2015/06/27

劇場版ラブライブをボロクソにけなす記事



ラブライブ! The School Idol Movie

















本当に酷い出来だった。俺はあの瞬間間違いなく地獄を見ていた。
ゴミの山に執拗に泥を塗りたくったらこういう物が出来上がるのかという感じ。
テーマとしてはタイトルにあるようにスクールアイドルの素晴らしさを伝えようということなんだろうけど、そもそも1期2期通して劇中にアライズとミューズの2組しかスクールアイドルが出てないのに何がスクールアイドルの素晴らしさなんですかね。
俺はミューズとアライズしかスクールアイドルを知らねぇよ。
もしかしてこの脚本家はラブライブがガルパンの様に様々なスクールアイドルと戦いを繰り広げながら親交を深める物語だとでも思ってたんだろうか。
そう思いながらスタッフを調べたら1期2期の脚本を務めた花田十輝だった。なるほどね。

ラブライブの演出志向として、ライブの観客を描かない、ライブの装置(スピーカーやマイク)を描かない、ある種幻覚演出的なアレが多用されるんですが、空港から帰ってきてファンに囲まれてるのにライブを見てたファン、TV放送を見てたファンを一切描かないのは惨めなぐらいお粗末。
この演出を意図してやってるというのはちょっと考えたくないですね。
そもそもラブライブってこの「ファン」の扱い方が非常にぞんざいで、「どうやらミューズの人気が出てきたらしい」という情報をネットの再生数だとか学校でチヤホヤされるだとかそういう方向でしか表せてないんですよ。本当に馬鹿なんじゃないか。あと女しか居ない。視聴者である俺の立ち位置がない。
「ミューズの9人の視点」ということならそれこそファンを描かないのはおかしいのであってね、まああの9人にとっては、自分と自分の周りの人間が大事でファンなんかどうでもいいということなんでしょうけど。そういう意味で彼女たちがスクールアイドルにこだわる意味は分かる。

対立煽る訳じゃないが「AKB0048」、「アイドルマスター」ではこのファンの描き方ってのをすごく繊細に、丁寧に描写して向き合ってるんですね。AKB0048では丁寧にアンチの存在まで描いていて、アンチとどう接するか。というところまで踏み込んでいた。
そして我々はアイドルマスター18話を永遠に忘れないだろう。












そういう素晴らしい作品群を見てると本当にラブライブがファンという存在から目を逸らしてるのが分かる。
逆にこの雑な方針が活かされたのがラブライブ1期3話で、この頃は3人しかメンバーが居なくてファンなんて誰も居なかったからこそ3人だけで歌う、観客はほとんど居ない初ライブがすごく感動的に写ったんですね。俺はボロ泣きしたよ。
それ以降はまあお察しですが。
幻覚演出も僕は最初「ミュージカル的な演出なのかな?」と思ったんですけど全然そうじゃないし、どうやら単にライブをやっているだけらしい。劇場で見てる時俺は何でこんなミュージックステーションで流れてそうなPVモドキを見ないといけないんだ……とずっと自問自答していた。
ライブシーンが本当に楽しくない。
そもそもライブの魅力ってクソデカいスピーカーとか、絶叫するファンの姿があってこそなんですよ。それ省くってことは単純に口パクの訳わからんPV撮る気しかないってことでしょう。そんなのYouTubeでいくらでも見れるわ。
幻覚演出を使うなら車の上に半裸で乗って深夜高速を爆走するぐらいはやってくれないと絵的に面白くない。











別にラブライブに半裸で車の上に乗って爆走しろと言っている訳ではない。
 

ライブに関しては3DCGの切り替え方がチグハグ過ぎて見てられない。違和感しか感じないし何なら1期アニメOPの方がまだ違和感が少ない。あと3DCGはロングショットで9人が同じ動きをするぐらいにしか使われたなかったし、全然迫力がない。
大きい動きをさせるためのCGじゃなく、作画の労力を節約するためだけのCGでしたね。そんなに作画節約したいならアメリカの背景でも写してそれっぽい絵にしとけや。
まあここは劇場版アイドルマスターでもミスってた部分でもあるし難しんだろうけど。
 そんな感じで、何も考えずにライブ作ってるんだなということだけがヒシヒシと伝わってきたライブシーンでしたね。

ちなみに3DCGといえばストライクウィッチーズというアニメが世界最高峰の切り替えの上手さを披露してくれるので是非皆さんストライクウィッチーズ見ましょう。


あと曲ですが俺好みじゃない。
という言葉で済ますにはあまりにも不備があると思う。
そもそも1回聞いただけの曲にそない感情なんか抱けるかボケ言う話しでね。
アニメのOPとかEDは何故魅力的に感じれるのかというと何度も何度も聞かされるからですよ。1回聞いただけの曲に思い入れは持ちにくい。

ここらへんアイドルマスターが良い見本だと思う。まず作品が始まるとテロップと共に聞き慣れたTHE IDOLM@STERが流れてくる。聞き慣れた、何度も聞いた曲だから当然観客のテンションはブチ上がる。俺はこの時点で泣いている。そして途中で挿入されるラムネ色 青春。吹き抜ける風のような気持ち良いメロディと共に合宿を楽しむアイドルの姿が映しだされる。ああ、最高だ。あと水着。
オタクは水着を見るとテンションが上がるし、挿入歌が流れるとテンションが上がる。このダブルパンチを序盤で放ってきたのは本当に凄まじかった。
そしてなんと言っても主題曲であるM@STERPIECE。このM@STERPIECEは最終盤を彩る曲なんですが、実は序盤の内にインストゥルメンタルという形で何度も何度も流されるんですね。
だから終盤でこの曲が流れてきた時、「初めて聞く曲なんだけど、聞いたことある!」という現象が起きる。いやぁ劇場版アイドルマスターは本当に凄かったですね。

閑話休題
このようにアイドルマスターは初めて聞く曲でも視聴者が楽しめるようにありとあらゆる工夫がこらされていたんですが、ラブライブはそういうフォローが全く無かったので、そもそも曲の良し悪しを語る域に達してない。

ちなみに最後のライブの脇マンコはヤバい。映画館でチンポ出そうかなと迷ってしまった。
アレ見るためだけに複数回通う人の気持ちは分かる。



シナリオに関してはもうアレでしょう。キツイ。
ちょっとだけ映画けいおんに構成が似てるとなとは思ったけど、細部でありとあらゆる面でのクオリティが違いすぎるので対比にすらならん。 
スクールアイドルの素晴らしさ云々言っておいて出てきたスクールアイドルが全員モブ顔ってなんやねん。
本気でブチギレそうになった。お前スクールアイドルの素晴らしさ伝える気ないだろ、と。
「スクールアイドルみんなで作るライブ」と銘打ってるのにミューズが終始中央に収まってるのはもはや笑えるレベルだ。スクールアイドルみんなで作る(ミューズの)ライブでしたね。劇場で終始頭を抱えるはめになった。

細部を突くと「叶え!みんなの夢!」というキャッチコピーなのに誰も夢に挑戦しないし、そもそも夢の存在が描かれない。誰の夢も叶わない、顔が良い女子高生がイチャイチャしてみんなにチヤホヤされるだけの映画なので、顔が良い女子高生がイチャイチャしてみんなにチヤホヤされる映画が見たい人は楽しめるかもしれない。

ちなみにこのイチャイチャの部分も僕は大嫌いだ。劇中で数回ほど顔に唇近づけてルージュブワァッ!みたいなシーンがあるんですけど本当に下品でイヤになりますね。
アニメのキャラのルージュに需要はあるのか。国民の民意が問われる。
途中でかよちんが突然泣きだして、ご飯食いてぇーーー!って叫ぶシーンがあるんですけど、僕はそのシーン、ああ、かよちんどうしたんだろう、何かイヤなことでもあったのかと本気で心配したのにご飯食いたいだけでしたという茶番オチ。
いや真面目にね、冗談でキャラクターに泣き声出させるべきじゃないんですよ。映画館だと声が響いてビクッ、ってなるし、こういうの繰り返してるとクライマックスでキャラクターが泣くシーンすらもギャグに思えるじゃないか。
とか思ってたら最後までキャラが泣くシーンはありませんでした。なるほどね。

キャラクターの扱い方についてだけど、割りと満遍なく色々なキャラのCPが試行出来るように描写を組んでてそこだけは唯一評価できる。
劇中でのファンはすごく雑に扱うのに、視聴者のオタクにはしっかり媚を売るんですね(笑) とか思ったりはしないでもない。
ちなみに「1つの劇中でほぼ全てのCPを試行する」という試みは「ゆるゆり なちゅやちゅみ!」という映画がとんでもないクオリティでやってのけてます。


ことりとかいうクソ女の母親の描き方も酷かった。ミューズ存続を問うシーンで、「みんながこう思ってる」「みんながこう望んでる」という話をするばかりで自分の意見が言えてない。しっかりするべきはずの大人を無能に描いておいて主人公たち子供を苦悩させるシナリオには正直不快感しか覚えない。



あとはーーー……星空凛さんがすごく可愛かったですね!!!!
僕は高坂穂乃果さん派でまあ凛さんは今まで割りとどうでもよかったんだけど、何故か異様に星空凛さんの所作にだけ異様に力が入っていた。何なんだこれは。
序盤から終盤までとにかく異様に星空凛さんの作画は動くし可愛い。
そして何より声優の演技がズバ抜けてましたね。

正直ラブライブの声優って全員下手だし音響担当もまあ能なしなんやろうなみたいな演技しかしないんですけど、 星空凛さん役こと飯田里穂さんの演技だけがズバ抜けてキレッキレで上手くて、他の声優陣の下手さも相まってとても魅力的だった。

ちょっとここでラブライブの声優の演技について語ろう。
ラブライブの演技は基本的に典型的なアニメ調で、チヤホヤされて調子に乗った女共がクソ高い声で騒いでそれで更にチヤホヤされるという、アレに近いアレなんですけど、まあ僕はそういうの嫌いじゃないんですよ。
ただラブライブのそれはあまりにも品がなさすぎる。うるさいし不快。
けど声優のラインナップ見ると確かにアレな人も居るけど三森すずこさんとかてーきゅうとかでは素晴らしい演技を披露しているし、声優に問題があるわけじゃないんですよね。単純に音響担当の奴の演技指示が無能なんだと思う。




















萌えアニメといえばさっき言った感じのアニメ調の演技が主流だったんですが、最近それは変わりつつあると思う。中でも代表的なのが「響け!ユーフォニアム」で、ジョイナスと呼ばれるキャラクターが中日ドラゴンズの指揮をとりながら陰茎を露出するアニメなのだが、主人公の久美子の演技がとんでもなくヤバいんですよ。
こればっかりは言っても伝わりにくいので実際に見て確認して欲しい。普段はアニメ調の演技なんだけど、シリアスなシーンや気を許してる、どうでもいいと思ってる相手の前では素に近い声になる。
この落差が実に甘美だ。本当に素晴らしいと思う。
こういうのは他のアニメでも顕著で(例をあげたらキリがない)、とかく今の時代のアニメでキャンキャン騒いでるだけの女キャラってのは居なくて、大抵「表」と「裏」の二面性を持った演技を使ってる。
ラブライブがダメだと思うのは悩んでるシーンとかシリアスなシーンでも声優が演技のトーンを変えないことですね。音楽を題材にしてるクセに声という音を演出に使って行かないでどうするんですかね。
ちなみに星空凛さん役の飯田里穂さんだけがこの2面演技をやってました。とんでもねぇなと思いましたね。


こんな感じに劇場版ラブライブはとても酷い映画なので皆さん見に行ってケチョンケチョンに叩こう! ラブライブを馬鹿にしよう! ほのにこ同人誌を買おう! 違法ダウンロードをやめよう! C3部を見よう!


















 以上ラブライブアンチよりお送りしました