2022/10/17

血統で当てろ! 菊花賞

 
3冠最後の関門菊花賞。近年は3000mという過酷すぎる条件に天皇賞秋に逃げるを選択する脆弱な3歳馬も目立ちますがここ数年に至ってはそれも仕方ないこと。
過酷な二度の急坂超えがある阪神3000mは3歳馬には過酷すぎ。加えて道中のペースも阪神の方が速くなりやすい傾向にありスタミナ勝負のマラソン対決の様相を呈する。
 
そこでスタミナを最重要ファクターとして馬を選びたいのだが、中々スタミナというのは外野から見ても伝わりにくいもの(陣営のコメントぐらいしか頼れるものがない)
ドラフト作成のせいで時間もない。そこで血統を見て馬券を当てようというのが今回の趣旨です。
 
(一応長距離で重要な騎手性能も加味する)

 
 
アスクビクターモア (田辺裕信 阪神▲ 長距離B)
血統 父ディープインパクト×母カルティカ(2100mGⅢ3着)母父レインボウクエスト
母父レインボウクエストは85年凱旋門賞勝ち馬という古めかしい血。
レインボウクエストは日本では天皇賞(春)、有馬記念を制したサクラローレルを輩出しており欧州血統によるスタミナ供給は疑う余地がない。そこにディープでスピードと過剰に近いスタミナを与えている。
母カルティカは海外で18戦1勝、フュドレール賞(2100m)で3着が最高の戦績で牝系のスタミナは十分。

血統的にはバリバリの長距離家系であり菊花賞戦線における最右翼。
タイトルホルダーに次いで弥生賞馬の菊花賞制覇に期待したい。

アスクワイルドモア(岩田望来 阪神▲ 長距離B)
血統 父キズナ×母ラセレシオン(ダート1600で3勝) 母父ゼンノロブロイ
父キズナは短距離向きからダート馬、長距離馬まで幅広く出すオールマイティ型の種牡馬。
現役馬ならソングラインアカイイトディープボンドと変幻自在だ。
母ラセレシオンは現役時代はダートマイルで3勝、それ以外の距離では惨敗している。難しい馬だったのかもしれない。母母アルゼンチンスターダート2100mのデビュー戦を勝利で飾った後1戦も走らず引退している。デビュー戦から2100mを使ったということで牝系のスタミナは信頼して良さそうだ。
母父ゼンノロブロイは距離が伸びれば伸びるほど良いタイプ。母はダートマイルしか使えなかったが血統的にはスタミナが重点的に補充された牝系だ。

血統的にはスタミナの裏打ちがあるが、そもそも根本的に馬が弱い。
京都新聞杯ではヴェローナシチー、ボルドグフーシュに勝ったが終始コーナーがキツい中京の最内を回す楽なレース展開。
大きく外を回した上で接戦を演じたヴェローナシチー、ボルドグフーシュの方が強いと考えるのが自然。 (コーナリング能力は高いが)
実際に大外発走になった神戸新聞杯では出足がつかず上2頭に大敗を喫した。よほど有利になれるレースでない限り基本的には能力が足りてないだろう。

ガイアフォース(松山弘平 阪神▲ 長距離C)
血統 父キタサンブラック 母ナターレ(2100m勝ち) 母父クロフネ
父キタサンブラックは新世代種牡馬だが第1世代のイクイノックス、ガイアフォースが長距離で結果を残しており自身のタフネスを産駒も受け継いでると考えていいだろう。
母父クロフネは長距離では不安が残るが、母ナターレがダートの長距離である2100mで良成績を残しており血統的には両親が長距離血統という認識でいいだろう。

セントライト記念では強敵アスクビクターモアを撃破。やや外目を回したとはいえ、アスクビクターモアを目標にしながらのレース運びで気分的にはこの馬の方が楽だっただろう。
と言ってもほぼ互角のレース内容。アスクビクターモアとの実力差は拮抗している。
なおセントライト記念組はこの2頭とそれ以外で大きな実力の開きがあり、この2頭以外は軽視してもいいだろう。
 
ジャスティンパレス(鮫島克駿 阪神△ 長距離D)
血統 父ディープインパクト×母パレスルーマー 母父Royal Anthem
母パレスルーマーは2013年ベルモントSを制したパレスマリスを産んだ名牝。
日本でもアイアンバローズがステイヤーズS2着になるなど着実に活躍馬を輩出している。
スピード競馬の色合いが濃い米製牝馬でありながら長距離血統というユニークな血を持っている。
神戸新聞杯では他馬を突き放し圧勝したが終始最内を回す絶好の位置取りを取れたのも大きい。
レベルの高い神戸新聞杯組は他馬の逆襲も警戒したい。
馬のタフネスは申し分ないが上がり目の騎手とはいえ阪神と長距離での成績が芳しくないのが不安要素だ。 

セイウンハーデス(幸英明 阪神◯ 長距離D)
血統 シルバーステート×ハイノブリッジ(1200mで2勝) 母父マンハッタンカフェ
母ハイノブリッジは1200mで2勝、母母ゴールドグレースは800mで2勝ととにかく牝系が短い。母父マンハッタンカフェとはいえ父シルバーステートはマイル寄りの性質。
加えて低レベルなプリンシパルS勝ち馬、セントライト記念では前が残る中山で2番手で先行したものの勝ち馬に1秒近く離されるなど馬のレベルが低い。

セレシオン(福永祐一 阪神◯ 長距離A)
血統 父ハーツクライ×クルソラ 母父Candy Stripes 
母父Candy Stripesはマイルで走った馬。GⅠ2着が最高で重賞勝ちは無し。競走馬として大成する前に引退したが、種牡馬としてアルゼンチンで大成功を収めた。GⅠを6連勝したアメリカ年度代表馬のインヴァソールなどを輩出している。母バブルカンパニーはバブルガムフェローも出してる凄い家系。
 
その家系に生まれた母クルソラは欧州2000mのG1で2勝を挙げた名牝。
クルソラの子(セレシオンのきょうだい)には桜花賞2着、オークス3着のクルミナル。GⅢで2着3回総賞金2億のピオネロなどが出てる名牝系。
牝系の裏付けは抜群と言えるだろう。 
やや左にモタれる癖があるため右回りには不安が残るが前走を圧勝しており何らかの印は必要か。
 
ディナースタ(横山和生 阪神▲ 長距離C)
血統 父ドゥラメンテ 母ラヴァリーノ 母父 Unbridled's Song 
母ラヴァリーノはジャックドールを生んだ名牝。母の成績は8戦2勝ということ以外不明。
父ドゥラメンテでどこまで距離を伸ばせるか。母母父Shadeedの血が出てるのか子供がやたらと札幌で強い(札幌記念ジャックドール、札幌2勝ディナースタ)
平坦コースが良いのか洋芝が合ってるのかは考えていく必要があるだろう。

ディナースタ自身のスタミナはありそうで道中一気に順位を上げて先頭に立つ捲り戦法で札幌2600mのレースを2連勝。
長い足を使わせたらこの馬という感じ。 
血統的な裏付けはハッキリ言って微妙。二度の急坂超えがある阪神3000mも不安だ。
 
 
ドゥラドーレス (横山武史 阪神△ 長距離A)
血統 父ドゥラメンテ 母ロカ(1600〜2000で良績あり)母父ハービンジャー
牝馬にしては長めの距離を使える母にドゥラメンテ。母父ハービンジャーも申し分ない。
 
前走は楽に抜け出して完勝の横綱相撲。能力は重賞級で血統も十分。気性が荒い点は引っかかるが抑える必要はあるだろう。
 
ビーアストニッシド(岩田康誠 阪神◯ 長距離A)
血統 父アメリカンペイトリオット 母マオリオ(未出走) 母父ネオユニヴァース
 
父はアメリカンペイトリオット、アメリカンと名がつく馬に長距離血統はありえへんのじゃ!
母は未出走で何も言えない。母父ネオユニヴァースは現役時代は長距離に泣かされ三冠を逃したが産駒の長距離適正は高い。 

主な勝鞍は最もGⅢに降格すべきレースでお馴染みスプリングS。
このレースを使った馬は7着アルナシーム、12着グランドライン、 13着トーセンヴァンノ以外は1勝もできておらずレースレベルが非常に低い。
そんなレースをSペースで逃げて勝ったのだから当然評価は低い。 
神戸新聞杯ではそこそこのスタートを切ったものの道中追走できず後方からになり直線では置いていかれた。血統的な裏付けも弱く、能力下位と見るのが妥当だろう。
 
フェーングロッテン(松若風馬 阪神◎ 長距離C)
血統 ブラックタイド×ピクシーホロウ(1500~1800) 母父キングヘイロー 

父ブラックタイドは言わずとしれたディープインパクトの全兄。代表産駒キタサンブラックのイメージを投影しがちになるが産駒の長距離成績はあまり良くない。(ブラックタイド自身も1800~2000に適正があった)
というか産駒の3000m以上の勝数は3勝で、これは全てキタサンブラックによるものである。キタサンブラックが突然変異だったと考えるのが自然だろう。
 
母ピクシーホロウはスプリンターズSを制したピクシーナイトを産んだ名牝。
1800mでも結果を残しておりピクシーナイトが居るからと言って短距離血統を決めるのは早計だろう。母父キングヘイローはご存知世界最高のブルードメアサイアー。

血統的な裏付けは正直微妙で、また馬自身の気性も荒くブリンカーなどを着用することになっている。
折り合いが重要な3000mでは気難しさが仇となりそうだ。

 
プラダリア(池添謙一 阪神◯ 長距離S)
血統 父ディープインパクト 母シャッセロール(1000m2勝) 母父クロフネ 
 
母父クロフネが距離が不安な上に母シャッセロールは1000mで2勝、1200mで1勝の短距離馬。母母母リトルオードリーはオークス3着馬なのだが以降の血統は短距離牝系が連なっている。

青葉賞は縦長の隊列で気分良く走れる楽なレース。レースレベルも低く軽視していたら日本ダービー5着は驚いた。4強からは離されたとはいえOP級の能力はありそう。
神戸新聞杯は8着だが見せ場はあった。状態が上向けば面白そうだが長距離をこなせる裏付けは感じない。最後やや伸びを欠いたのもあって適正距離は2400mまでだろうか。

ボーン・ディス・ウェイ(石橋脩 阪神◯ 長距離A)
血統 父ハーツクライ×母ウィンドハック 母父プラティニ
母はイギリス1000ギニー(日本でいう桜花賞)勝ちのウィンドハックにハーツクライ。
同母でキズナを付けたウィンドスピナーもマイルが主戦場。血統的な裏付けは薄い。
 
ドウデュースと接線を演じた馬だがホープフルSは大逃げ馬の後の二番手追走でノンストレスの楽な形 。弥生賞は最内進行と好走した2レースはかなり恵まれた感じがある。
実際外目を回されたラジオNIKKEI賞では相手関係が大幅に弱くなったのに負けた。勝ち切るには得意条件で内枠やSペース濃厚など恵みが欲しいところ。
 
 
ボルドグフーシュ(吉田隼人 阪神◯ 長距離B)
血統 父スクリーンヒーロー×母ボルドグザグ 母父Layman(1200~1600)
母ボルドグザグはフランスの1600mG3勝ち馬。スクリーンヒーロー産駒は長距離に全く適性がない。

血統的背景には欠けるが馬としてはここ5戦で全て最後方から上がり最速マン。
そこそこレベルの高い神戸新聞杯でも好走しており距離が伸びたら……という期待感はあるが血統的には2400mの中距離までだろう。
阪神3000mはある程度前目の位置も欲しい。ここで買うべきではなさそう。

ヤマニンゼスト(武豊 阪神◯ 長距離UG)
 血統 父シンボリKris S.×母ヤマニンバステト(1800m勝ち) 母父ディープインパクト
両父の血統は申し分ない長距離型。母もある程度の距離を使えており血統には全く問題がない。
 
神戸新聞杯はまさかビックリの2着確保。
 「内でじっとして直線に賭けました。上手く嵌った感じはありましたが、いい馬です。乗り味も良く距離は延びても大丈夫です」 
と武豊渾身の穴狙いがハマった形。
馬自身の特性としては加速力が低く直線が長くないと十分な速度に乗らない末脚型。小回りコースなら眼中にナッシング弥太郎といったところだろう。
 
馬の能力としてはかなり微妙なところだが血統と騎手は最高クラス。オッズ次第では穴で抑えてもいいかもしれない。
 
 
ヴェローナシチー(川田将雅 阪神◎ 長距離C)
父エピファネイア×母アモーレエテルノ(1600m2勝) 母父ゼンノロブロイ
母アモーレエテルノに長さはないが父エピファネイア母父ゼンノロブロイ共に長距離砲。 
血統としては十分な水準。
 
アスクワイルドモアより強いと専ら噂の善戦マン。 かなりタフで持続力のある足を使える馬。左回りでゴチャつくところがあり右回りは歓迎。
先行力、キレ味共に欠く馬だが神戸新聞杯でも最後まで足を伸ばしておりスタミナ面の期待値は高い。
しかし阪神内回り3000mで差し切れるイメージはない。道中ある程度の順位かコーナーでのまくりは欲しいところだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
結論
◎アスクビクターモア (一番強い)
◯ガイアフォース(アスクビクターモアに先着)
◯ジャスティンパレス(血統的に申し分ない)
△ドゥラドーレス(能力十分も気性に不安)
☆ヴェローナシチー(消耗戦ならこの馬。Sペースなら厳しい)
☆セレシオン(右回り不安も血統◯)
注ディナースタ(不明な点が多い)
注ヤマニンゼスト(血統と騎手だけ)


馬券的には割りと人気しそうなヴェローナシチーを嫌って
ディナースタ、ヤマニンゼストはオッズ次第(20倍は欲しい)を抑えたり抑えなかったりかな。 
アスクビクターモア、ガイアフォース、ジャスティンパレスの3頭が抜けて強い感じがするので穴狙いで欲張るのは避けた方がいいかもしれない。
ただ今回どう見ても3強体制の割にオッズが偏ってないのはそれぞれの騎手が田辺、松山、鮫島と長距離で信頼できる騎手がいないことが大きい。この中なら田辺が一番信頼できると思うしアスクビクターモアが一番強いと思うが……。(終わってみて後世の人間が見たら「なんでアスクビクターモアが1番人気じゃないの?」と感想を抱くと思う。いや当日には1番人気になりそうな気配もあるが…… )
 
ドゥラドーレスは実績の割に人気そうやけどそれだけの能力はある。ただ扱いが難しくてかかったら惨敗、かからなかったら圧勝もあるかも。1着につけると点数が増えるので悩ましい。
 
穴ではセレシオンが面白そうだけど良くて3着までという感じもある。
京都工事中の阪神開催で行われたここ数年の菊花賞、天皇賞(春)は基本的に全レースカッチカチなので(レッドジェネシスとかいう変な馬は除く)1着付けは実績上位馬だけで良さそう。(余計ドゥラドーレスで悩む~)
 
ヴェローナシチーはステラヴェローチェと被るところがある(ステラヴェローチェの方が二段階ぐらい強い)名前も似てる。
去年の菊花賞はステラヴェローチェが大外から捲って猛追してほとんど2着と差のない4着だったけど、逆に言うとステラヴェローチェクラスの馬でも外を回したらこれが限界ということ。
同じ戦法をやってもヴェローナシチーがあそこまで上がってこれるイメージは全然無い。
 
 
今目が回るぐらい忙しいのにこれを3時間かけて書いてる。正しく現実逃避と言えるだろう。
問題はゲームとかアニメへの現実逃避と違って机作業だからめちゃくちゃ疲れることだ。
あ~首が痛い。
 


結局勝つのは?

アスクビクターモア