号泣したよ! うん!
あまりにもキレイな映画だった。良い映画だったぜ畜生。
序盤からもうふとしたことで涙腺が緩んでしまうし、特に中盤から終盤にかけての展開は感情を持つ人間なら100%泣く。
映画館のみんなエンエン泣いてたよ。
作画は評判通り絶品もの。アニメーションかくあるべし! というアニメに最適化された最高の描写をお届けしてくれる。
進行の上で、いわゆる「退屈な場面」というのも勿論あるんだけど、本作は絵があまりにも見事に描かれているからどんな場面でも退屈さを感じることが全くない。
2018年どころか平成のアニメ映画の中でもトップクラスの作画だったと思う。
まあ僕はアニメーションかくあるべしとは思わないんですが! 適度に手を抜いた作画の方が好きだよ!
以下愚痴!!!
結論から言うとあまりにムカつく映画だった。子供向けのアニメに何ムキになってんねんという話ですが、子供向けのアニメにムキにならずして何にムキになるんだよ!
ということでキレていきます。
「花の湯温泉のお湯は誰も拒まない」
という台詞があります。これは若おかみは小学生という作品を象徴する台詞で、冒頭からクライマックスまで何度もこの台詞を聞く羽目になるわけです。
おっこちゃんが若おかみを務める旅館はメチャ立派な旅館というわけではなく、変なお客さんや身なりの悪いお客さんもよく訪れます。
でも花の湯温泉のお湯は誰も拒まないので、変なお客さんでも拒まず旅館に受け入れてもてなすわけです。スゴイぜ!
本気で言ってんのか?
という話。じゃあ迷惑な客が花の湯で厄介行為で騒ぎまくっても受け入れてくれるのか?
お金のない行き倒れた人もお客さんのようにもてなしてくれるのか? 答えはNOです。そんなん当たり前だよね。
あと花の湯は泊まるのに一泊10万必要らしい。オイオイオイ
つまり誰も拒まないというのは言外に「最低限の常識があって、金銭を支払える能力がある人」という但し書きがつくわけ。僕こういうの大っきらい!
作中で批判してた「普通のお客さん」と何が違うの? これは。
普通じゃないお客さんも受け入れる。お客さんを普通とかそうでないというような物差しでみないと言っておきながら金銭で、立地でお客さんを排他する構造は万全なわけ。
だから花の湯温泉にはお金を持ってないような貧困層は訪れないし、高所得者しか訪れないので無礼な人間も来ない。来るとしたらちょっと変わり者の高所得者が来るぐらい。
それだったら「花の湯温泉は誰も拒まない」とか言っちゃえますよねという道理だよ。結局こんなもんはろ過装置のフィルターの向こう側に居る人間の理屈でしかない。
僕は典型的な貧困層のキモ・オタクなんですが、自分が排他されると分かっていて「誰も拒まない」なんて台詞を繰り返し聞く羽目になるのは精神的にかなり厳しいものがあったね。
誰も拒まないという台詞は排他される人間のことを考えたことがないから軽々しく言えるのであってね、少しでも拒まれる側の人間の気持ちになろうという考えがあればこんな台詞は出てきませんよ。
以上の点を踏まえると、「若おかみは小学生!」はどこまでもキレイで清潔な映画です。厄介な客はフィルターにかけられて出てこない。出てきても少し変なお客さんぐらい。登場人物の心はみんな美しい。汚らしいものが入る余地はこの映画にはない。
それはつまり
「花の湯温泉のお湯は誰も拒まない」
ということです! クソが!
良い映画だったから満足だけど、同時に非常にムカつく映画でもありました。子供向けアニメにムキになってキレるの、言ってる方も結構精神的にキツいよ……。トホホ
児童労働推奨アニメーションを許すな