2020/10/15

横浜DeNAベイスターズ プロスペクトランキング2020

 
 
 
 今年もやって参りました、毎年恒例プロスペクトランキングです。
 ランキング、注目度は全て私の主観好みで決めています。
 
 


それでは早速見ていきましょう
 
※カッコ内は前回順位
 

1位(1位) 楠本泰史 25歳 外一
花咲徳栄高 - 東北福祉大 ドラフト8位

 
今季1軍成績 .158(21打席) 1本 1点 3三振
今季2軍成績 .365(121打席) 6本 24点 24三振 OPS1.118
特徴 抜群の好打力
 
力の佐野、技の楠本。喜ぶべきことではないが2年連続プロスペクトランキング1位の偉業(?)を果たした。 
他の選手を圧倒する好打力は2軍選手でありながら既にリーグでも屈指。
また昨季大幅に向上した長打力を今年は更にパワーアップ。今年の2軍成績ならフル出場で25本塁打は打てる計算でパワーヒッターとしても一皮剥けてきた。
反面、1軍では持ち前のスイングができていないのか結果を出せないでいる。外野のポジションが激戦区ということもあり出場機会も限られてしまった。
ただ三振数を見る限り対応自体はできているので後は本当に1軍の球に慣れるだけの選手だ。
惜しむらくは俊足を持ちながらセンターを任せるには頼りない程度の守備力だろう。


2位(初) 森敬斗 18歳 遊外
桐蔭学園高 ドラフト1位
 

今季1軍成績 -
今季2軍成績 .203(174打席) 1本 10点 45三振 OPS.506
特徴 計測不能

走力特A、肩特A。全てが規格外の身体能力を誇る化け物。
精密性という概念が存在しない荒々しい動きは見る者を魅了し、その代償として三振とエラーを量産してしまっている。
この選手を数字で語るのはナンセンスなので特に何も申しません。
 
将来のショートレギュラーとして期待をかけられていますが、遊撃手の動きには精密性を求めたいもの。
仮に森が精密な動作を身につけたとして、森の良さがなくなってしまうのではないか? とも思います。
異次元の脚力を持つ森ならば今から外野を守っても球界トップクラスの守備範囲をチームにもたらしてくれるでしょう。そういう意味では将来のショートというよりかは将来の1番・センターとして期待したい。
育成に時間がかかるショートと違って外野なら2~3年後にでも1軍レギュラーとしての運用も可能です。センターよりは時間がかかるもののセカンドでも広島菊池の様な猿みたいな動きによる広大な守備範囲が期待できます。

ま、こんなこと言っても森敬斗さんは全てが計測不能なので論じるだけ無駄のかもしれません。
この選手は既存の常識では測れないです。
 

3位(3位) 京山将弥 22歳 先
近江高 ドラフト4位

今季1軍成績 3試合 1勝 1敗 16回 6.19 15奪三振 3四球
今季2軍成績 8試合 0勝 2敗 31.2回 5.68 31奪三振 15四球
特徴 センスの良さ

昨年は2軍では抑えるものの1軍で勝ちなしの6連敗。
毎年ピッチングスタイルが変わっているが今年はストレート、カットボール、スライダー、チェンジアップ、スプリット、カーブと全ての球種を満遍なく使う所謂変化球多投型のスタイルに。ストレートの投球割合は46%から33%と13%も下がった。
1軍、2軍双方で結果は出ていないが今年は自己最速となる151kmをマーク、平均球速は147kmと身体も出来てきて大幅に出力の向上に成功した。

変化球の球種を増やすのはいいがストレートの球威は本来良いものを持っているのでストレートの割合を減らすのは疑問符が残る。
なまじ投手としてのセンスが良いだけに次々と新しい変化球を覚えて物にするのだが、それよりは本来の持ち味のストレートを磨き上げる方が効果的だろう。
細かった身体も徐々に出来てきて本格化は近いだけに変化球でかわすベテラン風味のピッチングではなくストレートを4~5割投げる投手の王道のピッチングを期待したい。
 
また現在の球種も空振りを取る球が中心で0か100のピッチングになりやすい。仮に変化球を多投するならツーシームは欲しいだろう。


4位(2位) 伊藤裕季也 24歳 二三一(外)
日大三高-立正大 ドラフト2位

今季1軍成績 .000(5打席) 0本 0点 0三振 OPS.400
今季2軍成績 .254(223打席) 7本 22点 52三振 OPS.741
特徴 パワー&キャプテンシー
 
 
立正大からイケメンキャプテンがやってくる! ヤァヤァヤァ!
高いキャプテンシーが魅力の選手だが結果が出ないことにはキャプテンシーも型なし。
2軍成績は物足りないが前半に深刻な打撃不振に陥ってたことを考えると数字よりも打撃の感触は良い。
課題は三振の多さと打撃の粗さでアプローチを改善しつつある細川に対して打撃の粗さは昨年より悪化したような印象も受ける。

ただ失策数は昨年の16に対して今年は5個。三塁では無失策と課題の守備は着実に成長している。
二塁を無難に守れればこのクラスのパワーの選手が二塁に座るのは大きなアドバンテージとなる。それなら多少粗くとも構わないだろう。
打撃が先に成長するか守備が先に成長するか、どちらでもポジションの兼ね合いでレギュラーを取れる公算があり、プロスペクトランキングの中では最もレギュラーに近い選手かもしれない。


5位(新) 田部隼人 18歳 遊三二
開星高 ドラフト5位

今季1軍成績 -
今季2軍成績 .243(128打席) 0本 11点 24三振 OPS.560
特徴 感じの良さ

普通ルーキー選手というのはどこか遠慮しながらプレーしているものだが、この田部はキャンプの時点でもう「俺、プロ野球選手ですよ?」みたいな面で平然とプレーしている。
そのふてぶてしさは球団HPの選手画像からも伝わってくるだろう(そうか?)
 
所謂強肩の打撃型内野手だがこの選手の魅力は確かなバッティングセンスにある。
高卒1年目でありながら打率.243という数字。24三振という数字にその確実性の高さ、バッティングセンスの良さが表れているだろう。
現在0本塁打に沈んでいるが本来はパワーもある選手だし練習試合でも本塁打を放つなど不安視する部分ではないだろう。
 
打撃面の期待感と裏腹に破格のペースでエラーを量産する守備が最大の欠点。打撃は森より1軍に近いが守備の基礎固めという点では森より時間がかかりそう。





6位(4位) 細川成也 22歳 外
明秀学園日立高 ドラフト5位

今季1軍成績 .207(32打席) 0本 0点 8三振 OPS.523
今季2軍成績 .285(219打席) 10本 39点 59三振 OPS.904
特徴 圧倒的な筋力

圧倒的な筋量を誇るハマの最終兵器。
昨年は多すぎた三振数を改善。打率を3割近くまで向上させるなど着実にステップアップを積んできたが今年はちょっと足踏み。2軍成績は良くも悪くも昨年と全く同じままだ。(OPS.904も昨年と全く同じ!)
1軍でのアプローチは確実に良くなってきているので、後は出場機会を掴んで試合に出続ければ感覚を掴めるはずだが残念ながら外野のポジションは空いていない。 
ベイスターズでは1軍で使われながら感覚を掴むというレギュラーの定着の仕方は難しいので2軍戦への出場を続けて無双することで出場機会を得るというルートを辿ることになるだろう。
打撃のアプローチは伊藤裕より上の評価だが、外野は出場機会を得るのが難しいという点を加味して伊藤裕より下の順位となった。
 


7位(7位) 阪口皓亮 21歳 投(先)
北海高 ドラフト3位

今季1軍成績 2試合 0勝 2敗 7回 11.57 6奪三振 4四球
今季2軍成績 9試合 2勝 1敗 47回 2.11 36奪三振 15四球
特徴 ビッグスケール

身長186cmから投げ下ろす球は角度がありスケールの大きさを感じさせられる大型投手。
所謂投げてる球の割になんか打たれる系の投手であり最速152km、平均147kmの高出力を誇る割になんか打たれてしまう。
2軍成績も数字ほど良いわけではない。
 
球種的にもこれが強みと言えるような球種はないので更にスケールを上げて最速155kmぐらいのボリュームで押し潰すピッチングが完成形か。
京山もそうだが投手として最も必要なマインドである「図太さ」を持っておりすっぽ抜けはあれどビビった四球はあまり出さない。



8位(初) 蝦名達夫 23歳 外(一)
青森商高-青森大 ドラフト6位

今季1軍成績 .158(22打席) 1本 1点 6三振 OPS.641
今季2軍成績 .318(99打席) 6本 16点 17三振 OPS1.043
特徴 肩と走塁

ちょっと順位低くな~い? と思われる方もおられるだろうが、このランキングは全てが私の主観で決定しており、私が蝦名をあんまり評価していないのでこの順位となっています。ごめんネ!(ハルヒ)
と言っても2軍でOPS1.000超えはフロックでできるものではありません。大学時代から評価された打撃力は折り紙付き。
ただその打撃力が宮崎、佐野、楠本の系譜に次ぐ下位の打撃特化枠ということでハードルが高くなっている感があります。
宮崎、楠本はバットコントロール、佐野はパワーが持ち味の選手だとすれば、蝦名は広角への長打力と高い走塁センスで二塁打、三塁打を放ってOPSを稼ぐタイプ。そもそもタイプが結構違います。

また左投手を元来苦にしており、左に弱い右打者では代打としては使い勝手が悪い。
打撃型外野のライバルである細川、楠本と比べて守備力は上だが、使い勝手の悪さという意味では1軍に定着するハードルは中々高いと言えるだろう。
 

9位(10位) 山本祐大 22歳 捕
京都翔英高(甲)-BCリーグ・滋賀 ドラフト9位
 

今季1軍成績 -
今季2軍成績 .255(117打席) 2本 12点 17三振 OPS.729
特徴 バットコントロール
 
大阪で生まれ京都で育ち滋賀の地からプロに飛び立った関西の混血児。
この選手の魅力はなんと言っても強肩……ではなくバットコントロール。
1軍2軍を問わず安定して安打を放てる打撃力は捕手としてA級。三振も少ない。
しかも所謂黒羽根、加藤タイプの引っ張れない流し打ち専門打者ということもなく引っ張って強い打球も打てるスプレーヒッター。
 
反面守備が完成されているタイプというわけではないのでこの部分はまだまだこれから。捕手は経験のポジションです。
守備に目を瞑るほどの打撃力を持ってるわけでもありません。ただ「山本が居れば1軍の正捕手がいなくなってもある程度は大丈夫だな」と思えるぐらいの実力は有しています。
2軍では正捕手として最多出場。他にろくな候補がいないこともあり1軍選手を除くと最も正捕手に近い選手。



10位(11位) 櫻井周斗 21歳 先中
日大三高(甲) ドラフト5位

今季1軍成績 3試合 0勝 2敗 7.1回 7.36 4奪三振 3四球
今季2軍成績 14試合 0勝 1敗 23回 7.83 29奪三振 19四球
特徴 チェンジアップとスライダー

高校日本代表では3番清宮、4番安田、6番中村奨生の強力打線にあって5番打者を担った強打者。プロでは何故か投手。
清宮から5三振を奪ったスライダーに注目が集まるがチェンジアップも素晴らしい威力を誇り、左にはスライダー、右にはチェンジアップの投げ分けで抑えていく。
球速は150を超えるなど教科書通りのパワーサウスポーだ。
 
今年はスライダーの投球割合が大きく減りツーシームとカットボールが増えた。

「昨年のデータをアナリストさんに見せてもらいコーチと話した結果、被打率の高いボールを減らし、打たれないボールを増やしていくということになりました。結果、指標的によかったチェンジアップやツーシーム、そして練習をしてきたカーブがものになってきたので使っていこうと」

ということらしい。残念ながら結果は出ていない。
2軍投手コーチ大家による新球種習得の弊害と言えるがどのピッチャーもあの球も投げるこの球も投げるとなってシンプルな球種構成がなくなっている傾向にある。
タイプ的に櫻井はリリーフ向きなのでもう少し球種を絞って洗練していった方が良いのではないかと思う。



オマケ



プロスペクト卒業組

残念ながら今年度のプロスペクト卒業組は居ませんでした。
来年の楠本に期待しましょう。






オマケ2 11位~


11位(初) 浅田将汰 19歳
有明高等学校 ドラフト7位

今季1軍成績 -
今季2軍成績 9試合 2勝 2敗 39.2回 4.54 19奪三振 27四球
特徴 初期能力の高さ
 
個人的に最もイチオシの投手。写真写りが異常に悪いことに定評がある。
縦の角度から振り下ろすストレートとスライダーは滝のような曲がりで落ちていく(どう見てもドロップカーブだが……)
 
個人的には昨年のドラフトで最も評価している選手なのだが、投球スタイルとこれまで自分が確立してきたメソッドが相反するものが多くまだ判断を下せないので暫定的に選外とした。
縦から振り下ろす高めのストレート→2軍では通用しても1軍では通用しない
デカスラ、デカカーブ、デカチェンジアップ→ 2軍では通用しても1軍では通用しない

しかしこの選手にはなんとも言えぬ魅力があり、自分の思想では間違いなく推せないスタイルの投手なのにイチオシになってしまった。
ストレートも速くない。コントロールは悪い、変化球は曲がりが大きすぎる。でも何故か推してしまう。2軍でも先発として成績を残す。 
その正体は何なのか? 全く分かりません!
 
1つ言えるのは実戦投入は比較的早いだろうということ。FEのジェイガンみたいな特徴を書きましたが2年目の京山のように状況次第では来年早期での1軍先発もあるかもしれません。 


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