DeNAベイスターズがクリーンアップの期待をかけていたロマックが攻守ともに精彩を欠き、またエレラの帰国もあり駆け込み足の外国人補強を強いられたことは記憶に新しい。
どっかのアホが「ロマックは一定の成績を残してくれるだろう」
なんて適当なことをほざいたせいで赤っ恥もいいところである。
↓どっかのアホ
http://burningmelodysection.blogspot.jp/2016/02/2016.html
この件で考え改めたが、選球眼の良いタイプは安定した成績を残す可能性が高いが、そのためには外角が狭い日本特有のストライクゾーンに適応する必要があり、かつファーストストライクからでも積極的にパンチを打てる選手という条件を満たす必要があるのかもしれない。
ロマックは恐れるかのように球を待ちすぎてファーストストライクを叩くことができず、またストライクゾーンへの適応もできなかったのが通用しなかった原因だろう。
さて、ここでロマックのこれまでの経歴について振り返りたい。
知ってる人も多いと思うが、ロマックはマイナーで過去200発以上のHRを放った、まさに「2軍の帝王」ともいえる存在だ。
力はあるのだが、もう一皮剥けていない選手が日本でハマることを期待して獲得したのだろうが、残念ながらそれは上手くいかなかった。
またロマックは近年徐々に成績を上げてきた「成長株」の選手でもあった。
つまり、長年マイナーに甘んじつつも、最近徐々に成績を上げてきた期待の持てる選手をDeNAは獲得したのだ。
これは過去のDeNAのドラフト方針とも一致し、過去の白崎浩之や三嶋一輝、井納翔一などがそうだ。
確かに、落ち目の選手より成績を上げてきた選手を獲得するのは理にかなっているのかもしれない。
だが近年DeNAはその方針を一転させてきている。
14年ドラフト2位の石田健大は大学3年時に素晴らしい成績を残し1位候補に踊りでるも、ケガをしてしまい4年時は低迷したという選手だった。
いわば「ワケありのお買い得物件」だが、悪く言えば「地雷の代名詞」ともいえる。
そして今年ドラフト1位の今永昇太もこの石田とほぼ同じ成績の経歴だ。
3年時には破格の成績を残し、何球団競合するのだろうかという次元の選手だったが、ケガをしてしまい4年春は投げることすらできなかった。
この物件に目をつけ、ドラフト前から今永1位指名を宣言し他球団に手を引かせ、単独指名を成功させたのが今永に惚れ込んでいた吉田編成部長というのは有名な話。
このように近年のDeNAは「一時圧倒的な成績を残し、ポテンシャルは証明しているものの故障などで評価を落としているワケありの選手」
を獲得し、主力化に成功させているのだ。
そしてこれは新外国人の補強方針においても例外ではない。
2軍の帝王として元気にやっていたロマックが全く通用しなかったのを反省としたのか、以降の獲得選手は「過去の実績はあるが、最近評価を落としている選手」を中心に行われている。
たとえばエリアン・エレラ。
以前このブログでも取り上げたが、2015年はメジャーで83試合に出場し7本塁打も放った、「メジャーリーガー」の実績がある選手だ。
しかし今年に入り不調に陥り、マイナーでも成績を残せなくなっていたところをDeNAが獲得した。
昨年ポテンシャルの高さは証明済みなので、環境を変えて心機一転すればメジャーリーガー級の活躍が望めるという判断だったのだろう。
そして新獲得が発表されたマイク・ブロードウェイ。
昨年2015年は打高のPCLで40試合 48.1回 2勝0敗13S 防御率0.93という圧倒的な、それは無双の成績を残した実績のある選手だ。
打高のマイナーでしか打てなかったロマックの反対といっていいのかもしれない。
しかしブロードウェイはメジャーで通用することができず、今年に入ってマイナーでも打たれだしたところをDeNAが獲得した。
ブロードウェイはコントロールも良く速球も速いというピッチャーだが、変化球は本当にほぼスライダーのみなので、単調な投球ではメジャーのバッターには合わせられてしまうのだろう。
DeNAとしては、日本ならば150kmを超える速球投手は少なく、変化球が単調でも短いイニングなら十分通用するという判断なのだろう。
そして何よりも昨年PCLで無双したという「実績」がある。
繰り返しになるが、近年DeNAは「一時期良い成績を残すも、ケガや不調などで成績を落としている選手」を中心に獲得し、チームの主力として運用することに成功している。
このスタイルならば純粋に良い選手を取るよりも他球団と競合しにくく、また外国人ならばマネーゲームに巻き込まれることなく選手の獲得が可能だ。
ただこの手法が本当に正しいのかどうかはわからない。
現在は石田健大、今永昇太、エリアン・エレラと成功例となる選手たちがチームの主力として活躍しているが、故障経験があるということはやはり今後長いプロ野球人生の中で不安材料になってくる。
ケガ持ちの有力株の選手を低い順位で指名してチームを作り上げた見本がヤクルトスワローズだ。
ケガに泣かされ最下位付近に甘んじていたが、2015年はけが人の数が(比較的)少なく、また故障者が多いポジションある中継ぎを外国人中心に編成することでリスクを減らし、そのままチームの勢いで優勝を果たした。
だが今年は再びケガ人に泣かされ、去年頼っていた外国人たちは全員去ってしまった(オンドルセク…)
このように、ケガ持ちの選手を中心としたチーム作りは少なくないリスクを抱えている。
またエリアンのようにメジャーリーガー経験がある選手は、日本で活躍した後、再度メジャーに戻る可能性が高く長年の間のチームの主力として外国人を固定することが難しくなってしまう。
ヤクルト(バーネット)
ソフトバンク(サファテ、李大浩)
巨人(マシソン)
といった強いチームたちの影には必ず長年日本球界でプレイしてきた外国人選手たちが居た。
そういう選手は新外国人たちの教育役やまとめ役の役割を果たし、他の外国人に良い影響を与える。
MLBのレジェンドプレイヤーでもあった、2013年楽天のアンドリュー・ジョーンズなどが良い見本だろう。
あの年、楽天はジョーンズを中心にまとまることで悲願の日本一を果たした。
つまり、優勝を目指すチームを編成しようと考えた時、外国人たちの精神的支柱かつまとめ役となる経験豊富な外国人の存在は必ず必要になってくる。
エリアンのようなメジャーリーガー中心の獲得では、そういう選手が生まれにくいのではないのかという危惧だ。
まとめ
補強方針、獲得方針に正解などなく、1人1人の選手をじっくり見て判断していくしかないため、正解というものは絶対にありません。
近年のDeNAベイスターズの「そういう方針」が成功しているからといって、その方法が良いものというわけではなく、少なくないリスクを抱えてはいます。
絶対に選手を当てる方法などなく、1人1人の選手を正確に観察して、それぞれの結論を出していくしか選手を当てる方法はありません。
仮に今年のブロードウェイがこれから活躍し、上記の獲得方針の成功例が続いたとしても、それは「けが人や不調選手をお買い得に獲得する」という方針が正しかったのではなく、1人1人の選手と向き合って結論を出したスカウト、および首脳陣の成果であることは忘れないようにしましょう。
あっ、そうだ(唐突)
今現在パワプロに収録されていないマイク・ブロードウェイ選手を作成してくれた。
「仮面町」
というブログがあるらしいですね。いやぁ!これはすごいサイトだと思います!是非見なくちゃ!仮面町さいこー!!
http://retokasu.blogspot.jp/2016/07/2016_10.html