2015/10/14

2015DeNAベイスターズの補強を考える

どうも、開幕前に横浜DeNAベイスターズの優勝予想をしておいて無事最下位に転落したハメカスです。

しかし昨年10月ドラフト時に作成したドラフト選手の能力予想(http://retokasu.blogspot.jp/2014/11/dena2014.html)はいい感じに当たっていたので足し引き0でセーフですね。


良かった~W


まあ終わったシーズンの話をしても仕方がない。
というわけで来シーズンのDeNAベイスターズの補強を考えてみましょう。




まず現在横浜DeNAベイスターズの支配下登録数は67人(自由契約のY・グリエルさんを抜いた数)
NPBの最大支配下登録数は70人までで、それ以上の選手登録は不可能です。
そしてシーズン中にもトレード、育成選手の支配下登録、外国人獲得と支配下の選手を増やす機会は絶対にあるので、補強をするにしても選手数はドラフト分を含めて65~67人に収まるでしょう。


そして10月13日現在公示されている自由契約選手は以下のとおり
東野峻(29) 横浜のバッティングピッチャー
岡島秀樹(39) 現役続行希望
土屋健二(25) 
大田阿斗里(26) 
加賀美希昇(27)
加藤政義(28)
多村仁志(38) 現役続行希望
赤堀大智(28)
(育成)今井金太(21)
(外国人)ビロウ(29)


多村以外は残当という感じのメンツ
これらの面々を切ると(育成の今井を除く)9の枠が開くので、支配下登録数は58人になります。

第二、第三次は西森、安部、小杉が怪しいかな、というぐらいでこれ以上切ることはあまりないでしょう。

(追記 雨つることつる岡捕手が自由契約です。グッバイ好きな選手だった)



制限選手として枠を取って拘束しているL.グリエルJr.(21)さんをどう扱うかは不明ですが、まあ自由契約になるんじゃないですか(適当)


主力選手ではバルディリス(32)の去就が怪しく、退団が噂されています。
まあ自由契約だと思いますので、その線で考えていきましょう。個人的にはいらない 足遅すぎ…

同じく外国人のエレラ(34)も去就不明。ここらへんに関しては今は予想するだけ無駄でしょう。


自チームのFAでは
石川雄洋(29)
長田秀一郎(35)
の2名が国内FA権を取得。
両者とも神奈川の地元出身でチーム内でも重要な位置を担っている選手。
なのでFAはないんじゃないかとは思っていますが、人の話なのでどうなるかは分かりませんね。


以上を総合すると、オフの支配下登録人数は54~57人程度に落ち着くでしょう。

ドラフトの人数はおおよそ5~7人
すると 支配下登録数は60~63人、空けておく枠も考慮すると
今オフに獲得する選手の数は5名前後に落ち着くはず。

FA

今季は市場にFA有力の先発投手がほとんどいないので
投手のFA獲得はまず望めないでしょう。
野手は大物だけにまずFAしないであろう選手、小粒故にFAしない方が待遇が良い選手の2極
正直今年のFA市場はかなり寂しい。
球界全体でそういう傾向なのかもしれない。

獲得候補

大野奨太(28) 捕手 Cランク










2013年 87試合 打率.259 本塁打3 打点19 出塁率.349 ops.718
2014年 105試合 打率.174 本塁打6 打点19 出塁率.242 ops.524
2015年 74試合 打率.194 本塁打0 打点10 出塁率.273 ops.518

今季FAの隠れた目玉
というか他選手の宣言次第によっては最大の目玉と言っても過言ではない
打撃成績だけ見るとアレという感じはあるが
キャッチングに定評があり、盗塁阻止率も高い保証不要Cランク捕手の需要はかなりある。
特に今季の横浜は捕手のキャッチングに苦労したので、そういう意味でも守備型捕手の大野は欲しい選手。
ただ同じく捕手難の中日と争奪戦になることは確実なのでコストパフォーマンス的には微妙さは残る。
しかもFAするかどうか今のところ不明で、日本ハムも慰留に務めるらしいのでFA宣言自体不透明。
色々な意味で動向が注目される選手

(追記。残留とのことです。近藤との正捕手争いには勝てますか・・?(小声)




吉村裕基(31) 外野、三塁、一塁 Cランク










 2013年 36試合 打率.194 本塁打5 打点16 出塁率.272 ops.623
 2014年 64試合 打率.296 本塁打5 打点29 出塁率.242 ops.841
 2015年 73試合 打率.217 本塁打3 打点15 出塁率.325 ops.681

この世で最も村田と共に息を引き取った野球選手
成績的には全盛期の影もないが長打力とGW力は健在
また昨年は6打点を上げクライマックスシリーズMVPを獲得し勝負強さを見せた
流石にそこらへんの選手とは格が違うか
横浜は古巣だし、獲得すれば外野と三塁のサブをこなしつつ
後藤の代わりに代打屋も出来る。未だに人気もあるので興行的にもプラスだろう
ただCランクで需要はあるとはいえ、福岡出身であり
本人もソフトバンクを気に入ってるっぽいので
FA宣言する可能性は高くないだろう
本人が現状の立場に満足しているかどうかか




自由契約

 

獲得有力

久保裕也(35) 投手












2011年 67試合 69回 防御率1.17 4勝2敗21H20S
2012年 2試合 1回 9.00
2013年 登板なし
2014年 48試合 59回 防4.73 4勝4敗11H
2015年 登板なし 2軍成績 38試合 防御率3.62 3勝2敗3S

実績十分のベテラン中継ぎ
活躍できるかどうかはともかくとして補強としては十分な選手
多くの報道機関がDeNAの調査報道を出しているので獲得はほぼ決定的か


獲得候補


青木高広(34) 投手










2011年 76試合 55回 防御率3.27 2勝4敗20H
2012年 登板なし
2013年 34試合 31回 防御率2.87 5勝1敗
2014年 38試合 33回 防2.45 2勝2敗9H
2015年 登板なし 2軍成績 26試合 20回 防御率4.35 1勝

通称ペローン。由来は変則的な投球フォームから。
変則中継ぎ左腕としての獲得はありえるが
中継ぎに余裕があるわけではない巨人が放出したということは
もう年齢的にガタが来ているのかもしれない


追記 現役は引退してジャイアンツアカデミーに携わるそうです。お疲れ様でした。


加藤康介(37) 投手










2012年 41試合 32回 防御率0.83 7H
2013年 34試合 61回 防御率1.97 1勝2敗16H1S
2014年 32試合 23回 防4.56 3勝10H
2015年 6試合 2回 防御率11.57 

(一応)元横浜の中継ぎ左腕
阪神に移籍後、復活を果たしたが
ここ数年で急激に成績を落としており
流石に年齢による劣化は否めない
獲得の可能性は低いだろう



細山田武史(29) 捕手










 2011年 84試合 打率.208 本塁打1 打点11 出塁率.278 ops.532
 2015年 12試合 打率.167 本塁打0 打点2 出塁率.286 ops.619

武山細山田論争の登場人物。元横浜
キャッチングには定評があるが盗塁阻止率は目に見えて低い。
打撃力もこれまでなら論ずるに値しないレベル。
ただ今季の非公式試合(2軍戦の他に教育リーグ、練習試合、3軍の試合を含む)
では打席数73打席で打率.268 2本塁打 9打点 出塁率391と
悪くない成績を残している
ちなみに横浜の捕手の2軍成績でこれ以上の成績を残している選手はいない。
更にファーム戦に限れば4割以上の打率、OPSも1を超えている。
もっとも37打席程度の記録だが……

そもそも横浜の弱みは若い捕手しか居ないため、ベンチで構えるのが仕事の
第二捕手、第三捕手という役目を本来経験を積むべき若い選手にやらせてしまっているという問題がある。
正捕手としては難しいだろうが
細山田は第二捕手、第三捕手は十分にこなしうる選手。
獲得するかどうか分からないし、SB側も育成再契約を考えているかもしれない。
それでも個人的には是非獲得して欲しい選手だ。



金無英-キム・ムヨン- (30) 投手










2012年 29試合 31回 防御率1.72 1勝1敗3H
2013年 23試合 31回 防御率3.48 1敗
2014年 25試合 31回 防3.41 1勝2H
2015年 登板なし

特に目立つ特徴はない中継ぎ右腕
日本の高校、大学を卒業しているため日本人選手扱い
敗戦処理が主な仕事とはいえ、1軍で悪くない成績を残してきていた
選手だけに戦力外は予想外だった。
中継ぎの球として使える選手なだけに獲得の可能性はある
韓国出身ということでKBOへの参加もありうるかもしれない

金無しくんではない


日高亮 (25) 投手










2012年 66試合 51回 防御率2.98 3勝2敗15H
2013年 2試合 1回 防御率16.20 1敗
2014年 1試合 1回 防御率0.00
2015年 登板なし 非公式戦成績  17試合 22回 防御率2.42

まだ若い中継ぎ左腕
主だった活躍は違反球の2012年だけだが
2軍では2年連続好成績を残しており(2014年ファーム防御率1.46)
ファンからも期待されていたがクビになってた
育成再契約も十分にありえるだろうが
有望株なだけに獲得は十分考慮に入るだろう
ただ即戦力重視のDeNAが獲得するかどうかは微妙なところ

SBには宝の山が眠っている





川本良平 (33) 捕手











 2012年 27試合 打率.256 本塁打1 打点4 出塁率.319 ops.691
 2013年 47試合 打率.187 本塁打0 打点5 出塁率.237 ops.446
 2014年 21試合 打率.158 本塁打2 打点6 出塁率.158 ops.523
 2015年 出場なし 2軍成績 148打席 打率.263 本塁打3 打点15 出塁率.322 OPS.690


ロッテの控え捕手
正直パッとする成績はなく、フィールディングも良い訳ではない
ただ現在ベテラン捕手不在のチーム状況において
第二、第三捕手としての役割はないわけではない
一応2軍成績では結果を残しているのでその分は評価点か
獲得の可能性は低いだろうが候補の一角にはあがるだろう

時折代走で出場する程度には足が速い


上野大樹(29) 投手










2013年 42試合 61回 防御率3.06 3勝2H
2014年 31試合 44回 防4.47 2勝1敗
2015年 2試合 2回 防御率9.00 1勝

顔が良いイケメンきゅん系中継ぎ右腕
敗戦処理が主な担当だが1軍での実績があり
中継ぎの補強としてはそこそこか
顔が良い


外国人

外国人は候補が多すぎるので
ある程度可能性が残る選手に絞りました。


クルーズ(31) 遊撃手、二塁手、三塁手 8500万










 2014年 126試合 打率.238 本塁打16 打点61 出塁率.268 ops.687
 2015年 133試合 打率.255 本塁打16 打点73 出塁率.289 ops.691

低打率低出塁率長打あり神守備雑守備多失策低OPSと通好みの選手
打率こそ低いが勝負強く、この2年で打点はコンスタントに稼いでいる。得点圏打率は高いわけではない。
個人的には最も横浜に獲得してもらいたい選手。
二塁、遊撃手を守れるので
例えば予定通りにいけば遊撃手クルーズ、二塁手石川の布陣
仮にいつもどおり石川がケガしたなら二塁にクルーズを置いて
遊撃は白崎倉本で対処できる。万が一の石川の移籍にも対応可能
今季課題となったセンターラインの守備もある程度の改善が見込めるからだ。
ただDeNAの調査報道が出ていないので実際の獲得は今のところ不透明

名前が横浜っぽい(小並感)

名前……横浜っぽい……ウッ、
















メンドーサ(32) 投手 1億










2014年 26試合 162回 防3.89 7勝13敗
2015年 26試合 148回 防御率3.51 10勝 8敗

退団が決定したハンサムメジャー右腕
成績はパッと見映えこそしないが安定した成績を残してきている
計算できるローテーション投手として需要はあるだろう。
遠征、育児の都合で在京球団を希望しており
横浜が獲得する目は十分にある
またクルーズとは同い年で少年時代からの親友、共にレッドソックスと契約し
兄弟のような存在だと呼び合い、今も定期的にパーティーを開くほど仲が良い
どちらか一方を抱え込めれば、高騰することなく両取りも可能かもしれない。

ただなんか横浜で活躍してるビジョンが見えない




ルナ(35)  三塁手、一塁手 2億円










2013年 85試合 打率.350 本塁打9 打点51 出塁率.399 ops.919
2014年 127試合 打率.317 本塁打17 打点73 出塁率.387 ops.888
2015年 134試合 打率.292 本塁打8 打点60 出塁率.367 ops.764

石原さとみ似のアベレージヒッター
打撃力もそうだが走塁意識も高く
特に2015年は失敗なし成功率100%の11盗塁を記録している
守備面はエラーこそ多めだが特に不安になるような部分はなく、平均的な守備と言えるだろう

ネックはやはり高齢による劣化と巨人、阪神が獲得に参加することによる年俸の高騰か
現時点で2億円の年俸なので、争奪戦となれば
3億クラスの契約と複数契約は十分視野に入ってくるだろう
獲得できればバルディリスより遥かに走塁面での活躍が期待できるが
流石に分もコストパフォーマンスも悪いか


追記、年齢が31歳になっていたのを修正しました。わりw






以上が現在市場に出る可能性を持つDeNAの獲得候補選手だ
日本野球の経験がない新外国人選手の候補についてはMLBに詳しい人がなんか
良い感じに予想して候補を出してくれるでしょう(適当)


欲を言えばカブスを自由契約になった和田や川崎宗則と契約できればピンズドサイコーという話ですが、まあそこらへんは実現の望みもウスなのでDeNAの偉い人のメイクミラクルでもない限り獲得はありえないでしょう。
なのでそういうMLB球団に所属している日本人選手は考えないものとしました。
言い始めるとキリがないからね


結論


というわけで長くなりました。

そして私の考えるDeNAベイスターズの補強ですが


FAで大野を獲得
外国人はクルーズ、メンドーサの両取り
戦力外から日高、金、細山田、久保とSB三人衆を一気に持っていく

これで課題の捕手の守備面を補い、二遊間の打撃力を強化
中継ぎの数的補強をし
例えば先発である程度の結果を残していたのに中継ぎに回った三嶋や
夏場に無理やり中継ぎに回すことになったモスコーソのような
シーズン途中での配置転換を無くそうというもの

日本ハムから主力選手2人引きぬくことになるけど、元日本ハムGMの高田GMのコネもあるし、なんとかなるんじゃない?(適当)



当然こんな想定通りに補強が進むことはありませんし、また新外国人やドラフトを考慮していないのでチームの穴の決定的打開に繋がる訳ではありません。
あくまで現在市場に出ている知ってる選手でなんとかしようという発想です。


来シーズンの横浜の順位予想ですがまあ確実にCSには出られるでしょうね。
そこから日本一を狙えるかどうかが勝負の分かれ目なので
選手たちには来季あそこに自分たちが立つという意識を持って練習に臨んででもらいたいです
 ね。


そういえば来年のオールスターはハマスタで開催されるみたいですが
考えた奴は底なしの馬鹿だと思います


2015/09/29

アントマンちょー面白かった!

最近クソ映画しか見てない……


本拠地、イオンシネマスタジアムで迎えたサマームービーロード戦
先発ラブライブが大量失点、ペルソナ3も勢いを見せず惨敗だった
ニャル子さん、ポケモン、バケモノの子、ピクセル……とんでもないクソ映画のラッシュ……予告犯は唯一面白かった
スタジアムに響くオタクのため息、どこからか聞こえる「映画界も終わりだな」の声
無言で帰り始める観客達の中、オタクは独り座席で泣いていた
ムビマスや劇場版ストライクウィッチーズ、ゆるゆり なちゅやちゅみ!で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる制作陣・・・
それを今のアニメ映画界で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
単に自分のチョイスが悪いだけなのかもしれない
面白い作品にアンテナを張れていないだけなのかもしれない。
しかしそれにしたってこうもks映画を連続で引き続けるとは・・・
しかも周りの評判自体は決して悪くないのだ。自分が勝手にks映画だと思ってるだけなのだ
そういう自分の感覚のズレへの悲しみを感じるざるを得なかった
そもそも面白い映画が見たいのなら評判の良い作品をDVDレンタルやhulu等のインターネット配信サービスで見ればいいだけの話なのだ
それでも僕が映画館に足を運び続けるのは、やはり「映画館で映像体験をしたい」という思いがあるからなのだろう
しかしその結果は惨敗だった。今思えばイオンシネマのラインナップに期待した僕が全て悪かったのかもしれない

 「どうすりゃいいんだ・・・」オタクは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、オタクははっと目覚めた
 
「あれは…アントマン?」

面白く丁寧に練られた脚本、魅力的なキャラクター達、頼りなさを抱えつつもカッコいい主役のヒーロー、不必要で下世話な演出を挟み込まない観客に配慮した演出、面白く鋭いジョークの数々……

暫時、唖然としていたオタクだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「面白い・・・面白いんだ!」
券売機からチケットを受け取り、劇場へ全力疾走するオタク、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、意気揚々とブログを更新するオタクが発見され、吉村と村田は病院で静かに息を引き取った





本当に面白い映画だった。
しかし私はこの作品を普通の映画として楽しんだのかと言われるとそれは少し違っていて、どうも私はこの作品を「劇場版 仮面ライダー」だと思って終始楽しんでいたらしい。

参考動画  石ノ森章太郎生誕70週年記念作品











とにかく、なんと言い表したら良いのか分からないが、「アントマン」は仮面ライダーなのだ。
これに関しては映画を見ていただければ1発で理解してもらえると思う。
博士にベルトを与えられ、バイク(アリ)に跨がり、守るべきものの為に悪の組織を打ち倒す。
まさしくアントマンは、仮面ライダーなのだ。


アントマンのデザインからも仮面ライダーの意匠が見受けられる


そして仮面ライダーの映画を数本以上見た方ならばご納得いただけると思うのだが、その、なんというか、仮面ライダーの映画はつまらない…
いや、つまらないというと語弊があるだろう。微妙……いや、惜しい……
とにかくなんだか言い表せないがしこりが残る残念感が仮面ライダーの映画には存在していた。
決して面白くないわけではない。勿論劇場版仮面ライダーの中には面白い映画も数ある。しかし何かが引っかかる……。
何か物足りない……。
そういうものを私は長年、劇場版 仮面ライダーに抱え続けていた。

が、しかしその思いももう消え失せたと言っても差し支え無いだろう。
「アントマン」を見たからだ。
これから先、ゴジラよろしく仮面ライダーがハリウッドで制作されるとしても、私は「アントマンがあるからそれでよくね?」と反応することだろう。
それぐらい、アントマンは正しく「僕が求めた理想の劇場版 仮面ライダー」と言える作品だった。
本当に満足している。





アントマンを語る際に欠かせないのはその魅力的なキャラクター達だろう。
決してアクが強いわけではない、ともいえば薄味とも見れるキャラクター達なのだが、それぞれの意志や信念といったものが多方向から描かれており、仲間も悪役も端役も、誰も彼もがなんだか憎めない魅力的なキャラクターに仕上がっている。ラスボスも良いキャラをしている。

特に主人公のスコット・ラングは良いキャラクターだ。
物語は彼が出所し、これからは心を入れ替えて真っ当に働くと宣言し31のバイトを始め、一瞬でクビになるところから始まる。
この時点で私は既に主人公を素晴らしいキャラクターだと思ってしまっていた。
31をクビになるキャラクターに悪い人間は居ないのだ。

また彼の「普段は頼りないが、実はすごい力を持っている」というのもアリを意識したキャラクター造形なのかなと思いますね。

脚本も素晴らしい。この出所の道中の何気ない会話の中で、彼の刑務所仲間が「刑務所のボスに勝てたのは俺だけだぜ」という話をするのだが、この伏線が後半になって活かされた時はたいそう驚いた。
伏線を観客に気付かれないように広げ、後半で一気に回収していく様があまりにも見事なのだ。
まるで田中ロミオのエロゲーをプレイしているような感覚に陥った。
これは本当にハリウッド映画なのだろうか? と疑ってしまうほど丁寧な脚本なのだ。

最近見た「ピクセル」はキャラクターのアクが強いだけで全く魅力的じゃないし、敵キャラクターの意志など微塵も存在しなかった。
そういう意味で正反対の出来だったし、対比も含めて二重の意味でアントマンの出来の良さに感動した。



演出面も良かった。本編中は一切不快さや冗長さを感じる演出は行われない。
物語がテンポ良く、スピーディーに次へ次へと進んでいく様は実に気持ち良い。


アントマンの演出の良さを代表するシーンとして、終盤に仲間のアリが敵に殺されてしまう場面がある。

映像業界の悪しき風習に、仲間がやられた時過剰に悲しみ死を印象付けさせる。
というものがある。
「俺のことは気にせず早く行け!」「で、でも……」「早く行くんだ!」
というものである。 皆さんの記憶にもいくつか思い当たるフシがあるのではないだろうか。
私は最近ポケモン超不思議のダンジョンで見ました。

言うまでもないがコレを見せられた方はたまったあもんじゃあない。はよ行けという話である。
そもそも、こういう類いのシーンに望むにあって観客側は覚悟と準備を済ませているケースが大半なのに、肝心の主人公が覚悟も準備も出来ていないというのは間違いなく主人公と観客の齟齬だし、感情移入もくそもなくなるのだ。
全くダメダメなシーン展開の1つだろう。

だがアントマンの演出は実にクールだった。
相棒のアリが撃ちぬかれ、羽根がしばらく空を舞い地に落ちる。
主人公はそれを見て暫時悲しみ、別のアリに乗り換えて突撃を再開する。

これだけだ。死体が映されるわけでも、主人公が長時間アリの死を嘆き悲しむわけでもないのだが、十分「死の悲劇」は伝わってくる。

しかもこのアリ自体、出番は多少あったがそこまで重要なアリではなかった。
その場に代わりはいくらでも居るのだ。
だから私は主人公がそのアリの死を瞬時悲しんだ時「えっ、そこで悲しむの?」と思った。
そして次の瞬間には「ああ、この主人公はたくさん居る中でたった1匹のアリの生き死にすら悲しめる優しい主人公なんだ」と気付いた。
作中でこの主人公が優しいと明言されることはない。
良い人、ですら言われることはない。
しかしそれでも、台詞ではなく細やかな演出の力でキャラクターのイメージを観客に植え付けていく
ことで、観客に主人公のことを「優しい良いやつ」と思わせ、劇中でもそのように物語が進んでいく。
観客側の意識と映像の中での扱いが決して明言されることなくリンクしているのだ。




ただ手放しに褒められる作品だったかと言われると案外そうではない。



1つは最後のチューシーン。
この映画はそういうものを挟まない、「分かっている」「硬派」な作品だと思っていただけに、少し残念ではあった。
これは完全に個人の趣向でしかないし、オタクが勝手に期待して勝手に裏切られただけの話なのでこの部分はあまり気にしていただく必要はないです。

キスシーンのイメージ図


そしてED後の蛇足シーンだ。ハリウッド映画のお約束よろしく、次に繋がる形でこの映画は終わっているのだがそのつなぎ方が長いしつまらないしくだらないしでとてもしょーもない。
あれだけ本編が面白かったのだから、そのままスパっと終わって余韻に浸らせて欲しいというのが正直なところだろう。
この部分に関しては擁護のしようがないくらい酷いので、なんならエンドロールが流れた時点で席を立ってもいいと思う。2回目も見に行くつもりですが、その時はそうします。

理想的な物語の〆方の一例



私が気に入らなかった点は全て後半に集中している。
本編自体は最高なのだが、以後の蛇足がどうにも余韻をかき消すのだ。
そういう部分を除けば「アントマン」は最高の映画だったし、とても面白かったです。
繰り返しますが仮面ライダーが好きな人には是非見てもらいたいですね。絶対に満足できると思っている。

仮面ライダーザビーも登場するぞ!





帰りに31のアイスクリーム食って帰路につきました。
31は鋭いからな


2015/09/21

映画ピクセルが最悪の映画だった


な、なんだこのワクワクするポスターは……こんなの絶対神映画じゃないか!

これは公開日に見に行くっきゃねえぜ!!








見に行った結果→ゴミ








クソ






うんち 








 でべそ






最近書いた記事一覧見直してるとどうも作品の批判しかしてなくて、うーんこれはいかんなあと思いつつも今回も批判記事です。
というか最近、面白い、素晴らしいと思う作品には素晴らしい以上の賛辞は不粋で必要ないと思っていて、そういう変化もあってか否定の記事ばかりになっているところもある。

一応言い訳のつもりであの花を褒める記事を1つ前に上げといたんで、まあこれで帳消しでしょう(謎理論)

閑話休題







映画ピクセルのダメな点を挙げていくとキリがないが、まず全体的にジョークが下品。下品なだけならまだいいがかなりつまらない。下品でつまらないジョーク。これは最低です。


下品で雑。この映画を象徴する言葉だと思う。



レトロゲームリスペクトしてるんすよ~w 面をしておきながらプレイ中に入力できやしないパックマンのチートコードや上段まで登らずハンマー投げてドンキー殺すとか原作へのリスペクトを全く感じない。
挙句の果てに最終戦で流すBGMがQueen。そこは原作BGMのアレンジなり8bit音源だろ
劇中に最近のゲームはリセットすればいい昔のゲームは~みたいな話があったがCoDでリセットする必要はない、昔のゲームの方がリセット回数は明らかに多いんですよね。
要するに昔のゲームも今のゲームもプレイしてないのがバレバレ。

対して昔のゲームに情熱も持ってないのにゲームを題材にすればオタク客を呼べるから題材にしただけのクソ映画です。解散。





まだ悪口が言い足りない。




まあ少しでも遊んだことがある人ならわかると思うんですけど、レトロゲームってめちゃくちゃ難しいんですよね。
100回程度やりこんでもほとんどの人はクリアすらできないでしょう。
言い返せばボリューム不足を難易度で補っていたとも言えますが、とにかく難しかった。
だからこそクリアした時めちゃくちゃ嬉しくなるんですよね。

割りとゲームの本質は失敗することにあると思ってて、失敗するからこそ成功した時に失敗した悔しさの数百倍のエネルギーで嬉しいんです。

ピクセルとかいうクソ映画は当然原作ゲームへのリスペクトなど欠片も配慮していないので主人公たちは1回も失敗をすることなく鬼畜ゲームをクリアしていきます。ふざけろ。
失敗しないゲームを遊んで何が楽しいんだ? となってしまう。


それこそカッコいいヒーローが悪い悪役をバッタンバッタンと薙ぎ倒していくならともかく、気持ち悪い顔した下品なジョークばかり飛ばすオタク共が慣れ親しんだドット絵のキャラクターを失敗もせず倒していくストーリーのどこが心地いいんだ。逆に腹が立つ。










主人公一味もクソですよ。
どうやら主人公は「冴えない中年オタク」らしいが、バツイチでそれなりに金があり大統領との親交も深く会話ではジョークを飛ばしまくる白人を冴えない中年オタクとは言わない。

また仲間の1人にゲームの美女キャラクターが大好きな奴がいて、 その美女と会うことを毎日夢見てる糖質がいるんですが、終盤でそのキャラクターが実際に出てきてなんか仲間になって結婚して子供を作ります。
僕はこういう展開が一番許せないですね。どうして自分の夢が叶わないのに画面の中の糖質がウハウハしているところを見なくちゃいけないのか。そもそもオタクの夢なんて叶わなくていい。
間違いなくオタクが冒涜されていると感じた瞬間でした。



あと最序盤に近所の小さい女の子から金を奪ってゲームセンターに遊びに行くシーンがあるんですけど、そうやって巻き上げた金でゲームを遊んでおいて「あの時代のゲームは良かったな~w」みたいな話をされても嫌悪感しか感じませんね。
典型的な老害の犯罪自慢でしかない。





(2015.10.8追記)
そういえば映画ピクセルの話。この映画は現実では冴えなかったりどうしようもなかったり犯罪者だったりするだけどゲームは上手いオタクが集まってワチャワチャするって話なんだけど、実際のゲーマー、特に全1だったりプロで金貰ってるようなガチのゲーマーって良い人や社会的にも地位がある人が多いんですよね。
こういうのは競技性のあるゲームを少しでもやってれば簡単に分かる。
どのジャンルも全1の人というのは人格的にも普通の人だし、異常な正確の人物というのはいないわけです。

日本で3人目のプロ格闘ゲーマーのときどさんも「マナーの悪い一流選手は存在しない。本当に強いプレイヤーはみな「いい人」。格ゲーとは、取り組む姿勢が正しい人間が勝つ世界なのだ 」という言葉を残している。ゲームのプロフェッショナルというのは本当に真摯に勝負に挑む世界なんですよね。

だからオタクじゃない一般人の方々が想像するような「現実ではキチガイみたいな行動言動を繰り返すけどゲームはめちゃくちゃ上手い奴」なんてのは妄想にしか過ぎないわけです。
幻想です。
日本にニンジャはまだ居るレベルの勘違いです。
「ゲームはめちゃくちゃ上手い」レベルまでは頭のオカシイ奴はいるだろうけど、全国大会で優勝なんてのは絶対に不可能です。それはゲームの長い歴史の中で身を持って証明されてます。
そういう「ハイレベルな世界」、「プロフェッショナルな世界」を一切鑑みずに、「オタクはくさくて気持ち悪いけどゲームは上手いだろう」みたいな訳の分からん偏見で作られたのがピクセルとかいうクソ映画です。
分かるか? 俺はこの映画を見てる時終始馬鹿にされてると思ったよ。
俺じゃない。プロフェッショナルがだ。
俺の大好きな世界を思い込みと偏見だけで堂々と馬鹿にするクソ映画がピクセルです。
絶対に許すな。

まあしかしピクセルは対戦格闘ゲームの大会ではないのだから対戦格闘ゲームとくらべてあーだこーだ言うのはオカシイというのは分かる。しかしアーケードゲームも人格の普通さが一定量求められるジャンル、そういうコミュニティーであんな異常者が強くなれるのはおかしい。異常者はそもそもゲーセンから叩きだされるだろうがよ。
そういう点も含めて、本当にオタクを舐め腐った映画だ。

仮にあれが完全フィクションの話なら俺だってこんなどーでもいいことネチネチ言わんよ。
けど実際のゲームとゲームキャラ持ち出してきて実名の人間も使ってゲー ムファンのあなたに送る!! ゲームキャラが現実に現れた! みたいな宣伝しておいてこういう侮辱を全方向にバラまいてんだからヘイト稼ぎなんてもんじゃないんだよ。

なんなら言うがピクセルを褒めてる人間でゲーマーなんて1人もいない。大抵しょーもない、たまにちょっとゲーム遊んでゲーム好き名乗ってるようなライト層ばっか。
いや別にライト層を否定はしないが、「昔のゲームあまり知らなくても楽しめましたw」みたいな吐き気のする感想は本当にやめてくれ。
それはお前がゲームの事を、オタクのことを何も知らない薄っぺらい程度の知識しかないから”こそ”楽しめたんだ。履き違えるんじゃあない。
(追記おわり)






なんか結構なネタバレをしたけど別にいいでしょう。
ウンコの成分知って落ち込む人はおらんはず。


下品で雑
本当にクソ映画で、じゃあクソ映画ならクソ映画でそれはいいんですけど、完全にオタクとオタク文化が馬鹿にされ舐め腐ってられたからもう許せなくなった。
どんなクソ映画でもどんなクソアニメでも許容はできるし楽しめるんだけど、オタク文化を馬鹿にされるのだけは我慢ならない。



どうでもいいですけど、このピクセル他所でも結構ボロクソ言われてる低評価作品なんですけど、それでも面白いっていう人はそこそこいるんですよね。
僕のフォローしてる人にも4~5人はピクセルを褒めてた。
そういう人たちの感想ツイートに決まってた文句がこれ

「元ネタのゲームはプレイしたことないけど楽しめました」

はい



じゃあ鬱憤も晴らしたところでピクセルの良かったところを振り返ってみましょう。


CG
そこそこ迫力があって良かった。CGは良かったのだが効果音はもう少しこだわってくれよ。やっぱりこいつらは誰も原作をプレイしてないんだなと感じた瞬間以下略

ED
EDはなんとあの中田ヤスタカ氏だった。いつものようにキレッキレな音楽にED映像もドットで映画の内容が再現されておりかなり良いです。

正直このEDだけでもピクセルを見に行った価値はあると思う。
まあでも途中で曲の尺が切れてそれから2分くらい何もないエンドロールを見せられるのでやっぱりクソ


たまに思い返すだけで自分でも信じられないぐらいブチギレて許せなくなるのでやっぱりクソ











2015/09/02

ランス03 クリア感想 ネタバレなし



いやー、待望の新作! わざわざ3400円の往復電車賃かけて日本橋のソフマップで買ってきましたよ。
特典付きなので9000円だったかな? そこに2000円のサウンドアルバムも買ったから計1万1000円+税込みかな?

まあ金出す価値があるかとかそういうゲームじゃないのでね、とやかくは言いませんけどね。
ハッキリ言ってミドルプライスのランス01の頃から進歩してたのはCGとシナリオだけだよね……。という話。


シナリオは良かったです。音楽は素晴らしかったです。CGは最高でした。
問題は戦闘システム。
全ての問題は戦闘システムに集約できる。

なんだこのユーザー馬鹿にしまくったクソみたいなゲームシステムはァー!!!!!


本当にプレイしてて嫌気がさした。
イライラだけが積もって爽快感は別にない。何が面白いのか全く分からない。
こんなシステムにするぐらいなら10年前のRPGツクールのデフォルト戦闘みたいなテンポも操作性もクソな戦闘システムの方がまだマシ。というかそっちの方がイイ!
それぐらい酷かった。

ボロクソに言っておいてなんだが、スタッフの意気込みややりたいことは何となく伝わった。攻撃対象の敵を任意選択ではなく、スキル依存にしたのは操作の煩雑さを少しでも省くためだし(実際あの戦闘システムで敵選択なんかしてたらプレイ時のイライラは完成形の比じゃない)、ダンジョンでの移動にしたって選択肢を絞り切ることで常に二者択一、三者択一をプレイヤーに迫っていく試み自体は面白いと思う。
試みは面白いと思うよ? ミドルプライスならね。

あの戦闘システムの何がダメかって戦闘の奥深さが全く無いんですよ。戦闘が一度始まってしまえばプレイヤーは手順を工夫するぐらいしかやることがない。
流れ作業ですよ。刺し身にたんぽぽを乗せる仕事をやってるような気分になる。

終盤はバイ・・ウェイのお陰でサクサク敵が倒せるようになって、そのイライラもなくなりましたけど、こんなのアリスソフトのゲームに、フルプライスのソフトに求めてるバランスじゃない。特に後半は大味過ぎる。


「ウワー、終盤になって敵が強くなってきたよー、アアーまたやられたーッ、クソがー!!!!」ってのが良好なゲームバランスだと勝手に思ってるのですが、ランス03の場合は「ああー、また死んだよ。あーあ今までの分やり直しかめんどくせーッ」って感じ。

前者が「手強い、悔しい」だとしたら、後者は「面倒くさい」って感じなのよさ。

分かる? なんでこうなってるか分かります?

戦闘に入ったらこっちの取れるアクションが少なすぎるからだよバカヤローーー!!!!!


 こういうプレイヤーの選択がほとんど結果に反映されない、初手の準備と運が重要になってくるゲームといえば、ランス5Dと艦隊これくしょんを想起してしまいますね。
ランス5Dは最初から看板の時点で運が全てと言い切っている清々しいゲームです。が、しかし実際は事前の準備も大事という、あるところはある作りになっています。
なので結局は運が全てとはいえ、失敗した時プレイヤーは己の運の悪さを呪うのではなく、事前準備の甘さを後悔するようになってます。だから運任せのゲームと言っても、ちゃんと「悔しい」を感じられるようになってる。

艦隊これくしょんは言わずと知れたクソゲーの中のクソゲーですが、事前準備の重要さが資材備蓄の時点で関わってくる上、敵の構成などは戦う前から(ネットを見れば)分かるので対策が戦闘前から立てられる。更に戦闘時自分は何も操作しなくていいので楽。
Twitter見ながら鼻ほじってるだけで戦闘が進みます。


旧版ランス3もかなり古い作品ですが、自動戦闘とはいえランスの行動選択はプレイヤーが選択可能で、その選択とCPUの自動戦闘の組み合わせが思いもしない戦闘結果をもたらすこともあり楽しい。またユニットが移動するフィールドが画一表示され状況が掴みやすく、中央に素晴らしい出来のグラフィックが表示されることでプレイしているだけで脳内妄想が膨らむような作品でした。

ま、流石に今やるとちょっと辛いけどね。ただその辛さはランス03ほどじゃない。


肝心のランス03は事前準備が重要なクセに敵の情報が戦うまで分からない上、肝心の戦闘がいちいちスキルを選択しなければならないのに、しかも不確定要素がクリティカル以外ほとんど関わらないし、当然プレイヤーはどのエネミーを狙うかなんて選択する権利を持っていないので、戦闘結果は戦闘開始の時点で決まっているようなもん。
しかもその煩雑な戦闘を飛ばすための自動戦闘機能は店売りの1回こっきりの消耗品…………。



はぁーーーっっ……… クソ過ぎるわ!!!!


勘弁して欲しい本当に。プレイ中何回「なんだこのクソゲー!?」と叫んだことやら。
音楽は素晴らしいしシナリオも良いのになんでこんな言葉を言わなくちゃいけないんだ。


着想はいいですよ。カードを選択してダンジョンを進んでスキル(チップ)で戦闘を行うっていう。ただ明らかにシステムの奥行きが足りないし、作りこみも感じられなかった。

とにかく戦闘がつまらない。出てくる敵が変わってもやってることは全部同じ。
もう少し敵ごとに個性をつけて変化を出してくれないと飽きる。飽きた。


最善手を考えさせようとしてるのは分かるんだけど、現状のシステムで最善手を選ぶメリットが少ない。そんなんしてるぐらいなら横からスキルバァーって選んで打ったほうが早いし強い。プレイヤーの工夫の余地が少なすぎるのは本当にダメダメ。

あとRPGの雑魚戦の醍醐味って、効率的な行動(最善手)を選択することで敵の数を効率的に減らし、敵から受けるダメージを減らし快適に道中を突破すること。だと勝手に思ってるのだけど、ランス03は集団戦時、敵の数を減らしても結局の最終的な手数は減らない(通称丁字戦法)ので戦ってて気持よくない。

最善手を選ぶメリットが少なすぎるので、結局脳筋ゴリ押しで苦労しながら進めるのが正解ということになる。
工夫をこらすことで楽に進めるようになるんだろうけど(例えば単体の敵マスが見えている時は通常攻撃のスキルセットにして、集団戦は全体攻撃のスキルを多めにつける)
それがあまりにも面倒過ぎる。またそうやって付けて行っても大して成果は得られない。

そんなんしてるぐらいなら横からスキルバァーって選んで打ったほうが早いし強い。プレイヤーの工夫の余地が少なすぎるのは本当にダメダメ。

しかもつまらなさは雑魚戦に限らない。
ボス戦も手前でセーブして死んで(たまに生き残って突破できたりする)、後は相手の能力に合わせてスキル選んで殴るだけ。

RPGのシステムとして完全に破綻してます。ADVの要素が強めかつ、ミドルプライスだったランス01ではまだ物珍しさで楽しめたけれど、今作の戦闘システムはどこを取っても面白さがない。

何度も繰り返しますが、戦闘に関しては面白いと思える要素が一欠片もない。




その他感想


・タイトル画面
この形式のタイトル画面はアリスソフトの短編作品やミドルソフトによく見られる形。ランス01もこの形式でしたね。
しかし私はこのタイトル画面が好きじゃない。理由は安っぽい印象が強いからです。
ランス01のようなミドルプライスならまだしも、ガッツリフルプライスの03でこのタイトル画面は正直拍子抜けだった。



・ミミックのシステム。この画像のように、一見しただけでは分かりづらいのですが、事前に確認すれば宝箱とミミックの違いがつくようになってます。
画像のやつは分かりやすい方で、宝箱によっては凝視しないと区別がつかないようなミミックが出てきます。
ミミックは非常に強力な上、倒しても経験値の旨みが全くないというプレイヤーにとって最悪のモンスターなので、序盤はホイホイ踏んでた宝箱も後半になると凝視を欠かさないようになります。
これはプレイヤーに変化を促す素晴らしい工夫なんじゃないかと。


・声優さん
全体的に素晴らしいキャスティングだったと思います。
これだけのキャラがいて違和感を受けるキャラがほとんどいないというのは本当にすごい。
強いて 言うなら志津香さんの声はもう少し低い方がいいとか、ランスの声がヤバいとか、まあそんな感じの個人レベルの引っ掛かりなので問題ないと思います。
それにしてもこれだけの声優さんを集めたのはすごい(2回目)

・音楽&シナリオ
文句なし。
ただロイヤルチェイサーを超える、盛り上がる曲がもう一曲は欲しかったかな。
個人的にはアイゼルのテーマアレンジの~サマヨウ~(読めん)がナンバーワンのBGMです。

・エロシーン
魚介さんのCGはとても素晴らしかった……。
特にイシスの強姦シーンとかロゼとダのシーンとか、ラストのジルとのシーンはテキストも相まって最高だった……
反対に和姦シーンは今ひとつだったかな。そもそもランスシリーズの和姦シーンで良いと思ったことがあまりないので、これはまあ僕個人の趣向の問題だと思います。

・戦闘中のボイス
「死んでもらうわ!」とか、「死ね!」とか、そういうボイスがちょっとキツイ。
こういうゲームをプレイしておいてなんだけど、僕はキャラがそういう死ね死ね言ってるのが好きじゃないのでちょっと辛かった。
今までの戦闘時の掛け合いはテキストだったから問題なかったけれど、ボイス化にあたってはそういう部分の配慮もお願いしたいです。

・操作性
ちょいちょいスキルを選択してSEが鳴っても選択が発生してないことがあって、そのせいで結構全滅したりもした。
この反応の悪さは擁護する隙間なくクソでしたね。



後なんかあった気もするけどまあいいや。



戦闘システムさえなんとかしてくれればかなり良質な作品に仕上がってたと思います。

戦闘システムがクソなのでもう二度とプレイはしません。
04を作るつもりならここらへんちゃんと作りこんで、奥深さのある戦闘システムを構築してくれないと困っちゃうよ、ホント。


2015/08/20

日常系という語が如何に最悪かについて

最近日常系アニメという言葉をよく目にする。言うほど最近でもないだろう。
どうやらこの言葉は劇的なアクションが起こらない日常を女の子たちが仲良くたわむれる様を描いた作品を指す言葉らしい。
はぁーっ……。本当に馬鹿馬鹿しいと思う。最悪すぎる。この言葉を考えた奴とそれを得意げに使ってるオタク共は全員今すぐ首を吊って死んで欲しい。
そもそもじゃあ何で僕がこの言葉を嫌いなのかというと、真実から言えばオタクが嫌いだからだ。分かるか? 分かってない奴に向けてこれから説明しようじゃないか。

それではまずは日常系アニメという語の非合理性からだ。これは言うまでもないだろう。意味がなさすぎる上に侮辱的だ。アニメをラブコメだ熱血モノだと分類する行為自体はまだ理解できるが(視聴者がどのアニメを視聴するかの判断基準になりうる為)、日常系とはなんだ? ええ?
僕の知ってる限りでは日常系とは「劇的なアクションが起こらない日常を女の子たちが仲良くたわむれる様を描いた作品を指す」言葉らしい。
しかしな、ハッキリと言わせてもらうぞ。そんな作品はこの世のどこにも存在しないんだよ。

けいおん!は等身大の女子高生の部活動を描いたスクールアニメだし(だからこそ更にリアルに接近していこうと試みた蛸壺屋がウケた)、GJ部は1人の高校生が大好きな先輩たちとの別れを受け入れられるようになるまでを描いた感動大巨編だし、らき☆すたは当時オタクへの風当たりが厳しい中でオタクの主人公がオタクじゃない友達と、オタクの友達と区別なく和気あいあいと生活するさまを描いて当時のオタクに勇気を与えてみせた。Aチャンネルは毎話何かしらのハプニングやイベントが起こり、それを挿入歌を流しながら気持ちよく乗り切ったり過ごすというミュージカル的な演出で平坦に見える日常を違う角度から照らしてみせた。のんのんびよりは田舎/都会の対比を軸にまだ物をあまり知らない少女たちがまだ見ぬ人や自然との出会いに心を煌めかせる様をギャグのテイストを中心に描いた作品だ。ご注文はうさぎですか?は依然の記事にも書いた通り、知ってるものや人が全くいない空間の中に1人で飛び込み、友達を得るというまさしく冒険活劇と言っても差し支えないような内容になっている。詳しくはリンク先を見ていただきたいhttp://burningmelodysection.blogspot.jp/2014/07/blog-post_8.html
 
ゆゆ式は言うまでもなく3人の「みんなをもっと楽しませたい!、楽しみたい!」という愛にあふれる強烈なエネルギーが生活に反映されてく様を描いた「今は楽しい!」という絵を我々は徹底的に見せつけられるわけだ。それを見た私は、その楽しい光景が自分のことのように感じて、嬉しくなってしまう。

ファンタジスタドールというアニメに「いつもみんな一緒」という曲にこんなフレーズがある。


なにか良かったこと チョットでもあったなら
心にしまわないで みんなで分ち合おう
嬉しい時 私たち喜んであげるよ














良い歌詞だ。本当に良い歌詞だ。
ファンタジスタドールというアニメを、いや少女たちの物語の全ての尊さを全身全霊で歌い上げている。有史以来かつてこれほどまでに人の心を打ち、また核心に迫った曲があっただろうか? いや、ない(反語)

そうなのだ、アニメの中のキャラクターが嬉しい、楽しい時、それを見ている私も喜ばしいのだ。
その「楽しい!」という猛烈なエネルギーを真摯に描いた大傑作アニメ「ゆゆ式」、BD絶賛販売&レンタル中。原作は大好評でまんがタイムきららに連載中。単行本はまんがタイムKRコミックスから既刊7巻が発売中だ!


話がそれた。記憶を少し前に戻してみて欲しい。先ほど私が例に上げた、俗に「日常系」と言われるアニメは当然ほんの一部だ。実に様々な物語がある。アニメの数だけ全く固有の史観があり、世界がある。当たり前だ。人間1人1人は全く固有の人生を歩み誰一人として同じ者はおらず、その全く固有の史観を持つ人間が新たにキャラクターを生み出すのだ。1つとして同じものがあってたまるか。私は全人間、全キャラクターの人生の固有性、独自性に敬意を払っているつもりだ。

しかし、しかしだ。あろうことか下賤で野蛮で幼稚で陰湿で悪質なオタク共はこれら全く1つ1つが異質の宝石のような輝きを放つ物語群を「日常系」の一言で封じ込め、「日常系とかみんな同じようなもんだろ? ツマンネーw」とか、「日常系は小動物を観察するような快感ガ~」とか、「まーた美少女動物園か。泥臭い作品ほんとなくなったよなーw」
等のような戯言をぶち撒いているのだ。正直言ってこれを書いてる時点でもう血管がプッツリいきそうだ。我ながらよく我慢したと思う。 さて叫ばせてもらおう。


人間を侮辱するのもいい加減にしろよクズ共ッ!!!
彼女たちは日々を懸命に生き、その固有の歴史に歩を進めている!!
それは綺羅びやかで、何者にも変えられない、見ているだけでこちらが笑顔になりそうな黄金の日々だ!
その日々を描いた作品を!  テメェらのような見もせずネットの雲散から拾っただけの価値の無い言葉で断定し、何かを否定して自分の価値観を肯定しようとするその薄汚い腐った根性!
何一つ固有の誇れるものを持たず! 人が一生懸命築き上げた物を馬鹿にして皮肉るしか脳がない貴様らに独自性もなければ固有性などありはしない!
ゴミだ! 真性のゴミクズだ!!
即刻くたばれ! 二度と口をつぐむな! わんこーる速報死ね

わんこーる速報死ね(大事なことなので二回言った)


話を戻そう。そもそも日常系に限らず僕は分類とかカテゴリー分けみたいなものが大ッ嫌いだ。何故ならそのレッテルをかざしてあることないこといい加減なことを分かった風にばらまく奴らが絶えないからだ。
ゼロ年代とかセカイ系とか日常系とか全部大嫌いだよ俺は。それにまつわる議論をする奴らも全部脳タリンのクソ野郎だ。
テメェらは時代だ分類だと論じる前に1つの作品と真摯に向き合え。その固有性を見出し賛辞しろ。何もかも分類でくくろうとしてるんじゃねぇぞ。


カテゴリー分け、レッテル貼りなら全部嫌いで、男だ女だ30億人以上いるもんを一概に括ろうとするケースの馬鹿馬鹿しさは言うまでもないだろう。
じゃあ30億人以下なら良いのかというと当然そんなことはない。
黒人白人黄人中国人韓国人だの朝鮮人だの学歴がどうの出身地がどうののレッテル貼りは全部くだらない馬鹿のお得芸だし、そんなこと多少なりとも常識なり良識がある人間はまずやらない。
さっきも言ったが別に人間の数の問題じゃなく、1人の固有の人生を共同体だのレッテルで人間性を決めつけようとする吐き気をもよおす邪悪さが癇に障る。

別に僕はそんな問題提起をしたいわけじゃなく、こういうクソくだらねぇゴミクズみたいな自意識を日常系だのセカイ系だのと言った言葉を使ってオタク界に持ち込んで悦に浸ろうとするゴミみたいなオタクがこの世には大勢居て、そういうクズの自意識が特にネットでは多く散見され僕の愛好する作品群が侮辱されていくのは辛いという話です。

分かったらさっさと日常系とかいう最悪すぎる語を、しかも差別的に用いるのはやめろ。
美少女動物園と揶揄して作品を馬鹿にするお前の姿は畜生の臓物よりも汚らしい。



こういうことを言うのはダメだと分かっててもあいつらは増長を止めないから仕方ない。

日常系アニメを30分見るのは辛いから5分アニメにして欲しいという意見に対してのツイートでした。