2015/09/29

アントマンちょー面白かった!

最近クソ映画しか見てない……


本拠地、イオンシネマスタジアムで迎えたサマームービーロード戦
先発ラブライブが大量失点、ペルソナ3も勢いを見せず惨敗だった
ニャル子さん、ポケモン、バケモノの子、ピクセル……とんでもないクソ映画のラッシュ……予告犯は唯一面白かった
スタジアムに響くオタクのため息、どこからか聞こえる「映画界も終わりだな」の声
無言で帰り始める観客達の中、オタクは独り座席で泣いていた
ムビマスや劇場版ストライクウィッチーズ、ゆるゆり なちゅやちゅみ!で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる制作陣・・・
それを今のアニメ映画界で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
単に自分のチョイスが悪いだけなのかもしれない
面白い作品にアンテナを張れていないだけなのかもしれない。
しかしそれにしたってこうもks映画を連続で引き続けるとは・・・
しかも周りの評判自体は決して悪くないのだ。自分が勝手にks映画だと思ってるだけなのだ
そういう自分の感覚のズレへの悲しみを感じるざるを得なかった
そもそも面白い映画が見たいのなら評判の良い作品をDVDレンタルやhulu等のインターネット配信サービスで見ればいいだけの話なのだ
それでも僕が映画館に足を運び続けるのは、やはり「映画館で映像体験をしたい」という思いがあるからなのだろう
しかしその結果は惨敗だった。今思えばイオンシネマのラインナップに期待した僕が全て悪かったのかもしれない

 「どうすりゃいいんだ・・・」オタクは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、オタクははっと目覚めた
 
「あれは…アントマン?」

面白く丁寧に練られた脚本、魅力的なキャラクター達、頼りなさを抱えつつもカッコいい主役のヒーロー、不必要で下世話な演出を挟み込まない観客に配慮した演出、面白く鋭いジョークの数々……

暫時、唖然としていたオタクだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「面白い・・・面白いんだ!」
券売機からチケットを受け取り、劇場へ全力疾走するオタク、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、意気揚々とブログを更新するオタクが発見され、吉村と村田は病院で静かに息を引き取った





本当に面白い映画だった。
しかし私はこの作品を普通の映画として楽しんだのかと言われるとそれは少し違っていて、どうも私はこの作品を「劇場版 仮面ライダー」だと思って終始楽しんでいたらしい。

参考動画  石ノ森章太郎生誕70週年記念作品











とにかく、なんと言い表したら良いのか分からないが、「アントマン」は仮面ライダーなのだ。
これに関しては映画を見ていただければ1発で理解してもらえると思う。
博士にベルトを与えられ、バイク(アリ)に跨がり、守るべきものの為に悪の組織を打ち倒す。
まさしくアントマンは、仮面ライダーなのだ。


アントマンのデザインからも仮面ライダーの意匠が見受けられる


そして仮面ライダーの映画を数本以上見た方ならばご納得いただけると思うのだが、その、なんというか、仮面ライダーの映画はつまらない…
いや、つまらないというと語弊があるだろう。微妙……いや、惜しい……
とにかくなんだか言い表せないがしこりが残る残念感が仮面ライダーの映画には存在していた。
決して面白くないわけではない。勿論劇場版仮面ライダーの中には面白い映画も数ある。しかし何かが引っかかる……。
何か物足りない……。
そういうものを私は長年、劇場版 仮面ライダーに抱え続けていた。

が、しかしその思いももう消え失せたと言っても差し支え無いだろう。
「アントマン」を見たからだ。
これから先、ゴジラよろしく仮面ライダーがハリウッドで制作されるとしても、私は「アントマンがあるからそれでよくね?」と反応することだろう。
それぐらい、アントマンは正しく「僕が求めた理想の劇場版 仮面ライダー」と言える作品だった。
本当に満足している。





アントマンを語る際に欠かせないのはその魅力的なキャラクター達だろう。
決してアクが強いわけではない、ともいえば薄味とも見れるキャラクター達なのだが、それぞれの意志や信念といったものが多方向から描かれており、仲間も悪役も端役も、誰も彼もがなんだか憎めない魅力的なキャラクターに仕上がっている。ラスボスも良いキャラをしている。

特に主人公のスコット・ラングは良いキャラクターだ。
物語は彼が出所し、これからは心を入れ替えて真っ当に働くと宣言し31のバイトを始め、一瞬でクビになるところから始まる。
この時点で私は既に主人公を素晴らしいキャラクターだと思ってしまっていた。
31をクビになるキャラクターに悪い人間は居ないのだ。

また彼の「普段は頼りないが、実はすごい力を持っている」というのもアリを意識したキャラクター造形なのかなと思いますね。

脚本も素晴らしい。この出所の道中の何気ない会話の中で、彼の刑務所仲間が「刑務所のボスに勝てたのは俺だけだぜ」という話をするのだが、この伏線が後半になって活かされた時はたいそう驚いた。
伏線を観客に気付かれないように広げ、後半で一気に回収していく様があまりにも見事なのだ。
まるで田中ロミオのエロゲーをプレイしているような感覚に陥った。
これは本当にハリウッド映画なのだろうか? と疑ってしまうほど丁寧な脚本なのだ。

最近見た「ピクセル」はキャラクターのアクが強いだけで全く魅力的じゃないし、敵キャラクターの意志など微塵も存在しなかった。
そういう意味で正反対の出来だったし、対比も含めて二重の意味でアントマンの出来の良さに感動した。



演出面も良かった。本編中は一切不快さや冗長さを感じる演出は行われない。
物語がテンポ良く、スピーディーに次へ次へと進んでいく様は実に気持ち良い。


アントマンの演出の良さを代表するシーンとして、終盤に仲間のアリが敵に殺されてしまう場面がある。

映像業界の悪しき風習に、仲間がやられた時過剰に悲しみ死を印象付けさせる。
というものがある。
「俺のことは気にせず早く行け!」「で、でも……」「早く行くんだ!」
というものである。 皆さんの記憶にもいくつか思い当たるフシがあるのではないだろうか。
私は最近ポケモン超不思議のダンジョンで見ました。

言うまでもないがコレを見せられた方はたまったあもんじゃあない。はよ行けという話である。
そもそも、こういう類いのシーンに望むにあって観客側は覚悟と準備を済ませているケースが大半なのに、肝心の主人公が覚悟も準備も出来ていないというのは間違いなく主人公と観客の齟齬だし、感情移入もくそもなくなるのだ。
全くダメダメなシーン展開の1つだろう。

だがアントマンの演出は実にクールだった。
相棒のアリが撃ちぬかれ、羽根がしばらく空を舞い地に落ちる。
主人公はそれを見て暫時悲しみ、別のアリに乗り換えて突撃を再開する。

これだけだ。死体が映されるわけでも、主人公が長時間アリの死を嘆き悲しむわけでもないのだが、十分「死の悲劇」は伝わってくる。

しかもこのアリ自体、出番は多少あったがそこまで重要なアリではなかった。
その場に代わりはいくらでも居るのだ。
だから私は主人公がそのアリの死を瞬時悲しんだ時「えっ、そこで悲しむの?」と思った。
そして次の瞬間には「ああ、この主人公はたくさん居る中でたった1匹のアリの生き死にすら悲しめる優しい主人公なんだ」と気付いた。
作中でこの主人公が優しいと明言されることはない。
良い人、ですら言われることはない。
しかしそれでも、台詞ではなく細やかな演出の力でキャラクターのイメージを観客に植え付けていく
ことで、観客に主人公のことを「優しい良いやつ」と思わせ、劇中でもそのように物語が進んでいく。
観客側の意識と映像の中での扱いが決して明言されることなくリンクしているのだ。




ただ手放しに褒められる作品だったかと言われると案外そうではない。



1つは最後のチューシーン。
この映画はそういうものを挟まない、「分かっている」「硬派」な作品だと思っていただけに、少し残念ではあった。
これは完全に個人の趣向でしかないし、オタクが勝手に期待して勝手に裏切られただけの話なのでこの部分はあまり気にしていただく必要はないです。

キスシーンのイメージ図


そしてED後の蛇足シーンだ。ハリウッド映画のお約束よろしく、次に繋がる形でこの映画は終わっているのだがそのつなぎ方が長いしつまらないしくだらないしでとてもしょーもない。
あれだけ本編が面白かったのだから、そのままスパっと終わって余韻に浸らせて欲しいというのが正直なところだろう。
この部分に関しては擁護のしようがないくらい酷いので、なんならエンドロールが流れた時点で席を立ってもいいと思う。2回目も見に行くつもりですが、その時はそうします。

理想的な物語の〆方の一例



私が気に入らなかった点は全て後半に集中している。
本編自体は最高なのだが、以後の蛇足がどうにも余韻をかき消すのだ。
そういう部分を除けば「アントマン」は最高の映画だったし、とても面白かったです。
繰り返しますが仮面ライダーが好きな人には是非見てもらいたいですね。絶対に満足できると思っている。

仮面ライダーザビーも登場するぞ!





帰りに31のアイスクリーム食って帰路につきました。
31は鋭いからな


2015/09/21

映画ピクセルが最悪の映画だった


な、なんだこのワクワクするポスターは……こんなの絶対神映画じゃないか!

これは公開日に見に行くっきゃねえぜ!!








見に行った結果→ゴミ








クソ






うんち 








 でべそ






最近書いた記事一覧見直してるとどうも作品の批判しかしてなくて、うーんこれはいかんなあと思いつつも今回も批判記事です。
というか最近、面白い、素晴らしいと思う作品には素晴らしい以上の賛辞は不粋で必要ないと思っていて、そういう変化もあってか否定の記事ばかりになっているところもある。

一応言い訳のつもりであの花を褒める記事を1つ前に上げといたんで、まあこれで帳消しでしょう(謎理論)

閑話休題







映画ピクセルのダメな点を挙げていくとキリがないが、まず全体的にジョークが下品。下品なだけならまだいいがかなりつまらない。下品でつまらないジョーク。これは最低です。


下品で雑。この映画を象徴する言葉だと思う。



レトロゲームリスペクトしてるんすよ~w 面をしておきながらプレイ中に入力できやしないパックマンのチートコードや上段まで登らずハンマー投げてドンキー殺すとか原作へのリスペクトを全く感じない。
挙句の果てに最終戦で流すBGMがQueen。そこは原作BGMのアレンジなり8bit音源だろ
劇中に最近のゲームはリセットすればいい昔のゲームは~みたいな話があったがCoDでリセットする必要はない、昔のゲームの方がリセット回数は明らかに多いんですよね。
要するに昔のゲームも今のゲームもプレイしてないのがバレバレ。

対して昔のゲームに情熱も持ってないのにゲームを題材にすればオタク客を呼べるから題材にしただけのクソ映画です。解散。





まだ悪口が言い足りない。




まあ少しでも遊んだことがある人ならわかると思うんですけど、レトロゲームってめちゃくちゃ難しいんですよね。
100回程度やりこんでもほとんどの人はクリアすらできないでしょう。
言い返せばボリューム不足を難易度で補っていたとも言えますが、とにかく難しかった。
だからこそクリアした時めちゃくちゃ嬉しくなるんですよね。

割りとゲームの本質は失敗することにあると思ってて、失敗するからこそ成功した時に失敗した悔しさの数百倍のエネルギーで嬉しいんです。

ピクセルとかいうクソ映画は当然原作ゲームへのリスペクトなど欠片も配慮していないので主人公たちは1回も失敗をすることなく鬼畜ゲームをクリアしていきます。ふざけろ。
失敗しないゲームを遊んで何が楽しいんだ? となってしまう。


それこそカッコいいヒーローが悪い悪役をバッタンバッタンと薙ぎ倒していくならともかく、気持ち悪い顔した下品なジョークばかり飛ばすオタク共が慣れ親しんだドット絵のキャラクターを失敗もせず倒していくストーリーのどこが心地いいんだ。逆に腹が立つ。










主人公一味もクソですよ。
どうやら主人公は「冴えない中年オタク」らしいが、バツイチでそれなりに金があり大統領との親交も深く会話ではジョークを飛ばしまくる白人を冴えない中年オタクとは言わない。

また仲間の1人にゲームの美女キャラクターが大好きな奴がいて、 その美女と会うことを毎日夢見てる糖質がいるんですが、終盤でそのキャラクターが実際に出てきてなんか仲間になって結婚して子供を作ります。
僕はこういう展開が一番許せないですね。どうして自分の夢が叶わないのに画面の中の糖質がウハウハしているところを見なくちゃいけないのか。そもそもオタクの夢なんて叶わなくていい。
間違いなくオタクが冒涜されていると感じた瞬間でした。



あと最序盤に近所の小さい女の子から金を奪ってゲームセンターに遊びに行くシーンがあるんですけど、そうやって巻き上げた金でゲームを遊んでおいて「あの時代のゲームは良かったな~w」みたいな話をされても嫌悪感しか感じませんね。
典型的な老害の犯罪自慢でしかない。





(2015.10.8追記)
そういえば映画ピクセルの話。この映画は現実では冴えなかったりどうしようもなかったり犯罪者だったりするだけどゲームは上手いオタクが集まってワチャワチャするって話なんだけど、実際のゲーマー、特に全1だったりプロで金貰ってるようなガチのゲーマーって良い人や社会的にも地位がある人が多いんですよね。
こういうのは競技性のあるゲームを少しでもやってれば簡単に分かる。
どのジャンルも全1の人というのは人格的にも普通の人だし、異常な正確の人物というのはいないわけです。

日本で3人目のプロ格闘ゲーマーのときどさんも「マナーの悪い一流選手は存在しない。本当に強いプレイヤーはみな「いい人」。格ゲーとは、取り組む姿勢が正しい人間が勝つ世界なのだ 」という言葉を残している。ゲームのプロフェッショナルというのは本当に真摯に勝負に挑む世界なんですよね。

だからオタクじゃない一般人の方々が想像するような「現実ではキチガイみたいな行動言動を繰り返すけどゲームはめちゃくちゃ上手い奴」なんてのは妄想にしか過ぎないわけです。
幻想です。
日本にニンジャはまだ居るレベルの勘違いです。
「ゲームはめちゃくちゃ上手い」レベルまでは頭のオカシイ奴はいるだろうけど、全国大会で優勝なんてのは絶対に不可能です。それはゲームの長い歴史の中で身を持って証明されてます。
そういう「ハイレベルな世界」、「プロフェッショナルな世界」を一切鑑みずに、「オタクはくさくて気持ち悪いけどゲームは上手いだろう」みたいな訳の分からん偏見で作られたのがピクセルとかいうクソ映画です。
分かるか? 俺はこの映画を見てる時終始馬鹿にされてると思ったよ。
俺じゃない。プロフェッショナルがだ。
俺の大好きな世界を思い込みと偏見だけで堂々と馬鹿にするクソ映画がピクセルです。
絶対に許すな。

まあしかしピクセルは対戦格闘ゲームの大会ではないのだから対戦格闘ゲームとくらべてあーだこーだ言うのはオカシイというのは分かる。しかしアーケードゲームも人格の普通さが一定量求められるジャンル、そういうコミュニティーであんな異常者が強くなれるのはおかしい。異常者はそもそもゲーセンから叩きだされるだろうがよ。
そういう点も含めて、本当にオタクを舐め腐った映画だ。

仮にあれが完全フィクションの話なら俺だってこんなどーでもいいことネチネチ言わんよ。
けど実際のゲームとゲームキャラ持ち出してきて実名の人間も使ってゲー ムファンのあなたに送る!! ゲームキャラが現実に現れた! みたいな宣伝しておいてこういう侮辱を全方向にバラまいてんだからヘイト稼ぎなんてもんじゃないんだよ。

なんなら言うがピクセルを褒めてる人間でゲーマーなんて1人もいない。大抵しょーもない、たまにちょっとゲーム遊んでゲーム好き名乗ってるようなライト層ばっか。
いや別にライト層を否定はしないが、「昔のゲームあまり知らなくても楽しめましたw」みたいな吐き気のする感想は本当にやめてくれ。
それはお前がゲームの事を、オタクのことを何も知らない薄っぺらい程度の知識しかないから”こそ”楽しめたんだ。履き違えるんじゃあない。
(追記おわり)






なんか結構なネタバレをしたけど別にいいでしょう。
ウンコの成分知って落ち込む人はおらんはず。


下品で雑
本当にクソ映画で、じゃあクソ映画ならクソ映画でそれはいいんですけど、完全にオタクとオタク文化が馬鹿にされ舐め腐ってられたからもう許せなくなった。
どんなクソ映画でもどんなクソアニメでも許容はできるし楽しめるんだけど、オタク文化を馬鹿にされるのだけは我慢ならない。



どうでもいいですけど、このピクセル他所でも結構ボロクソ言われてる低評価作品なんですけど、それでも面白いっていう人はそこそこいるんですよね。
僕のフォローしてる人にも4~5人はピクセルを褒めてた。
そういう人たちの感想ツイートに決まってた文句がこれ

「元ネタのゲームはプレイしたことないけど楽しめました」

はい



じゃあ鬱憤も晴らしたところでピクセルの良かったところを振り返ってみましょう。


CG
そこそこ迫力があって良かった。CGは良かったのだが効果音はもう少しこだわってくれよ。やっぱりこいつらは誰も原作をプレイしてないんだなと感じた瞬間以下略

ED
EDはなんとあの中田ヤスタカ氏だった。いつものようにキレッキレな音楽にED映像もドットで映画の内容が再現されておりかなり良いです。

正直このEDだけでもピクセルを見に行った価値はあると思う。
まあでも途中で曲の尺が切れてそれから2分くらい何もないエンドロールを見せられるのでやっぱりクソ


たまに思い返すだけで自分でも信じられないぐらいブチギレて許せなくなるのでやっぱりクソ











2015/09/02

ランス03 クリア感想 ネタバレなし



いやー、待望の新作! わざわざ3400円の往復電車賃かけて日本橋のソフマップで買ってきましたよ。
特典付きなので9000円だったかな? そこに2000円のサウンドアルバムも買ったから計1万1000円+税込みかな?

まあ金出す価値があるかとかそういうゲームじゃないのでね、とやかくは言いませんけどね。
ハッキリ言ってミドルプライスのランス01の頃から進歩してたのはCGとシナリオだけだよね……。という話。


シナリオは良かったです。音楽は素晴らしかったです。CGは最高でした。
問題は戦闘システム。
全ての問題は戦闘システムに集約できる。

なんだこのユーザー馬鹿にしまくったクソみたいなゲームシステムはァー!!!!!


本当にプレイしてて嫌気がさした。
イライラだけが積もって爽快感は別にない。何が面白いのか全く分からない。
こんなシステムにするぐらいなら10年前のRPGツクールのデフォルト戦闘みたいなテンポも操作性もクソな戦闘システムの方がまだマシ。というかそっちの方がイイ!
それぐらい酷かった。

ボロクソに言っておいてなんだが、スタッフの意気込みややりたいことは何となく伝わった。攻撃対象の敵を任意選択ではなく、スキル依存にしたのは操作の煩雑さを少しでも省くためだし(実際あの戦闘システムで敵選択なんかしてたらプレイ時のイライラは完成形の比じゃない)、ダンジョンでの移動にしたって選択肢を絞り切ることで常に二者択一、三者択一をプレイヤーに迫っていく試み自体は面白いと思う。
試みは面白いと思うよ? ミドルプライスならね。

あの戦闘システムの何がダメかって戦闘の奥深さが全く無いんですよ。戦闘が一度始まってしまえばプレイヤーは手順を工夫するぐらいしかやることがない。
流れ作業ですよ。刺し身にたんぽぽを乗せる仕事をやってるような気分になる。

終盤はバイ・・ウェイのお陰でサクサク敵が倒せるようになって、そのイライラもなくなりましたけど、こんなのアリスソフトのゲームに、フルプライスのソフトに求めてるバランスじゃない。特に後半は大味過ぎる。


「ウワー、終盤になって敵が強くなってきたよー、アアーまたやられたーッ、クソがー!!!!」ってのが良好なゲームバランスだと勝手に思ってるのですが、ランス03の場合は「ああー、また死んだよ。あーあ今までの分やり直しかめんどくせーッ」って感じ。

前者が「手強い、悔しい」だとしたら、後者は「面倒くさい」って感じなのよさ。

分かる? なんでこうなってるか分かります?

戦闘に入ったらこっちの取れるアクションが少なすぎるからだよバカヤローーー!!!!!


 こういうプレイヤーの選択がほとんど結果に反映されない、初手の準備と運が重要になってくるゲームといえば、ランス5Dと艦隊これくしょんを想起してしまいますね。
ランス5Dは最初から看板の時点で運が全てと言い切っている清々しいゲームです。が、しかし実際は事前の準備も大事という、あるところはある作りになっています。
なので結局は運が全てとはいえ、失敗した時プレイヤーは己の運の悪さを呪うのではなく、事前準備の甘さを後悔するようになってます。だから運任せのゲームと言っても、ちゃんと「悔しい」を感じられるようになってる。

艦隊これくしょんは言わずと知れたクソゲーの中のクソゲーですが、事前準備の重要さが資材備蓄の時点で関わってくる上、敵の構成などは戦う前から(ネットを見れば)分かるので対策が戦闘前から立てられる。更に戦闘時自分は何も操作しなくていいので楽。
Twitter見ながら鼻ほじってるだけで戦闘が進みます。


旧版ランス3もかなり古い作品ですが、自動戦闘とはいえランスの行動選択はプレイヤーが選択可能で、その選択とCPUの自動戦闘の組み合わせが思いもしない戦闘結果をもたらすこともあり楽しい。またユニットが移動するフィールドが画一表示され状況が掴みやすく、中央に素晴らしい出来のグラフィックが表示されることでプレイしているだけで脳内妄想が膨らむような作品でした。

ま、流石に今やるとちょっと辛いけどね。ただその辛さはランス03ほどじゃない。


肝心のランス03は事前準備が重要なクセに敵の情報が戦うまで分からない上、肝心の戦闘がいちいちスキルを選択しなければならないのに、しかも不確定要素がクリティカル以外ほとんど関わらないし、当然プレイヤーはどのエネミーを狙うかなんて選択する権利を持っていないので、戦闘結果は戦闘開始の時点で決まっているようなもん。
しかもその煩雑な戦闘を飛ばすための自動戦闘機能は店売りの1回こっきりの消耗品…………。



はぁーーーっっ……… クソ過ぎるわ!!!!


勘弁して欲しい本当に。プレイ中何回「なんだこのクソゲー!?」と叫んだことやら。
音楽は素晴らしいしシナリオも良いのになんでこんな言葉を言わなくちゃいけないんだ。


着想はいいですよ。カードを選択してダンジョンを進んでスキル(チップ)で戦闘を行うっていう。ただ明らかにシステムの奥行きが足りないし、作りこみも感じられなかった。

とにかく戦闘がつまらない。出てくる敵が変わってもやってることは全部同じ。
もう少し敵ごとに個性をつけて変化を出してくれないと飽きる。飽きた。


最善手を考えさせようとしてるのは分かるんだけど、現状のシステムで最善手を選ぶメリットが少ない。そんなんしてるぐらいなら横からスキルバァーって選んで打ったほうが早いし強い。プレイヤーの工夫の余地が少なすぎるのは本当にダメダメ。

あとRPGの雑魚戦の醍醐味って、効率的な行動(最善手)を選択することで敵の数を効率的に減らし、敵から受けるダメージを減らし快適に道中を突破すること。だと勝手に思ってるのだけど、ランス03は集団戦時、敵の数を減らしても結局の最終的な手数は減らない(通称丁字戦法)ので戦ってて気持よくない。

最善手を選ぶメリットが少なすぎるので、結局脳筋ゴリ押しで苦労しながら進めるのが正解ということになる。
工夫をこらすことで楽に進めるようになるんだろうけど(例えば単体の敵マスが見えている時は通常攻撃のスキルセットにして、集団戦は全体攻撃のスキルを多めにつける)
それがあまりにも面倒過ぎる。またそうやって付けて行っても大して成果は得られない。

そんなんしてるぐらいなら横からスキルバァーって選んで打ったほうが早いし強い。プレイヤーの工夫の余地が少なすぎるのは本当にダメダメ。

しかもつまらなさは雑魚戦に限らない。
ボス戦も手前でセーブして死んで(たまに生き残って突破できたりする)、後は相手の能力に合わせてスキル選んで殴るだけ。

RPGのシステムとして完全に破綻してます。ADVの要素が強めかつ、ミドルプライスだったランス01ではまだ物珍しさで楽しめたけれど、今作の戦闘システムはどこを取っても面白さがない。

何度も繰り返しますが、戦闘に関しては面白いと思える要素が一欠片もない。




その他感想


・タイトル画面
この形式のタイトル画面はアリスソフトの短編作品やミドルソフトによく見られる形。ランス01もこの形式でしたね。
しかし私はこのタイトル画面が好きじゃない。理由は安っぽい印象が強いからです。
ランス01のようなミドルプライスならまだしも、ガッツリフルプライスの03でこのタイトル画面は正直拍子抜けだった。



・ミミックのシステム。この画像のように、一見しただけでは分かりづらいのですが、事前に確認すれば宝箱とミミックの違いがつくようになってます。
画像のやつは分かりやすい方で、宝箱によっては凝視しないと区別がつかないようなミミックが出てきます。
ミミックは非常に強力な上、倒しても経験値の旨みが全くないというプレイヤーにとって最悪のモンスターなので、序盤はホイホイ踏んでた宝箱も後半になると凝視を欠かさないようになります。
これはプレイヤーに変化を促す素晴らしい工夫なんじゃないかと。


・声優さん
全体的に素晴らしいキャスティングだったと思います。
これだけのキャラがいて違和感を受けるキャラがほとんどいないというのは本当にすごい。
強いて 言うなら志津香さんの声はもう少し低い方がいいとか、ランスの声がヤバいとか、まあそんな感じの個人レベルの引っ掛かりなので問題ないと思います。
それにしてもこれだけの声優さんを集めたのはすごい(2回目)

・音楽&シナリオ
文句なし。
ただロイヤルチェイサーを超える、盛り上がる曲がもう一曲は欲しかったかな。
個人的にはアイゼルのテーマアレンジの~サマヨウ~(読めん)がナンバーワンのBGMです。

・エロシーン
魚介さんのCGはとても素晴らしかった……。
特にイシスの強姦シーンとかロゼとダのシーンとか、ラストのジルとのシーンはテキストも相まって最高だった……
反対に和姦シーンは今ひとつだったかな。そもそもランスシリーズの和姦シーンで良いと思ったことがあまりないので、これはまあ僕個人の趣向の問題だと思います。

・戦闘中のボイス
「死んでもらうわ!」とか、「死ね!」とか、そういうボイスがちょっとキツイ。
こういうゲームをプレイしておいてなんだけど、僕はキャラがそういう死ね死ね言ってるのが好きじゃないのでちょっと辛かった。
今までの戦闘時の掛け合いはテキストだったから問題なかったけれど、ボイス化にあたってはそういう部分の配慮もお願いしたいです。

・操作性
ちょいちょいスキルを選択してSEが鳴っても選択が発生してないことがあって、そのせいで結構全滅したりもした。
この反応の悪さは擁護する隙間なくクソでしたね。



後なんかあった気もするけどまあいいや。



戦闘システムさえなんとかしてくれればかなり良質な作品に仕上がってたと思います。

戦闘システムがクソなのでもう二度とプレイはしません。
04を作るつもりならここらへんちゃんと作りこんで、奥深さのある戦闘システムを構築してくれないと困っちゃうよ、ホント。