2022/12/24

長距離適性だけで当てろ! 有馬記念

 
有馬記念は距離こそ2500mだが二度の急坂超えを要求される非常にタフなコース。
スピードだけで乗り切れる実質2000m相当の東京2400mとは違い、実質2800m相当のタフネスが必要になるレースと言っていいだろう。
過去を見ても菊花賞で好成績を収めた馬がそのまま好走するケースが目立つ。よって長距離適性を見て印馬を絞り込もうというのが今回の趣旨である。大体いつも特に関係ない。
 
 
  • 1番 アカイイト 距離適性2200~2800 能力82
基本的にマイル路線の番組が充実している牝馬にあってこの馬は非常にタフ。
テンのダッシュ力がなく後ろからになりがちだが、道中でまくっていける能力がありパワーとタフネスが要求される潰し合いには滅法強い。(何故VMを使ったのか?)
昨年の有馬記念は7着。結果こそ上出来だが5着タイトルホルダーと6着アリストテレスで3馬身開いているように上位勢との実力の開きは大きい。最内枠こそ引けたがテンで前に行けないこの馬にとっては絶好枠というわけでもない。
 
金鯱賞では先行できたがあのケースはアカイイトより内の馬がみんな下げて先行馬が全員外に固まってたという棚ぼた的な面が大きい。直線が短くコーナーの攻防がよりタイトになる中山でこの馬が前目で最内枠を死守できるイメージは沸かない。


  • 2番 イズジョーノキセキ 距離適性1800~2000 能力77
ある程度の先行力とある程度の末脚を兼ね備えた馬。府中牝馬Sではソダシを撃破。
ある程度というのがミソで先行できたレースはいずれもスローペースに限られてる。 
距離に不安がある馬なので前に出していくとスタミナが保たない恐れがある。後ろに回ると勝ち切れない。距離適性の恩恵を受けられない馬が穴を開けられるレースではないだろう。
 
 
  • 3番 ボルドグフーシュ 距離適性2200~3800 能力82
 所謂典型的な上がり最速善戦マンだがこの馬には並外れたスタミナがある。
Hペースの潰し合いになった菊花賞ではまくり気味に動いて勝ち馬のアスクビクターモアにハナ差まで迫った。
テンのダッシュ力はやる気がないんじゃないかというぐらい遅いので前目に付ける可能性は0に近く、今回もほぼ最後方からまくっていくことになるだろう。
内枠とはいえ中山の内はほとんど開かないので大外を回すケースが想定される。(鞍上の福永祐一は無理に馬群を捌くタイプではなく、引退も決まってる今回リスクのある進路は取らないだろう)
有馬記念において最後方からの競馬はゴールドシップが3度、ディープインパクトですら1度負けたように難易度が高い。
菊花賞のようなHペースの恩恵もなく、距離短縮で強みが活かせなくなる今回、神戸新聞杯でジャスティンパレスに0.7差付けられたこの馬の上積みは考えにくい。
 
 
  • 4番 アリストテレス 距離適性2200~3200 能力75
 長距離が苦手なコントレイル相手に長距離適性だけでクビ差の死闘を演じた華々しい経歴のステイヤー。正直言ってスタミナ量以外に強みがよく分からないし、今年の凡走は早熟早枯れエピファネイア産駒の典型例みたいになってしまっている。
 昨年は長距離適性を活かして6着を確保したが掲示板組とは大きな差が開いている。6着といえば聞こえはいいがモズベッロやユーキャンスマイルに中山2500で勝ったからなんだというのだ。
 
  • 5番 ジェラルディーナ 距離適性1800~2500 能力85
オールカマーは内枠ゲーの中イン突きを決めて勝利。エリ女は外枠ゲーの中大外を回して勝利と近走は露骨にトラックバイアスに恵まれた感は否めないがそれにつけてもエリザベス女王杯のパフォーマンスは秀逸だ。重馬場阪神2200mというタフな条件の中外をまくり気味に動かしていってゴールまで全く足が鈍っていない。
気性の繊細さとモーリス産駒ということで軽視していたがやはり名牝ジェンティルドンナの血か持ち前のタフネスは相当な物を感じさせる。
エリ女ではアカイイト相手に0.7秒差。ただこれでも去年の有馬記念と比較すると勝ち切るには至らない。オッズも現在3番人気と割と高く、実力は認めつつも本命視はリスキーという評価になる。

  • 6番 ヴェラアズール 距離適性2000~2800 能力89
この馬のストロングポイントは加速力だろう。京都大賞典では一瞬で最高速までギアが入りジャパンCでは狭いところを加速しながら縫っていった。
位置取りも枠順も去年のエフフォーリアっぽく好位につけて中目から進出して好位差しがイメージしやすい。
一瞬でギアが入ることから中山も問題なくこなせるだろうし、走りを見ていても距離延長は問題ない。
加速力の良さで勝ちきってる分エフフォーリアやイクイノックスほど突き抜けた地力は感じないが、準エフフォーリア級の評価は下してもいいだろう。
世界No.1ジョッキーのムーアから松山弘平への乗り替わりは大幅マイナス要素。
 
  • 7番 エフフォーリア 距離適性2000~2400 能力94
昨年はG一3勝連対率100%の年度代表馬。今年は持ち前の前進気勢や操縦性が失われ精神面、体調面ともに崩れてしまった。宝塚記念では最後追い込んではいるが元々圧倒的な末脚があるというわけでもない。レースセンスの高さと位置取りで好位を確保するこの馬の良さが戻ってこないと中々厳しい。
また距離適性の問題もある。昨年は勝ち切ったがクロノジェネシス同様2500mは少し長いところがある(クロノジェネシスの2200mでのパフォーマンスを見ると2500mは随分落ちると言わざるをえない)昨年ディープボンドと競っているようにベスト条件というわけではない。非ステイヤー型が勝ち切るには圧倒的なステータスが欲しい。今のエフフォーリアにそこまでの能力があるのか?
 
だが今回は7番という絶好枠に加えて大阪杯、宝塚記念と違って前目に行く馬が少ない。エフフォーリア次第だが5~7番手の好位で立ち回れる条件は十分整った。
末脚が衰えているわけではないのは宝塚記念で証明済。上手く前目で運べれば馬券内に来ても不思議ではない。
 
  • 8番 ウインマイティー 距離適性1800~2400 能力79
牝馬にしてはタフネス型だが京都大賞典で0.6秒差付けられているように混合G1でどうにかというタイプではない
 
  • 9番 イクイノックス 距離適性2000~3000 能力96
紛うことなき現役最強馬。馬柱だけ見ると距離適性に不安が見えるだろうが血統的にも走りを見ていてもむしろ長距離向き。キタサンブラックとダンシングブレーヴの良いとこ取りの様な走りに欠点はない。
クラシックではいずれも2着でドウデュース、ジオグリフに敗れているがこの頃はまだ馬体が出来ていない感があった。一夏越した今のイクイノックスに勝てる馬はおるのだろうか。いや、おらない。

位置取りは近2走は後ろからになっているがテンが遅いわけではなく、大外発走だった皐月賞などを見ても行こうと思えば中団前目には行ける。今回は絶好枠。死角はありません。

  • 10番 ジャスティンパレス 距離適性2200~3400 能力83
菊花賞はほとんど差がない3着。ロスの多い大外発走ということもあり、単純な能力評価ではボルドグフーシュより上に置きたい。
無類のスタミナを誇るステイヤー型で先行力もある。有馬記念で評価したいタイプだがダービーで9着とスピード能力では一線級にはやや劣るところがある(皐月賞はデムーロが出遅れさせたので特に気にしなくていい)
鞍上のマーカンドは支配タイプでおそらく今回もポジションを取りに来るだろう。強引に好位置を確保して早目に動いて抜け出すも後続に目標にされる……という展開がイメージしやすい。 

  • 11番 ラストドラフト
この超ハイレベル有馬記念では厳しい


  • 12番 ポタジェ 距離適性1800~2200 能力83
先行力と末脚のバランス型で(イズジョーノキセキ強化版)能力的には一発はある水準。ただここまでの出走は1800~2200だけ。2200mでは一度も馬券内に入れておらず長距離適性に疑問符が残る。このメンバー相手では厳しいだろう。
 
  • 13番  タイトルホルダー 2200~3500 能力92
簡単に前に行ける先行力と無類のタフネスを併せ持つ。阪神開催や菊花賞の横山マジック、空馬のアシストに開催週前残りとあらゆるレースで恩恵を受けた感は否めないが実力を疑う余地はないだろう。
制したG1はいずれも特殊なレースで参考にできるレースはほとんど無い。
最も参考になるのはシュネルマイスター、ダノンザキッドを振り切った弥生賞だろう。皐月賞ではエフフォーリアに一瞬でかわされたが騎手がアレだった上に他の馬は寄せ付けていない。

今回は他にめぼしい先行馬もおらずタイトルホルダーの楽逃げが決まりきっている。こうなるとタイトルホルダーに死角はないように見えるが、この楽逃げが落とし穴ではないかと見ている。横山和生なら楽逃げと見て必ずペースを落とす。Sペースではトップスピードに劣るタイトルホルダーの持ち味が出ない。
春のレースと違って冬の競馬は芝が荒れて末脚決着が目立つ。昨年より斤量+2kgかつメンバーレベルの向上。以上の要素を持って1着付けを切りたい。

  • 14番 ボッケリーニ 距離適性2000~2500 能力80 
日経賞ではタイトルホルダーに次ぐ2着だったがまさにG2という感じのメンバーレベルでこの中に入ると苦しい。ジャパンCでは先行するも直線ではおいていかれた。
大外枠も相まって苦しい。
 
  • 15番 ブレークアップ
大体ボッケリーニと同じ。

  • 16番 ディープボンド 距離適性2200~3200 能力85
昨年は内枠の利を生かして渾身の騎乗でクロノジェネシスを撃破し2着を確保。斤量差がなければエフフォーリアに勝っていたかも。一転今年は大外枠。JRAの卑劣な枠順操作がここでも炸裂した。
能力的にはタイトルホルダーに次ぐ水準だがやはり枠が苦しい。鞍上の川田将雅はこの局面でも必ず前のポジションを取りに行くだろう。 
スタートからゴールまで追っ付け通しの可能性もある。前のポジションを取りに行くのに足を使った分を含めてこのメンバーで最後勝負になり足が残っているかというと難しい。
 
それでもグランプリにおいては能力上位で宝塚記念でも外枠から最初から最後までゴリゴリ押しっぱなしで4着を確保している。勝ち切れるイメージが無いのはキレ味のなさか。


 
馬券戦略
2強
イクイノックス
タイトルホルダー
秋G1組
ジェラルディーナ
ヴェラアズール 
有馬ワンツー
エフフォーリア
ディープボンド
菊花賞組
ジャスティンパレス
ボルドグフーシュ
 
今年の有馬記念は誰がどう見積もってもこの8頭の中からのチョイスになるだろう。
当然この8頭を全てカバーしようものならトリガミは必至。取捨選択を迫られることになる。
当初はイクイノックスとアスクビクターモアの二頭軸を構想していたがアスクビクターモアがまさかの回避。ならイクイノックス一頭軸で流すのが筋だが……そうなるともう一頭抑えたくなるのが人情というもの。対抗は◯ヴェラアズールを想定している。 

状態面と距離に不安があるエフフォーリア、位置取りが後ろからのボルドグフーシュ、大外枠のディープボンドを切って
 
◎イクイノックス
◯ヴェラアズール
▲タイトルホルダー
△ジェラルディーナ
△ジャスティンパレス

という感じか。この場合の馬券戦略だがイクイノックスの単勝が3倍台の場合馬単に手を出す意味は全くなくなる。(逆にヴェラアズールからの馬単は跳ねる)
三連単もイクイノックス1着付けの場合おそらく当日付いて70倍という感じでリスクとリターンが全く釣り合わない。
的中しても全く旨味が無いのを承知でイクイノックス軸の三連複、馬連でリスクヘッジしつつ単勝に厚く貼るのが最適解なのではないかという気がする。正直こんなオッズのレースはやるべきではないが有馬記念に参加しないのは国民の義務を果たしていないのと同義らしいのでやらなければならない。
当日のオッズと相談して当たった感を少しでも演出するために券種を増やすつもりだ。
 
想定馬券
 
単勝 1点 2.5~3倍台なら
イクイノックス
 
馬連 4点
軸イクイノックス- ヴェラアズール、タイトルホルダー、ジェラルディーナ、ジャスティンパレス

馬単 2点
ヴェラアズール-イクイノックス
イクイノックス-ヴェラアズール
 
三連複 6点
軸イクイノックス- ヴェラアズール、タイトルホルダー、ジェラルディーナ、ジャスティンパレス


 
みんなでタイトルホルダーを切って笑って年を越そう!