目標もまるで違うのであまり参考にはならないと思います。
例えば厚塗りやラフを描くのが得意な人にとって大事なのはここに書いたことは全く正反対のことかもしれません。
 
また、ハウトゥ系の本や動画を読み漁ったときによく言われていた
「トリミングはキャラを目いっぱいに入れよう」 
「立体を意識しよう」
 
 というアドバイスを敢えて無視するようになってから、私は一気に描けるようになりました。
人の教えなんてものはシカトしてナンボですな。
 
「手抜きをしよう」なんてことを教える教師はいませんが、実際に自分は手抜きをすることで理想の絵が描けるようになりました。
結局こういう分野では個々人の属人性が強すぎて誰かの劣化コピーにすらなれないのだから、自分に合うフォームを自分で発明するしかないんでしょう。
 
人の話をよく聞いて、その上で自分にあう選択肢を試しながら取捨選択していくのが大事なんだと思います(普通)
 
 
じゃあ、オレはSwitch2を使ってウイニングポスト2025でハクタイユーの系統確立するから……  
 
 

2025/04/13

「牛」について解説記事

 
 
 
 まずは皆さんこちらの絵を見ていただきたい。
さっき描きました。
 
ジュリアちゃんラブリー路線


可愛いですか? 可愛いと思いますよね。
そう言ってほしい。
さもなくば私はあなたの何かを保証できない。


さて、この絵を見て皆さんはどう思いましたか?
私は、「牛」やな、と思いました。


 


 萌え絵に好影響をもたらす要素を分解した時、「牛」「真理」「アタックトリガー」の3種類の要素があることが近年(さっき)の研究で明らかになっています。

この3つの要素を意図的に操作することで、狙いに近い絵を描けるようになる。という理屈です。

兎にも角にもまずは牛の説明をさせてください。
 
 
 
 
 結論から言うと牛とは「可愛さのグレードアップに寄与する要素全て」です。
萌え絵は目の配置、輪郭、髪の描画、眉、描き込み、口の形、それらに付随する表情などあらゆる要素を以て可愛さのグレードアップを試みます。

その試みるという行為、あるいは試みた形跡全てを内包して「牛」と呼びます。

閑話休題
なんでこんな変な言い方をしているのかというと、既存の言葉で言語化するとそれは柔軟さを失ってしまい、本来表現できたはずの奥行きがなくなってしまうので、より広義的な意味合いを失わないように敢えて全く無関係の言葉で言語化しています。
 
閑話終わり


「牛」「真理」「アタックトリガー」の3要素の中で、牛は土台の役割を果たします。最も重要な要素であると言っていいでしょう。

「牛」は単体で成立します。
例えば先程の絵は牛の要素しかありません。牛に注力して描かれています(まー私の絵は大体全部そーですが)
アタックトリガーや真理は絵を補強するサポート的な要素なので、それだけで成立させることは難しいです(不可能ではない)

「牛」は概念なので、完成途上の絵を見て、牛が足りていないなという判断に至ればあらゆる手段を講じて牛をやります。
牛は単体で成立するので、牛があるのに絵が微妙……ということは中々ありません。
基本的に萌え絵を描くというのは牛を求め続ける行為となります。
牛をひたすらやり続けることで、萌え絵に「可愛い」が宿るようになっていきます。これは無意識でやってる人が多いでしょう。
それに名前をつけて意識して行うのが「牛」
 
 


真理について


真理は専門外というか今まで逃げ続けてきた分野なので軽く触りだけ紹介します。
真理とは「シチュエーション/コンセプト」です。


例えば「牛」に特化したこの絵には真理が一切ありません。
一応この絵には
「ジュリアちゃんがオシャレして、プロデューサーとデートの待ち合わせをしている」
 
という背景がありますが、それが受け手に伝わることはないでしょう。
白背景だし、伝えようとする努力を放棄しているし……。

このシチュエーション/コンセプト性と、それらを伝える為の工程をまとめて「真理」と呼びます。最近自分の中でハガレンブームがプチ再燃してます。

この絵に真理を加えようとした場合、「ジュリアちゃんがオシャレして、プロデューサーとデートの待ち合わせをしている」というコンセプトを伝える為には。

「街の鏡の前で髪型のチェックをする」
「駅前の背景などを描く」
「文章や台詞でシチュエーションを説明する」


などの補強が必要でしょうか。想像するだけでカロリーが多すぎてイヤになっちゃいますね。私は絵を描く前にカロリーを計算してそれが多い場合は逃げるタイプのカスなので真理とは相性が悪いです。
(しかし、いつかこの道に進まなくちゃいけない時がくるかもしれないんだ…(ドキドキ二択クイズ))

真理があると絵がグッと消化しやすくなるので、カロリーをあまり増やさずに真理を獲得できる方法を考えていきたいですね。

 
アタックトリガーについて


これはさっき思いついた要素です。
基本的に強力な絵には強力なアタックトリガーが装備されていることが多いです。
アタックトリガーとは「絵の攻撃力」と言い換えられます。
以前私は攻撃力理論という、ザックリ言うと「キャンバスの中で役をしていない部分を極力削ることで絵の攻撃力を上げる」という理論を提唱しました。
https://millionfire.blogspot.com/2024/03/32.html

今思うと低レベルな理論なのですが、発想はこれに近しいものがあり、それを実践的にバージョンアップしたものです。
 
 
 
 こういうのは自分の絵を貼るべきなのですが、私はアタックトリガーが出来ていないので人の絵を紹介させてください。
 
 この絵は極めて強力なアタックトリガーを数多く装備した究極のアタックトリガー絵です。
私の理想に近い絵ですし、本当に素晴らしいです。

この絵でアタックトリガーの役割を果たしているのは

「紅潮した顔、フキダシ、ハート」
「スクール水着」
「デカすぎるハミ乳」
「おへそや腰回りのやらしい塗りと輪郭」
「太い太もも」


などでしょうか。5点以上ものアタックトリガーを装備しており、その質も全てが最上級です。神。気付きにくいですがほくろもエッチですね。

この絵のアタックトリガーは大多数が肉感的なセクシー表現ですが、そうでないアタックトリガーもあります。
例えば

「服のセンスが良くオシャレ(メイドやバニーもここに該当する)」
「髪や手が繊細で美しい」
「好きなキャラだ(二次創作)」
「ロリ巨乳だ」

 
など、とにかく絵に「良さ」を添加できているものがアタックトリガーです。
シチュエーションやコンセプトが良さになることが多いので、真理と被る部分もありますね。

アタックトリガーは多ければ多いほど良いですが、1個でも十分役をします。ただし、その1個が強力でなければ絵の火力は落ちます(バズりや受けが目的で無いなら別にそれでいい)




3度目になりますが同じ絵を貼ります。
この絵は「服が可愛い」という狙いが唯一のアタックトリガーになっていますが、作者の画力が足りてなくて服を見栄え良く描画できてないですし、そもそも上半身で切れてるのでアタックトリガーの打点があまり高くありません。

一応「おっぱいを盛っている」という部分もアタックトリガーにならないかな~~とあわよくば狙っていましたが、直接的にそれが攻撃力に繋がってるということはなさそうです。

なので、この絵のアタックトリガーを強化するとしたら

「よりおっぱいを一目で分かる大きさまで盛る」
「下半身まで描いてファッション性をアピールする」
「服の描写のレベルを上げる」


などでしょうか。おっぱいをクソデカくするのは今からでも出来ますが、攻撃力が上がる代わりに防御力が著しく落ちるので今回の絵に適した処方とは言い難いでしょう。

全身を描くのは単純にカロリーが2倍以上に跳ね上がるのでしんどいです。
この絵はローコストで描けるから軽い気持ちで作ろうという、カービィのエアライドと同じ制作背景があるのでコストが上がるのは本末転倒。

描写のレベルを上げるのは頑張りますが、シンプルに筋トレなので辛いぜ。
 
 


とまあ、決定的なアップグレード案は見つからないものの、絵の良さを発揮してる部分を「アタックトリガー」と定義し言語化したことで、
 
「どこにコストをかければ良くなるか」
「今回はコストをかけたくないので妥協をする」
 
という判断が可視化できるようなりました。これが最も大きい効果ですね。描写の筋トレは頑張ります。






以上が「牛」「真理」「アタックトリガー」の説明です。
いかがだったでしょうか?

 
 
 
 これまで書いてきたことを端的に言語化するとこの図になります。分かりやすいですね。
今までの話は一体何だったのでしょう。
でも明暗とか色価とか言われてもピンと来ません。そもそも要素が多すぎて、これらを実践の中で噛み砕いて意識するのは難しいです。

故に、「牛」というオリジナルの呼称が必要だった。
名前をつけたことで、今まで無意識だったものが意識できるようになった。
そこに牛の意味があるのです。
 
 

 
 
 


 
 
 
 

2024/12/13

12/13 生まれて初めて漫画描いたのでその備忘録

 
生まれて初めて漫画描いたから見て
 
 

 


 
 こういう漫画はナンボあってもええですからね。
 
 
1.そもそも何故描き始めたのか
 
 まずTLに流れてきたこの漫画を読みました。
 
 
 
 
 最高ですね。
これを読んだ私の反応がこちらです。
 
 
 
 アイドルに子供が何人ほしいか聞かれる漫画が増えれば世界の幸福の総量が増えるという純粋な善意によるツイートだったのですが、これを読んだ心無いフォロワーから「お前が描けや(意訳)」という罵詈雑言を受けました。
 一瞬しばき倒したろかなと思いましたが、漫画の構成に既に強固なフォーマットがあるので、これなら自分でももしかしたら漫画が描けるんじゃないかと思ったのでやってみることにしました。
以下、これまで漫画を描いたことがない人間が初めて漫画を描く際の備忘録として読んでいただければ幸いです。
あとそろそろフォロワーを騙して神絵師にしたいです。
 
 
2.ネーム、コマ割り、台詞
入ってる文字がやっつけだけってどういうことだよ

 
 ここは一切苦労しませんでした。1P漫画かつ強固なフォーマットがあるので特に悩む部分が少ないというのが主な理由でしょうが、単純に自分にネームとコマ割りの才能があったのだと思います。
そもそも絵を描くより難しいことなどこの世にそうはないでしょう。私は天才なので絵を描く以外の万事に才能があります。
顔、表情に関してはこれまで読んできた漫画、イラストが私の脳内の膨大なデータに蓄積されており、そこから似てるコマ、参考にできるコマを脳内で検索しそれを参考に描きました。
 

 
大体記憶があやふやすぎて特に参考になりません。
 
 
 
3.1コマ目

 
 ここが一番苦労しました。かつ、一番時間がかかりました。
何を隠そう私は男を描いたことがありません。というわけで初めて男を描かなくてはいけないので画風の模索と、PヘッドはイヤだったのでオリジナルPを描かないといけないとなるとキャラデザをやらなくてはいけない。1コマ目が最大の壁でした。

自分が納得できる男を描かなくてはいけないので、まずは自分が好きな男キャラを整理する所から始めました。
本棚を引っくり返したところ、自分が好きな男キャラ、かつ主人公タイプの顔は「俺たちに翼はない」の成田隼人、または冬目景先生の作品の顔だということが分かりました。
 


 
なのでこの2つのデザインをひっくり混ぜて、漫画的な記号への落とし込みは関谷あさみ先生を参考になんとかやっつけました。
顔の部分はクリスタの3D頭部モデルを使用しましたが、顔が長過ぎるイケメンモデルと萌えキャラによった可愛い系男のモデルの2つに別れていたので、自分でその間ぐらいになるように調整しました。そのせいで特にあまり役には立ちませんでした。
 

特攻の拓が好きだったので、憧れの!?が使えて夢が叶いました。
 
 
4.2コマ目

可愛いですね。みんなおんせんまんじゅうって知ってる? 平成中期でも別に流行ってはいなかった。
最初は普通に赤面コマのつもりでしたが、1Pに赤面顔が3回も続くのは同じコマが続きすぎるなと思ったのでデフォルメにしました。
楽できて最高ですね。
 

!?の使い方を勉強するために特攻の拓を研究してみましたが、特に何の学びも得られませんでした。



背景の星はごちうさのコマから着想を得ています。
 
 
5.3コマ目

輪郭だけテンプレートから引っ張ってきて髪と目は手描き。(正確には目もテンプレートだが原型はない)
ギャグコマなので髪はいい加減に描いていいのでかなり楽でした。目はKOI先生のグルグル目コマが好きなのでこれをやれて良かったです。
 
 
後ろのテキストは行間を埋めるためだけの背景みたいなもんなので特に意味はありません。
教育無償化を実現する会は維新の会に統合されました。
 
ネタの着想自体はコレです



背景にも!? が隠れています
 


※用語解説 テンプレートについて
私は一度描いた輪郭、目、髪型をテンプレート化して保存しています。
つまり、一度描いた顔の角度、描いたことのある髪型ならテンプレートから引っ張ってきて張り付けるだけで済むので描く労力を大幅に削減できるというシステムです。
勿論、テンプレートそのまま使うとそのまま過ぎるし、シチュエーションにも合わないのでその都度大胆な改変は必要ですが、1から描くのに比べて労力は比べ物になりませんし(無の状態から描き始めるのが一番辛い)、一度作ったものをその都度ブラッシュアップして使うので高確率で以前より良い顔が作れるという前進性があります(以前より絵が悪くなる確率を下げる)
そして何より、描けば描くほどデータベースにテンプレートが蓄積されていくので、レベルを上げて出来ることを増やしていくRPGのように絵に向き合うことができる。というシステムです。絵が描ける「敵」はともかく、俺達のように絵が描けない人間にはこういう工夫が必要なのです。
 
6.4コマ目

決めゴマなので一番手間がかかってます。
輪郭と目と髪はテンプレートから引っ張ってきたのを調整しています。ここまで手間0。
ネームでは手がなく、パワー感に描けていたので手を描き足しました。ここに最も手間がかかっている。手描くのほんときらい。

はにわトーンを使うのがずっと夢だったので、夢が一つ叶いました。

人間の頭に旗が立っていると可愛いという価値観はパワポケシリーズのハタ人間に大きな影響を受けていますが、もっと大きなところではデパートの最上階で食べられるお子様ランチのプリンに旗が立っているのが可愛いというところに原体験があります。
私は食べたことありませんが……。

人間の頭に旗が立ってるのは可愛いので、みんなももっと旗を立てればいいのにと思います。

 モノクロでの目の描き込みはKOI先生を目指しましたが、本家が凄すぎて寄せられたとは言い難い。
 

7.5、6コマ目
特に言うことはありませんが、ここで力入れた絵を入れるとオチ的には逆効果だと思ったので力感を抜くことを意識しました。
あと、1コマ目のPは威圧感が出るように描いたので、ここではそれも抜くようにしています。

やっつけ


今回のオチはここでした。
 
 
8.枠線
クリスタの機能で引くつもりでしたが、クリスタが使いづらすぎて全然引けなかったのでSAIで無理やり引きました(半ギレ)
 
参考ツイ



9.フォント
1P漫画程度なら自分で文字書いたほうが圧倒的に速いと思われますが、自分は文字が終わりの汚さなので不可能です。
しかしフォントは全然分からん。趣味で文字入れをやることはありますが、そこでよく使うフリーフォントは「装甲明朝」というぐらい分かってない。
というわけでググる。人間の英知は偉大だ。

まんがタイムきららの「写植」を読む――吹き出しにみる漫画書体の使い分け

あと有名なジャンプのコレ
 

まあ要するにアンチゴシックを使えばそれっぽくなるらしいんだけど、じゃあそのアンチゴシックはどこで手に入るんだい!
と調べたらクリスタに内蔵されてるらしい。すげー、でもクリスタ使いたくねー!
でもまあ、流石にSAIの文字入れ機能よりはクリスタの方が多少は使いやすいので文字入れはクリスタでやることに。

新ゴフォント(モリサワ)は流石に高すぎる(年額6万)ので似てるフリーフォントで代用しようとしました(M PLUS)が、あんまいい感じにならなかったので結局使ってません。

とりあえずアンチゴシックと装甲明朝があれば漫画のフォントはどうにかなるのでは。


10.漫画の反省点
特にありません。
よく上達のためにはAACSサイクルを回すといい、なんてアドヴァイスがありますが、PPHPサイクルなんか真面目に回したら精神的苦痛で人格が崩壊してしまうのでADHDサイクル回せなんていうアドヴァイスはHDMIサイクルエアプとしか思えません。
まず心を守るのが第一であり、心を守れないのに反省なんぞしても意味がないので反省点はありません。無敵であれよ、なあ。
 
個人的には描いたばかりの絵を振り返っても(思い入れが強すぎて)冷静な反省は出来ないと思ってるので、3つ、4つ前に描いた絵の絵を他人に近い観点で反省するようにしています。よって今回の漫画を反省することはまだ出来ません。
 
 
11.振り返り
漫画作業自体はトータルで3~4日で終わったので普通にイラスト1枚描くよりは早く終わりました。
イラスト比べれば漫画の適性があるという謎の自信があります。イラストの才能がないだけともいう。ままならないね……。
 
ただ漫画はネームの段階で作画コストを逆算して見積もる必要があり、自分の能力で描けるものだけ描けば良かったイラストに対して「自分の描けなさで選択肢を失っていく様」を突きつけられるので描けない苦しみは漫画の方が辛いだろうなと思った。
ただ、描いてさえしまえば多少の粗は「味」に変換されるのは漫画というメディアの懐の深さだと思います。
しばらく漫画は描きませんが、今回初めて漫画を描いたことで漫画が描けないものから「描ける」ものに変わったので、ネタが思い浮かんだチャンスがあれば狙っていきたいです。


12.オマケ
 
今回使用した!? の総数







2023/11/01

AIを自作イラストのアップグレードに使う

 
 色々あるAI。昨今アドビだのがなんだのがドシドシやってくるようになってすっかり大企業のシノギという感じですが、有料AIには忌避感を抱くが無料のAIは使い倒してやろうというのが私のスタンスです。(Google画像検索と同じだね)
 
しかしAIイラストはポン出しして遊んだり人に嫌がらせをする分には簡単に出せる分、自作イラストのアップグレードに使おうとするとどうにも難しい、というか役に立たない。
現状自作イラストのアップグレードに使える「簡単な」方法はほぼゼロである、と言い切ってしまっていいと思います。 
 
現状唯一、AIを自作絵に活用できる方法は「自分の絵をi2iに食わせて出てきた絵を参考にする」ではないかと思います。この方法自体はAIが出てきたかなり初期に提唱され、実践もされてきましたがイマイチ浸透してる感じがありません。(i2iがなんぞやという人はStableDiffusionの説明をしてるブログを読めば大体分かります。要するに元の絵を参考に絵を出力するシステムです。)
 
というのも元々絵の方式を確立させてる先生にとってはほぼ使う価値がなく、使えるレベルのイラスト2年生はやたらAIを忌避する、あるいは批判されるのでしばらくAIはやめておこうとする人が多いです(賢明な判断だと思います)
そもそもAIに法的リスクはほぼないのですが、自作イラストをi2iに食わせて出力を参考にするのはほぼノーリスクではないかと思います。第三者のイラストを(数値を近づけて)i2iするのは問題が多いのでやめましょう。
 
 前置きが長くなりましたがとりあえずやっていきます。
 
 
 1・ラフを描く
 
残念ながら絵というのはラフを描かないと作れません。
本当にイヤなのですが渋々やりましょう。あー、嫌だ。嫌だ。
AIイラストを叩き台にしてラフを作る、というのもアリかもしれませんが、AIイラストの細部というのはパッと見問題なく見えても死ぬほど歪んでるのでオススメしません。
体感ですがラフは自分で描いた方が(どんなに自分の絵がAIに比べて劣っていても)良くなる確率が高いです。なんか赤文字で指示が書いてありますが無視してください。
 

 2・線画にする
 
 残念ながら絵というのは(ry
 愚痴愚痴言いながらやりましょう。ラフの良さを消すのがイヤでこの時はラフのレイヤーを直接弄る形で線画にしてます。そのお陰で線画にしてはそんなにラフの良さが消えてないような気がします。
ただ、ここで一つミスをやりました。ラフを雑に描くために解像度をグッと下げてたせいでこのままでは色が塗れません。

渋々解像度を拡大して、また線が太い絵は素人臭く見えるというプロの意見を真に受けて(実際自分の絵は線が太くて素人臭く見えるところが多い)ウンと線を細くしてみたのですがこれがラフの良さを全部消してしまいました。
次からは気をつけます。あと完成してから気付いたので直しませんでしたが服の向き間違えてます。これは最初は正しい向きでやってたのですが、間違えてることに気付いてわざわざ全部消して直したら実はそれが間違えていて最初の方向が正しかったというミスです。ワハハ
 
 
3・色塗る

 
色を塗りました。色塗り嫌い。
ちゃんと塗ったわけではなくある程度描けるところを描いたって感じです。
ここまでやった段階である程度達成感があり、個人的にはもうこれで完成でええやんとすら思いますがここから粘れるかどうかで絵の完成度って変わってくる気がします。
今回はこのもうひと踏ん張りにAIを使います。
 
 
4・AIでガシャーン
 

StableDiffusionのブラウザ版を起動してi2iで自分の絵を食わせます。
i2iだけでは参考にするレベルの絵は出てこないのでまずRoRA(今はLyCORISっていう)を使ってキャラ似せます。今回はウマ娘というビッグコンテンツのキャラなのでLORAがありましたが、別になくてもキャラが似るだけなのであまり関係はないと思います。その場合girlなどの性別や胸のサイズ、金髪ならGold hair などの指定は必要でしょう。

今回はLORAがあるのでそれ以外の指定分は何も入れませんでした。
ネガティブプロンプトは(worst quality, low quality:1.4)、日本語に翻訳すると「ほな、きばりや」というキーワードだけ入れています。
 
サンプリング方法はなんとなく良いと言われているDPM++2M Karras
サイズは元のイラストサイズに合わせて、 ノイズ除去強度は色々と試した結果0.45~前後が一番元絵に近く変更も効かせた絵を出力してくれる感じがありました。
 
モデルは自分の好みに一番近いやつを選ぶのが良いと思います。私はCounterfeit-V2.5の大陸系っぽい塗りが大好きなのでそれを使ってます。
 

10枚ぐらい出力したやつの中から参考にするために抜粋したのがコレ。
100枚ぐらい生成すればもっと良いのも出るかもしれませんが労力に見合わなさそうなのでしてません。
細部はグチャグチャなものの、全体の印象感は流石AIはんやでという感じでこれと見比べると自分の絵がカスに見えてきちゃいますね。ワハハ。
 
この絵をピュアレフなどのビューワーソフトを使ってじっくり眺めて、そこに使われてるエッセンスをパクって抜き出していきます。
完成品がこちら。比較しやすいようにAI使用前と並べておきます。
 
 
 修正点ですがまずおっぱいの塗りを死ぬほど頑張りました。AIの作品から丸パクリしてるところも多いです。下の肌が見えてたほうがいいなと思ったので見栄え重視で原作よりインナーを大分縮小しました。
 
左腕あたりの服の質感とか機械っぽい感じが修正前は雑すぎる、というより質感の要素が何もなさすぎたのでそこも頑張りました。と言ってもまだまだ甘さが残ってる感じで、ここは自分の課題だと思います。
 
そしてこれが最も大きな変更点ですが顔を一気に縮小しました。AIイラストと比較するまで自分の絵が面長になっていたことに全く気が付いていなかったのですね。
顔の下の部分をそのまま上げたので首が長くなってしまってますが、ここまでの作業でレイヤー数が膨大になりすぎていたので修正するとどっかが歪む有様で渋々放置しています。
これはあんまりよくないね。

また目のハイライトを増やしてます。これもAIから着想を得ました。目のハイライトって多ければ多いほど可愛い気がしています。
あとは順なりに手を入れただけですが、この「手を入れる」段階でもAIイラストがある種の目印になるのでやりやすかったです。


・まとめ
というわけで自分の絵にi2iを使う形でAIを活用しましたが個人的にはかなり助かりました。
特に細部の描き込み感は全くどうすればいいのかすら分からなかったので、手がかりが目の前にあるというのはとてもやりやすかったです。

また顔が面長になりすぎているような自分では気付けない絵の歪みを客観的に矯正してくれるのも助かりました。AIは細部の描き込みやデッサンの整いは酷いもんですが、顔のサイズ感や全体の構成力は他の追随を許さない性能があるので大いに参考にしてよいと思います。
 
反省点としては線画を作ってからだと修正がかなり大変なので、できればカラーラフの段階でAIに投げて修正をやっておくと後が早いなと思いました。
ただ、カラーラフの段階だと謎のイケそう感があって気持ち的にAIに頼りたくないという感情が出てくるのでここは割り切らないと難しそう。
最初からAIに頼り切りになるのもそれはそれで雑味や良さが消えるので控えるべきかなぁと思います。
 



PS
この絵は3日で仕上げるつもりが2周間かかりました。
時間がかかった理由はAIではなく、途中でなんか良い感じがしなくなったのがイヤで、イヤな絵を仕上げるのがイヤになって作業出来なかったからです。 (これは全人類の絵が完成しない理由ナンバーワンではないだろうか)
AIを使わなければこの絵は永遠に完成しなかったと思います。
 
AI技術は悪用されることも多いですが、作業の途中でなんか良い感じがしなくなった絵を客観的に修正できて、完成まで持っていける。
 
これが出来るなら自分はAI技術はイラストをやろうとする人間にとって素晴らしい技術だと思います。
(でも、大企業の金儲けはNGというスタンスで、しばらくはよろしくねぇ)