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2024/12/13

12/13 生まれて初めて漫画描いたのでその備忘録

 
生まれて初めて漫画描いたから見て
 
 

 


 
 こういう漫画はナンボあってもええですからね。
 
 
1.そもそも何故描き始めたのか
 
 まずTLに流れてきたこの漫画を読みました。
 
 
 
 
 最高ですね。
これを読んだ私の反応がこちらです。
 
 
 
 アイドルに子供が何人ほしいか聞かれる漫画が増えれば世界の幸福の総量が増えるという純粋な善意によるツイートだったのですが、これを読んだ心無いフォロワーから「お前が描けや(意訳)」という罵詈雑言を受けました。
 一瞬しばき倒したろかなと思いましたが、漫画の構成に既に強固なフォーマットがあるので、これなら自分でももしかしたら漫画が描けるんじゃないかと思ったのでやってみることにしました。
以下、これまで漫画を描いたことがない人間が初めて漫画を描く際の備忘録として読んでいただければ幸いです。
あとそろそろフォロワーを騙して神絵師にしたいです。
 
 
2.ネーム、コマ割り、台詞
入ってる文字がやっつけだけってどういうことだよ

 
 ここは一切苦労しませんでした。1P漫画かつ強固なフォーマットがあるので特に悩む部分が少ないというのが主な理由でしょうが、単純に自分にネームとコマ割りの才能があったのだと思います。
そもそも絵を描くより難しいことなどこの世にそうはないでしょう。私は天才なので絵を描く以外の万事に才能があります。
顔、表情に関してはこれまで読んできた漫画、イラストが私の脳内の膨大なデータに蓄積されており、そこから似てるコマ、参考にできるコマを脳内で検索しそれを参考に描きました。
 

 
大体記憶があやふやすぎて特に参考になりません。
 
 
 
3.1コマ目

 
 ここが一番苦労しました。かつ、一番時間がかかりました。
何を隠そう私は男を描いたことがありません。というわけで初めて男を描かなくてはいけないので画風の模索と、PヘッドはイヤだったのでオリジナルPを描かないといけないとなるとキャラデザをやらなくてはいけない。1コマ目が最大の壁でした。

自分が納得できる男を描かなくてはいけないので、まずは自分が好きな男キャラを整理する所から始めました。
本棚を引っくり返したところ、自分が好きな男キャラ、かつ主人公タイプの顔は「俺たちに翼はない」の成田隼人、または冬目景先生の作品の顔だということが分かりました。
 


 
なのでこの2つのデザインをひっくり混ぜて、漫画的な記号への落とし込みは関谷あさみ先生を参考になんとかやっつけました。
顔の部分はクリスタの3D頭部モデルを使用しましたが、顔が長過ぎるイケメンモデルと萌えキャラによった可愛い系男のモデルの2つに別れていたので、自分でその間ぐらいになるように調整しました。そのせいで特にあまり役には立ちませんでした。
 

特攻の拓が好きだったので、憧れの!?が使えて夢が叶いました。
 
 
4.2コマ目

可愛いですね。みんなおんせんまんじゅうって知ってる? 平成中期でも別に流行ってはいなかった。
最初は普通に赤面コマのつもりでしたが、1Pに赤面顔が3回も続くのは同じコマが続きすぎるなと思ったのでデフォルメにしました。
楽できて最高ですね。
 

!?の使い方を勉強するために特攻の拓を研究してみましたが、特に何の学びも得られませんでした。



背景の星はごちうさのコマから着想を得ています。
 
 
5.3コマ目

輪郭だけテンプレートから引っ張ってきて髪と目は手描き。(正確には目もテンプレートだが原型はない)
ギャグコマなので髪はいい加減に描いていいのでかなり楽でした。目はKOI先生のグルグル目コマが好きなのでこれをやれて良かったです。
 
 
後ろのテキストは行間を埋めるためだけの背景みたいなもんなので特に意味はありません。
教育無償化を実現する会は維新の会に統合されました。
 
ネタの着想自体はコレです



背景にも!? が隠れています
 


※用語解説 テンプレートについて
私は一度描いた輪郭、目、髪型をテンプレート化して保存しています。
つまり、一度描いた顔の角度、描いたことのある髪型ならテンプレートから引っ張ってきて張り付けるだけで済むので描く労力を大幅に削減できるというシステムです。
勿論、テンプレートそのまま使うとそのまま過ぎるし、シチュエーションにも合わないのでその都度大胆な改変は必要ですが、1から描くのに比べて労力は比べ物になりませんし(無の状態から描き始めるのが一番辛い)、一度作ったものをその都度ブラッシュアップして使うので高確率で以前より良い顔が作れるという前進性があります(以前より絵が悪くなる確率を下げる)
そして何より、描けば描くほどデータベースにテンプレートが蓄積されていくので、レベルを上げて出来ることを増やしていくRPGのように絵に向き合うことができる。というシステムです。絵が描ける「敵」はともかく、俺達のように絵が描けない人間にはこういう工夫が必要なのです。
 
6.4コマ目

決めゴマなので一番手間がかかってます。
輪郭と目と髪はテンプレートから引っ張ってきたのを調整しています。ここまで手間0。
ネームでは手がなく、パワー感に描けていたので手を描き足しました。ここに最も手間がかかっている。手描くのほんときらい。

はにわトーンを使うのがずっと夢だったので、夢が一つ叶いました。

人間の頭に旗が立っていると可愛いという価値観はパワポケシリーズのハタ人間に大きな影響を受けていますが、もっと大きなところではデパートの最上階で食べられるお子様ランチのプリンに旗が立っているのが可愛いというところに原体験があります。
私は食べたことありませんが……。

人間の頭に旗が立ってるのは可愛いので、みんなももっと旗を立てればいいのにと思います。

 モノクロでの目の描き込みはKOI先生を目指しましたが、本家が凄すぎて寄せられたとは言い難い。
 

7.5、6コマ目
特に言うことはありませんが、ここで力入れた絵を入れるとオチ的には逆効果だと思ったので力感を抜くことを意識しました。
あと、1コマ目のPは威圧感が出るように描いたので、ここではそれも抜くようにしています。

やっつけ


今回のオチはここでした。
 
 
8.枠線
クリスタの機能で引くつもりでしたが、クリスタが使いづらすぎて全然引けなかったのでSAIで無理やり引きました(半ギレ)
 
参考ツイ



9.フォント
1P漫画程度なら自分で文字書いたほうが圧倒的に速いと思われますが、自分は文字が終わりの汚さなので不可能です。
しかしフォントは全然分からん。趣味で文字入れをやることはありますが、そこでよく使うフリーフォントは「装甲明朝」というぐらい分かってない。
というわけでググる。人間の英知は偉大だ。

まんがタイムきららの「写植」を読む――吹き出しにみる漫画書体の使い分け

あと有名なジャンプのコレ
 

まあ要するにアンチゴシックを使えばそれっぽくなるらしいんだけど、じゃあそのアンチゴシックはどこで手に入るんだい!
と調べたらクリスタに内蔵されてるらしい。すげー、でもクリスタ使いたくねー!
でもまあ、流石にSAIの文字入れ機能よりはクリスタの方が多少は使いやすいので文字入れはクリスタでやることに。

新ゴフォント(モリサワ)は流石に高すぎる(年額6万)ので似てるフリーフォントで代用しようとしました(M PLUS)が、あんまいい感じにならなかったので結局使ってません。

とりあえずアンチゴシックと装甲明朝があれば漫画のフォントはどうにかなるのでは。


10.漫画の反省点
特にありません。
よく上達のためにはAACSサイクルを回すといい、なんてアドヴァイスがありますが、PPHPサイクルなんか真面目に回したら精神的苦痛で人格が崩壊してしまうのでADHDサイクル回せなんていうアドヴァイスはHDMIサイクルエアプとしか思えません。
まず心を守るのが第一であり、心を守れないのに反省なんぞしても意味がないので反省点はありません。無敵であれよ、なあ。
 
個人的には描いたばかりの絵を振り返っても(思い入れが強すぎて)冷静な反省は出来ないと思ってるので、3つ、4つ前に描いた絵の絵を他人に近い観点で反省するようにしています。よって今回の漫画を反省することはまだ出来ません。
 
 
11.振り返り
漫画作業自体はトータルで3~4日で終わったので普通にイラスト1枚描くよりは早く終わりました。
イラスト比べれば漫画の適性があるという謎の自信があります。イラストの才能がないだけともいう。ままならないね……。
 
ただ漫画はネームの段階で作画コストを逆算して見積もる必要があり、自分の能力で描けるものだけ描けば良かったイラストに対して「自分の描けなさで選択肢を失っていく様」を突きつけられるので描けない苦しみは漫画の方が辛いだろうなと思った。
ただ、描いてさえしまえば多少の粗は「味」に変換されるのは漫画というメディアの懐の深さだと思います。
しばらく漫画は描きませんが、今回初めて漫画を描いたことで漫画が描けないものから「描ける」ものに変わったので、ネタが思い浮かんだチャンスがあれば狙っていきたいです。


12.オマケ
 
今回使用した!? の総数







2023/11/01

AIを自作イラストのアップグレードに使う

 
 色々あるAI。昨今アドビだのがなんだのがドシドシやってくるようになってすっかり大企業のシノギという感じですが、有料AIには忌避感を抱くが無料のAIは使い倒してやろうというのが私のスタンスです。(Google画像検索と同じだね)
 
しかしAIイラストはポン出しして遊んだり人に嫌がらせをする分には簡単に出せる分、自作イラストのアップグレードに使おうとするとどうにも難しい、というか役に立たない。
現状自作イラストのアップグレードに使える「簡単な」方法はほぼゼロである、と言い切ってしまっていいと思います。 
 
現状唯一、AIを自作絵に活用できる方法は「自分の絵をi2iに食わせて出てきた絵を参考にする」ではないかと思います。この方法自体はAIが出てきたかなり初期に提唱され、実践もされてきましたがイマイチ浸透してる感じがありません。(i2iがなんぞやという人はStableDiffusionの説明をしてるブログを読めば大体分かります。要するに元の絵を参考に絵を出力するシステムです。)
 
というのも元々絵の方式を確立させてる先生にとってはほぼ使う価値がなく、使えるレベルのイラスト2年生はやたらAIを忌避する、あるいは批判されるのでしばらくAIはやめておこうとする人が多いです(賢明な判断だと思います)
そもそもAIに法的リスクはほぼないのですが、自作イラストをi2iに食わせて出力を参考にするのはほぼノーリスクではないかと思います。第三者のイラストを(数値を近づけて)i2iするのは問題が多いのでやめましょう。
 
 前置きが長くなりましたがとりあえずやっていきます。
 
 
 1・ラフを描く
 
残念ながら絵というのはラフを描かないと作れません。
本当にイヤなのですが渋々やりましょう。あー、嫌だ。嫌だ。
AIイラストを叩き台にしてラフを作る、というのもアリかもしれませんが、AIイラストの細部というのはパッと見問題なく見えても死ぬほど歪んでるのでオススメしません。
体感ですがラフは自分で描いた方が(どんなに自分の絵がAIに比べて劣っていても)良くなる確率が高いです。なんか赤文字で指示が書いてありますが無視してください。
 

 2・線画にする
 
 残念ながら絵というのは(ry
 愚痴愚痴言いながらやりましょう。ラフの良さを消すのがイヤでこの時はラフのレイヤーを直接弄る形で線画にしてます。そのお陰で線画にしてはそんなにラフの良さが消えてないような気がします。
ただ、ここで一つミスをやりました。ラフを雑に描くために解像度をグッと下げてたせいでこのままでは色が塗れません。

渋々解像度を拡大して、また線が太い絵は素人臭く見えるというプロの意見を真に受けて(実際自分の絵は線が太くて素人臭く見えるところが多い)ウンと線を細くしてみたのですがこれがラフの良さを全部消してしまいました。
次からは気をつけます。あと完成してから気付いたので直しませんでしたが服の向き間違えてます。これは最初は正しい向きでやってたのですが、間違えてることに気付いてわざわざ全部消して直したら実はそれが間違えていて最初の方向が正しかったというミスです。ワハハ
 
 
3・色塗る

 
色を塗りました。色塗り嫌い。
ちゃんと塗ったわけではなくある程度描けるところを描いたって感じです。
ここまでやった段階である程度達成感があり、個人的にはもうこれで完成でええやんとすら思いますがここから粘れるかどうかで絵の完成度って変わってくる気がします。
今回はこのもうひと踏ん張りにAIを使います。
 
 
4・AIでガシャーン
 

StableDiffusionのブラウザ版を起動してi2iで自分の絵を食わせます。
i2iだけでは参考にするレベルの絵は出てこないのでまずRoRA(今はLyCORISっていう)を使ってキャラ似せます。今回はウマ娘というビッグコンテンツのキャラなのでLORAがありましたが、別になくてもキャラが似るだけなのであまり関係はないと思います。その場合girlなどの性別や胸のサイズ、金髪ならGold hair などの指定は必要でしょう。

今回はLORAがあるのでそれ以外の指定分は何も入れませんでした。
ネガティブプロンプトは(worst quality, low quality:1.4)、日本語に翻訳すると「ほな、きばりや」というキーワードだけ入れています。
 
サンプリング方法はなんとなく良いと言われているDPM++2M Karras
サイズは元のイラストサイズに合わせて、 ノイズ除去強度は色々と試した結果0.45~前後が一番元絵に近く変更も効かせた絵を出力してくれる感じがありました。
 
モデルは自分の好みに一番近いやつを選ぶのが良いと思います。私はCounterfeit-V2.5の大陸系っぽい塗りが大好きなのでそれを使ってます。
 

10枚ぐらい出力したやつの中から参考にするために抜粋したのがコレ。
100枚ぐらい生成すればもっと良いのも出るかもしれませんが労力に見合わなさそうなのでしてません。
細部はグチャグチャなものの、全体の印象感は流石AIはんやでという感じでこれと見比べると自分の絵がカスに見えてきちゃいますね。ワハハ。
 
この絵をピュアレフなどのビューワーソフトを使ってじっくり眺めて、そこに使われてるエッセンスをパクって抜き出していきます。
完成品がこちら。比較しやすいようにAI使用前と並べておきます。
 
 
 修正点ですがまずおっぱいの塗りを死ぬほど頑張りました。AIの作品から丸パクリしてるところも多いです。下の肌が見えてたほうがいいなと思ったので見栄え重視で原作よりインナーを大分縮小しました。
 
左腕あたりの服の質感とか機械っぽい感じが修正前は雑すぎる、というより質感の要素が何もなさすぎたのでそこも頑張りました。と言ってもまだまだ甘さが残ってる感じで、ここは自分の課題だと思います。
 
そしてこれが最も大きな変更点ですが顔を一気に縮小しました。AIイラストと比較するまで自分の絵が面長になっていたことに全く気が付いていなかったのですね。
顔の下の部分をそのまま上げたので首が長くなってしまってますが、ここまでの作業でレイヤー数が膨大になりすぎていたので修正するとどっかが歪む有様で渋々放置しています。
これはあんまりよくないね。

また目のハイライトを増やしてます。これもAIから着想を得ました。目のハイライトって多ければ多いほど可愛い気がしています。
あとは順なりに手を入れただけですが、この「手を入れる」段階でもAIイラストがある種の目印になるのでやりやすかったです。


・まとめ
というわけで自分の絵にi2iを使う形でAIを活用しましたが個人的にはかなり助かりました。
特に細部の描き込み感は全くどうすればいいのかすら分からなかったので、手がかりが目の前にあるというのはとてもやりやすかったです。

また顔が面長になりすぎているような自分では気付けない絵の歪みを客観的に矯正してくれるのも助かりました。AIは細部の描き込みやデッサンの整いは酷いもんですが、顔のサイズ感や全体の構成力は他の追随を許さない性能があるので大いに参考にしてよいと思います。
 
反省点としては線画を作ってからだと修正がかなり大変なので、できればカラーラフの段階でAIに投げて修正をやっておくと後が早いなと思いました。
ただ、カラーラフの段階だと謎のイケそう感があって気持ち的にAIに頼りたくないという感情が出てくるのでここは割り切らないと難しそう。
最初からAIに頼り切りになるのもそれはそれで雑味や良さが消えるので控えるべきかなぁと思います。
 



PS
この絵は3日で仕上げるつもりが2周間かかりました。
時間がかかった理由はAIではなく、途中でなんか良い感じがしなくなったのがイヤで、イヤな絵を仕上げるのがイヤになって作業出来なかったからです。 (これは全人類の絵が完成しない理由ナンバーワンではないだろうか)
AIを使わなければこの絵は永遠に完成しなかったと思います。
 
AI技術は悪用されることも多いですが、作業の途中でなんか良い感じがしなくなった絵を客観的に修正できて、完成まで持っていける。
 
これが出来るなら自分はAI技術はイラストをやろうとする人間にとって素晴らしい技術だと思います。
(でも、大企業の金儲けはNGというスタンスで、しばらくはよろしくねぇ)